作品紹介→椎名軽穂「君に届け」
9巻レビュー→爽子の告白などに関して思うことを少々…《続刊レビュー》「君に届け」9巻
10巻レビュー→ひとつの区切り、新たなスタート《続刊レビュー》「君に届け」10巻
11巻レビュー→くるみちゃんの魅力:椎名軽穂「君に届け」11巻
12巻レビュー→いやいや、あなたこそ、良いパパだっ!:椎名軽穂「君に届け」12巻
13巻レビュー→制服×海辺砂浜×二人で=最高:椎名軽穂「君に届け」13巻
椎名軽穂「君に届け」(14)
どうしよう
もう
逸らせない
■14巻発売しました。
沖縄での修学旅行開始!楽しい時間の中で、それぞれの気持ちが動き出す…。龍が告白されたと知り、なんだかとってももやもやする千鶴。旅行直前に付き合いはじめた茂木と、微妙な空気のあやね。そして夜、お風呂上がりに会った風早と爽子がどきどきの急接近!?
~開放的な空気の中、動き出したそれぞれの恋~
14巻です!修学旅行です!ということで、何か起きないわけがない、少女マンガでの修学旅行。爽子に千鶴にあやねに、それぞれ異なった恋愛の立ち位置から、それぞれに思い悩んだ回でした。いつもは何かに絞ってレビューをお届けしているのですが、今回は三者三様の恋模様を追いかけてみようかと思います。
~初々しい青春模様を繰り広げる爽子~
まずは爽子。最も遅れをとっているスタート地点とは異なり、気がつけば自分が一番幸せで進んだところに居て…ってのは結構見られがちなパターン。既に盤石の状態にある風早くんとの関係で、次に来るのは当然のことながら恋人同士のわかりやすいステップアップ…そう、キスです。むっつり評価のある風早くん、二人きりになれば意外と手が早そう(←偏見)ではあるもの、修学旅行って恐ろしい程団体行動なんですよね。個人的には、修学旅行で恋人同士の愛情が深まるなんてのは、基本的に都市伝説だと思ってます。当然のことながら、風早くんも爽子と二人きりなんてなれやしません。それでもやっとこさ巡ってきた大チャンス。人気のない廊下、好きな子と二人きり、しかもお風呂上がりで髪の毛からはすっごくいい匂いがするはずです(これ重要)。火照った体が、心と共に余計に火照る。そして…ついにキ…

スうわあああああ
残念ながらファーストキスはお預けとなりました。この後二人は、お互い部屋に戻り、その時の感触を確かめます。唇でなく、その前に触れた頬と手の。胸の高鳴りと、ちょっとの感触を残し、それを噛み締めての終幕。この初々しさがなんとも…!いきなりキスには行かずにその手前ですん止めして、もう一度おいしく頂く。恋の階段をゆっくりゆっくり昇るその姿を描くこの物語ならではの、素敵な描き方だったと思います。キスなんてした日には、パパの顔はもちろん、ママの顔さえ見れないことでしょう(なぜかレベッカ締め)
~ベンチに座ったその距離が、今の二人の心の距離~
さて、今回爽子と同じくなんだかとっても甘酸っぱい青春模様を繰り広げていたのが、千鶴。こちらは自分の恋心が、というよりはもっと別のところを契機として、相手を意識することになりました。龍に起こった思わぬ告白劇。彼女の心に渦巻いたのは、一体なんだったのでしょうか。兄妹、幼なじみ的な感覚から来るもの?それとも…得体の知れない感覚に、彼女自身も戸惑います。そして訪れる自由行動の時間、龍は千鶴の顔を見ることもなく、落ち着いた口調でその想いを告げることに。結局これが結果に繋がることはありませんでしたが、これから先進んでいくにあたって、大きなターニングポイントとなるのは確かでしょう。ここでとても印象的だったのが、その二人のベンチでの距離…

直前まで間にジョーがいたため、このような座り位置となったわけですが、これがまさに今の二人の心の距離を表しているような気がしてならなかったのです。この直前のお話は、先述の爽子と風早のキス未遂事件。その時二人は、動いたらぶつかるような距離で座ってしまい、あのような形になるのですが、同じ“座る”というパターンを用いての対比に見えるんですよね。言ってみればこれはスタート地点。ここからだんだんと距離を縮めていけば良いのです。多分なんだかんだでにやにやほっこりできるのは、この二人の恋模様なんじゃないかと思うのです。
~目下最大の注目の的・あやねのお相手は?~
さて、お待たせしました。やっとのことであやねです。14巻はまさにあやね回と言っても過言ではないほどに、彼女中心に物語が描かれました。自分の恋愛観と、絡まる複雑な糸。彼女だけ、爽子や千鶴とは異なる世界で恋愛をしているようです。住処としては、「君に届け」よりもむしろ前作の「CRAZY FOR YOU」の方がしっくりくるような印象があります。
そして気になるのは、誰が相手本線に躍り出るのかって話ですよ。茂木くんは畜生っぷりを見せつけて早々に脱落し、恋の匂いを残しつつなのが、ピンとケント。うーん、究極の2択(笑)どうも周りのブログとかを見ていると、ピンとくっついてもらいたいという声が大きいみたいなのですが、個人的にはケントの方がちょっと病的で好きかなぁ、と。というのも、あやねに感じる「CRAZY FOR YOU」の匂いから、なんとなく軽度の相互依存的な関係が結末としてイメージできるというか。ピンは今までも、そしてこれからもあやねに頼ることってないような気がするんですよね。あれだけ生徒達の領域に介入しておきながら、ちゃんと一線は引いている。それを越えて、ピンが彼女を受け入れるかってのが、ちょっとまだ想像できないのです。それにケントはそろそろ幸せになっていいはず(彼の貢献については、前巻レビューご参照)とはいえ結局決めるのはあやねです。今回浮き彫りになったあやねの恋愛の弱点は…

「自分から好きになったことがない」ということでした。このマイナスを埋めることが出来るのは、愛情を注いでくれる存在ではなく、愛情を注げる相手が登場すること以外にありません。そうした時に、既に愛情注ぎまくりのケントはどう見たってそれを埋めるキャラにはならないような。そして残るはピンに…。でも確かに、普通にあやねが同級生の男の子に夢中になるって、これまた想像つかないんですよね。そうすると、やっぱりピンか。最初はジョーがそういうポジションに来そうだったのに、やっぱり彼ではちょっと足りませんでした。そして残ったケントはくるみちゃんを幸せにしてもらいましょう。てかそれぐらいしかもう、くるみちゃん登場しなそうだよ…
■購入する→Amazon
9巻レビュー→爽子の告白などに関して思うことを少々…《続刊レビュー》「君に届け」9巻
10巻レビュー→ひとつの区切り、新たなスタート《続刊レビュー》「君に届け」10巻
11巻レビュー→くるみちゃんの魅力:椎名軽穂「君に届け」11巻
12巻レビュー→いやいや、あなたこそ、良いパパだっ!:椎名軽穂「君に届け」12巻
13巻レビュー→制服×海辺砂浜×二人で=最高:椎名軽穂「君に届け」13巻

どうしよう
もう
逸らせない
■14巻発売しました。
沖縄での修学旅行開始!楽しい時間の中で、それぞれの気持ちが動き出す…。龍が告白されたと知り、なんだかとってももやもやする千鶴。旅行直前に付き合いはじめた茂木と、微妙な空気のあやね。そして夜、お風呂上がりに会った風早と爽子がどきどきの急接近!?
~開放的な空気の中、動き出したそれぞれの恋~
14巻です!修学旅行です!ということで、何か起きないわけがない、少女マンガでの修学旅行。爽子に千鶴にあやねに、それぞれ異なった恋愛の立ち位置から、それぞれに思い悩んだ回でした。いつもは何かに絞ってレビューをお届けしているのですが、今回は三者三様の恋模様を追いかけてみようかと思います。
~初々しい青春模様を繰り広げる爽子~
まずは爽子。最も遅れをとっているスタート地点とは異なり、気がつけば自分が一番幸せで進んだところに居て…ってのは結構見られがちなパターン。既に盤石の状態にある風早くんとの関係で、次に来るのは当然のことながら恋人同士のわかりやすいステップアップ…そう、キスです。むっつり評価のある風早くん、二人きりになれば意外と手が早そう(←偏見)ではあるもの、修学旅行って恐ろしい程団体行動なんですよね。個人的には、修学旅行で恋人同士の愛情が深まるなんてのは、基本的に都市伝説だと思ってます。当然のことながら、風早くんも爽子と二人きりなんてなれやしません。それでもやっとこさ巡ってきた大チャンス。人気のない廊下、好きな子と二人きり、しかもお風呂上がりで髪の毛からはすっごくいい匂いがするはずです(これ重要)。火照った体が、心と共に余計に火照る。そして…ついにキ…

スうわあああああ
残念ながらファーストキスはお預けとなりました。この後二人は、お互い部屋に戻り、その時の感触を確かめます。唇でなく、その前に触れた頬と手の。胸の高鳴りと、ちょっとの感触を残し、それを噛み締めての終幕。この初々しさがなんとも…!いきなりキスには行かずにその手前ですん止めして、もう一度おいしく頂く。恋の階段をゆっくりゆっくり昇るその姿を描くこの物語ならではの、素敵な描き方だったと思います。キスなんてした日には、パパの顔はもちろん、ママの顔さえ見れないことでしょう(なぜかレベッカ締め)
~ベンチに座ったその距離が、今の二人の心の距離~
さて、今回爽子と同じくなんだかとっても甘酸っぱい青春模様を繰り広げていたのが、千鶴。こちらは自分の恋心が、というよりはもっと別のところを契機として、相手を意識することになりました。龍に起こった思わぬ告白劇。彼女の心に渦巻いたのは、一体なんだったのでしょうか。兄妹、幼なじみ的な感覚から来るもの?それとも…得体の知れない感覚に、彼女自身も戸惑います。そして訪れる自由行動の時間、龍は千鶴の顔を見ることもなく、落ち着いた口調でその想いを告げることに。結局これが結果に繋がることはありませんでしたが、これから先進んでいくにあたって、大きなターニングポイントとなるのは確かでしょう。ここでとても印象的だったのが、その二人のベンチでの距離…

直前まで間にジョーがいたため、このような座り位置となったわけですが、これがまさに今の二人の心の距離を表しているような気がしてならなかったのです。この直前のお話は、先述の爽子と風早のキス未遂事件。その時二人は、動いたらぶつかるような距離で座ってしまい、あのような形になるのですが、同じ“座る”というパターンを用いての対比に見えるんですよね。言ってみればこれはスタート地点。ここからだんだんと距離を縮めていけば良いのです。多分なんだかんだでにやにやほっこりできるのは、この二人の恋模様なんじゃないかと思うのです。
~目下最大の注目の的・あやねのお相手は?~
さて、お待たせしました。やっとのことであやねです。14巻はまさにあやね回と言っても過言ではないほどに、彼女中心に物語が描かれました。自分の恋愛観と、絡まる複雑な糸。彼女だけ、爽子や千鶴とは異なる世界で恋愛をしているようです。住処としては、「君に届け」よりもむしろ前作の「CRAZY FOR YOU」の方がしっくりくるような印象があります。
そして気になるのは、誰が相手本線に躍り出るのかって話ですよ。茂木くんは畜生っぷりを見せつけて早々に脱落し、恋の匂いを残しつつなのが、ピンとケント。うーん、究極の2択(笑)どうも周りのブログとかを見ていると、ピンとくっついてもらいたいという声が大きいみたいなのですが、個人的にはケントの方がちょっと病的で好きかなぁ、と。というのも、あやねに感じる「CRAZY FOR YOU」の匂いから、なんとなく軽度の相互依存的な関係が結末としてイメージできるというか。ピンは今までも、そしてこれからもあやねに頼ることってないような気がするんですよね。あれだけ生徒達の領域に介入しておきながら、ちゃんと一線は引いている。それを越えて、ピンが彼女を受け入れるかってのが、ちょっとまだ想像できないのです。それにケントはそろそろ幸せになっていいはず(彼の貢献については、前巻レビューご参照)とはいえ結局決めるのはあやねです。今回浮き彫りになったあやねの恋愛の弱点は…

「自分から好きになったことがない」ということでした。このマイナスを埋めることが出来るのは、愛情を注いでくれる存在ではなく、愛情を注げる相手が登場すること以外にありません。そうした時に、既に愛情注ぎまくりのケントはどう見たってそれを埋めるキャラにはならないような。そして残るはピンに…。でも確かに、普通にあやねが同級生の男の子に夢中になるって、これまた想像つかないんですよね。そうすると、やっぱりピンか。最初はジョーがそういうポジションに来そうだったのに、やっぱり彼ではちょっと足りませんでした。そして残ったケントはくるみちゃんを幸せにしてもらいましょう。てかそれぐらいしかもう、くるみちゃん登場しなそうだよ…
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