このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2011.09.29
1106066933.jpgもとなおこ「葬儀姫」(1)


誰もが延命を望むわけではない…か…


■葬儀屋を営む、美しいブロンディ姉弟。姉のアッシュは、葬儀のほかに、不思議な力を用いて死者を蘇らせる“延命術”を施している。一方弟のダストは、姉への強い想いを胸に秘めながら、彼女の仕事を手伝っているのだった。そんな中、アッシュを獲物を狙う目で見つめるもうひとつの存在が…。逝き行く者と残されるものの想いを繫ぐ、19世紀英国葬儀屋ファンタジー!

 「コルセットに翼」(→レビュー)などのもとなおこ先生の、フレアでの連載作品になります。もとなおこ先生については、「コルセットに翼」ぐらいしかまともに作品を知らず、勝手にプリンセス専門の漫画家さんかと思っていたのですが、なんとフレアでも描いていたとは。というわけで、「葬儀姫」のご紹介です。舞台となるのは19世紀のイギリス。ここで葬儀屋を営むのは、姉・アッシュと弟・ダストの美しき姉弟。葬儀屋を営むと同時に、二人は別の稼業も行っています。それが、死者の魂を期間限定で蘇らせる“延命術”の仕事。この世界では延命は正式に認められており、正当な理由と資金があれば、延命が認められているのです。その理由は様々。ただ一つ、決められているのは「死者と契約をしてはいけない」ということ。そんな中、淡々と延命を行うアッシュと、特別な感情を抱きつつ彼女の手伝いをするダスト、そして遠くから、アッシュを見つめる視線が…というお話。


葬儀姫
生き返ることはできるが、そこには様々な制約が。約束を破ると、当然のことながら罰がくだる。

 
 蘇生術というか延命術が登場する漫画は結構たくさんありますが、それは基本的にカリスマ的な術師がおり、それに付随して物語が派生していくみたいな面が強い印象があります。一方こちらは姉と弟そろってやっとひとチーム。また延命というファクターがあるからと言って、容易にお涙頂戴の生温い物語を展開するわけでもありません。1話完結を繰り返して大筋を作り上げるというスタイルを用いているために、もちろんそういった展開はありはするのですが、それはメインディッシュにあらず。この物語の核となるのは、主人公であるアッシュの秘密と、彼女を狙う一人の少年の存在。あくまでもファンタジーということで、より器の大きな受け皿を用意しています。
 
 そのため1巻時点では謎の端っこが明らかになった程度で、物語が本格的に動くのは2巻からという予感が。なんとなく一筋縄ではいかなそうな物語となっており、シンプルすぎるファンタジーはちょっと…なんて思うことがある方にはぴったりかもしれません。コルセットに翼は明るい面がすごく出た作品だと言えますが、こちらはダークな面が醸成されて香り引き立っている感じ。死人を扱うという時点で生臭い感はあるのですが、それでも最大限美しく見せているのはさすが。上手い具合にバランス取れています。
 
 ヒロインがキャラ立ちしすぎているため、視点を重ねる余地があるとすれば弟のダストになるのでしょうか。とはいえシチュエーション的には、男達に見守られるヒロインという形になっていて、羨ましいのはヒロインの立場という。読み手によって様々感想が分かれそうでもあります。とりあえずみんなクセ者ということだけ、念頭に置いておいてください。


【男性へのガイド】
→もとなおこ先生の作品は本当に少女漫画然としているというか。そういう純少女漫画がお好きな方は是非とも。
【感想まとめ】
→ちょっとダークなもとなおこ先生の世界を堪能。物語としてのサイジングも絶妙で、これから盛り上がりもあると思いますし、気になった方はお手に取ってみてはいかがでしょうか。


■作者他作品レビュー
もとなおこ「ドリーナ姫童話」


作品DATA
■著者:もとなおこ
■出版社:ソフトバンククリエイティブ
■レーベル:フレックスコミックスフレア
■掲載誌:フレア(連載中)
■既刊1巻
■価格:571円+税


■購入する→Amazon


カテゴリ「フレア」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。