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Tag [新作レビュー] 2009.03.14
桜姫奉伝種村有菜「桜姫華伝」


桜姫
おまえはかぐや姫の孫じゃ



■時は平安時代。14歳の桜姫は、許嫁である王良親王から突然、都に来いと告げられるが、それを嫌い家出をしてしまう。「決して満月を見てはいけない」そう巫女の白夜から教えられていた姫だったが、その夜は奇しくも満月。思わず満月を見てしまった桜姫の前に、引き寄せられるように人食いのもののけ・妖古が現れる。まさに絶体絶命。あきらめかけたその刹那、彼女を救ったのは親王の使者・青葉と白夜。そして、彼らの口から思いもよらない事実を告げられる。なんと、桜姫はかぐや姫の孫だった!

 「神風怪盗ジャンヌ」や「紳士同盟」でおなじみの種村有菜先生の新作です。かぐや姫の孫だと知らされた桜姫。かぐや姫は月の国の秘剣を持ち、妖古を退治していました。そしてその秘剣を操れるのはかぐや姫の血を引く者だけ。そのことから、かぐや姫の末裔は妖古退治が絶対的な任務になります(帝の命)。闘い続けるか、闘わない道(即ち死)を選ぶか、桜姫は選択を迫られます。
 また親王の使いを名乗っていた青葉ですが、その正体は親王。桜姫は表面では青葉を嫌うものの、昔から唯一文を送ってくれていた彼を慕い、実際会うことでさらに気持ちを強めていきます。


桜姫華伝
桜姫の決意

 
 まぁとにかく簡単に説明できるほど簡単な設定ではありません。それに加え、話の展開も2回3回とヒネリを入れてきます。それでもしっかりまとめあげてくるのは、ベテランだからこそなせる業。ただ妖怪退治していくって単純な話ではなく、大事な部分はもっと別のところ。現時点では本当に障りだけで、話を展開させる舞台を整えましたよって感じですね。とはいえそれでも十分引きつけるものはあります。子供向けの感は拭えないけれど、上手いことは上手い。


【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→ジャンヌに萌えを覚える方って結構いらっしゃるんですよね?そういう意味での4つ。
【私的お薦め度:☆☆☆   】
→さてどういうストーリーにしていくのか、気になりますね。いかにもアニメで良さそうって感じもしますが。


作品DATA
■著者:種村有菜
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:りぼん(平成21年1月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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