作品紹介→*新作レビュー*新條まゆ「ハートのダイヤ」
関連作品レビュー→*新作レビュー* 新條まゆ「あやかし恋絵巻」
新條まゆ「ハートのダイヤ」(3)
お前のファーストキスを奪ったのは
俺なんだよっ
■3巻発売しました。
すべての願いを叶える「ハートのダイヤ」を持つ主人公・姫乃。ダイヤのせいで世界中のオトコから狙われる姫乃を守る守護神・真守と影護。3人は高校生になり、それぞれの想いを膨らんでいき…
~やはり圧倒的すぎるまゆたん~
どうも、まゆたんのマンガは好きですか?私は大好きです。もうこの人は本当にマンガじゃない、何かの神様に愛されまくってるな、と読む度に思うのですよ。そしてそれが一番顕現するのが、この「ハートのダイヤ」なんじゃなかろうか、と。
『「君を守るためだよ…」とキリっとした顔で平然と女子更衣室に乗り込みながら、さりげなく手品をする』という衝撃のシーンを見せた2巻から実に1年以上。今回変わらずのインパクト。様々なインパクトある作品が、少女マンガ界にも多数登場していますが、やはりまゆたんの持つナチュラルな凄さの前には、みんな霞んでしまいます。「キレイな顔を~」もそうですが、ミステイクをインパクトある絵柄で目立たせてしまうというその手腕がさすが。3巻ものっけからやられました…

なにしてんだ…
こんなところで
こっちの台詞だよ!無駄に後光が差しているところがさすがです。まず目がいくのはその馬のサイズ。めちゃくちゃデカイと思うんですが、さすが「行きたい場所:宇宙」と書くだけのビッグな男・影護、平然と馬を御しています。そしてさらに驚きなのが、なんと彼、鞍をしていない。普通鞍をしないとケツが痛い&滑るでまともに座っていられないはずなのですが、平然と座っているところに、その我慢強さとバランス感を感じさせます。鞍をしないのは騎馬民族ぐらいって話ですので、既にこの年で騎馬民族に匹敵する馬術をお持ちということですよ。その技術の高さは馬を御すところでも生かされていて、ハミ(馬の口にするくつわみたいなもの)もしていないという。もうこうなるとまともに馬を御すことはできないハズなのですので、騎馬民族レベルの騎乗技術のないみんなは真似しちゃだめですよ!
その後も圧倒的な存在感を醸し出します…

もはや鞍云々とかではなく、シュールすぎる絵面

そして颯爽と立ち去る…。跨がり方が神々しいです。この時点で姫乃を腕に抱いていますから、もう馬と接触してるのってお尻と内股ぐらいしかないわけですが、見事に意のままに操っています。ケツで馬を操る男・影護。もはや何をやっても勝てる気がしません。
2巻では完全に真守に持っていかれた感がありましたが、今回はさすがに影護に軍配が上がった感じでしょうか。手品と騎馬じゃ、やっぱり騎馬に行きますって。まぁ私はどちらにも勝てる気がしませんが…。
~総理大臣が夢でも一発キャラにしかなれない現実~
もはや影護に勝てる男はいないのか…と思ったその刹那、颯爽と現れたのは「行きたい場所・宇宙」と語る影護にも勝るとも劣らない大きなスケールを持った青年でした。それが彼、佐山時宗くん。

ゆくゆくは総理大臣とまで言われていた敏腕代議士の息子さん。しかしその父は、汚職の罪を着せられて、自殺に追い込まれてしまいました。その葬儀の最中、亡き父の意思を継いで彼はこんなことを決意するのでした。
「今に見てろ父さんのカタキは俺が討つ!!
父さんをだました連中をこの手で失脚させてやる
そして…
この俺が総理大臣になる!!」
でかい!夢は総理大臣の男の子ですよ!あいのりとかに出たらきっと「総理」とかいうニックネームで呼んでもらうのでしょう。しかも昔からの夢ではなく、明らかにこの瞬間に思い立ったという軽さがたまりません。そしてこの男の子が、姫乃争奪戦線に名乗りを上げるわけですよ。ご近所さん、親戚の方、誰が言ったかはわかりませんがどうにも評判が良くなく、しかも夢は総理大臣。一見大志を抱いたカッコいい青年に映りますが、その実「夢はミュージシャン」と言っているフリーターと特に変わらないっていう、その清々しいダメっぷりに心トキメキます。
さて、総理大臣になると決めたからには早速行動しないと。彼はハートのダイヤを狙って、即座に姫乃にアプローチを仕掛けます。しかしそう易々と、彼女が自分になびかないのも分かっています。その結果、彼が選んだアプローチ方法は…
「ストックホルム症候群」
ストックホルム症候群については、Wikipediaでも参照していただければと思うのですが、概要としては「犯罪被害者が、犯人と一時的に時間や場所を共有することによって、過度の同情さらには好意等の特別な依存感情を抱くこと」をいうもの。ちょっと危ない場所に行って吊り橋効果を狙っちゃうような、公務員志望の草食男子共とはそのレベルが違いすぎます。もう完全に法に触れているっていう。そして繰り返しになりますが、彼の将来の夢は総理大臣です。この夢のためならなんでもやる…という徹底っぷりはある意味政治家に向いているような気もしますが…。そしてその後、彼の発言により彼のスゴさが浮き彫りに…

世界を手に入れることができる …
え、ちょ、夢変わった?当初「総理大臣」であった彼の夢は、いつの間にか「世界を手に入れる」という夢へと飛躍していました。いや、それとも総理大臣になれば世界を手に入れられると思っているのでしょうか?
新世界の神になりたい系の発想を持って、自ら犯罪に手を染めるというのは、「DEATH NOTE」の夜神月くんも同じ。そう、彼は週刊少年ジャンプの人気連載で主役を張れるほどのポテンシャルを持っていると言っても過言ではないわけですよ。そんな彼が、この作品では一発キャラで終わっているという現実。いかにすごい奴らがしのぎを削っているかということが、おわかりになるでしょうか?そんなすごい奴らが登場する、ハートのダイヤ。全力でオススメします!
■購入する→
関連作品レビュー→*新作レビュー* 新條まゆ「あやかし恋絵巻」

お前のファーストキスを奪ったのは
俺なんだよっ
■3巻発売しました。
すべての願いを叶える「ハートのダイヤ」を持つ主人公・姫乃。ダイヤのせいで世界中のオトコから狙われる姫乃を守る守護神・真守と影護。3人は高校生になり、それぞれの想いを膨らんでいき…
~やはり圧倒的すぎるまゆたん~
どうも、まゆたんのマンガは好きですか?私は大好きです。もうこの人は本当にマンガじゃない、何かの神様に愛されまくってるな、と読む度に思うのですよ。そしてそれが一番顕現するのが、この「ハートのダイヤ」なんじゃなかろうか、と。
『「君を守るためだよ…」とキリっとした顔で平然と女子更衣室に乗り込みながら、さりげなく手品をする』という衝撃のシーンを見せた2巻から実に1年以上。今回変わらずのインパクト。様々なインパクトある作品が、少女マンガ界にも多数登場していますが、やはりまゆたんの持つナチュラルな凄さの前には、みんな霞んでしまいます。「キレイな顔を~」もそうですが、ミステイクをインパクトある絵柄で目立たせてしまうというその手腕がさすが。3巻ものっけからやられました…

なにしてんだ…
こんなところで
こっちの台詞だよ!無駄に後光が差しているところがさすがです。まず目がいくのはその馬のサイズ。めちゃくちゃデカイと思うんですが、さすが「行きたい場所:宇宙」と書くだけのビッグな男・影護、平然と馬を御しています。そしてさらに驚きなのが、なんと彼、鞍をしていない。普通鞍をしないとケツが痛い&滑るでまともに座っていられないはずなのですが、平然と座っているところに、その我慢強さとバランス感を感じさせます。鞍をしないのは騎馬民族ぐらいって話ですので、既にこの年で騎馬民族に匹敵する馬術をお持ちということですよ。その技術の高さは馬を御すところでも生かされていて、ハミ(馬の口にするくつわみたいなもの)もしていないという。もうこうなるとまともに馬を御すことはできないハズなのですので、騎馬民族レベルの騎乗技術のないみんなは真似しちゃだめですよ!
その後も圧倒的な存在感を醸し出します…

もはや鞍云々とかではなく、シュールすぎる絵面

そして颯爽と立ち去る…。跨がり方が神々しいです。この時点で姫乃を腕に抱いていますから、もう馬と接触してるのってお尻と内股ぐらいしかないわけですが、見事に意のままに操っています。ケツで馬を操る男・影護。もはや何をやっても勝てる気がしません。
2巻では完全に真守に持っていかれた感がありましたが、今回はさすがに影護に軍配が上がった感じでしょうか。手品と騎馬じゃ、やっぱり騎馬に行きますって。まぁ私はどちらにも勝てる気がしませんが…。
~総理大臣が夢でも一発キャラにしかなれない現実~
もはや影護に勝てる男はいないのか…と思ったその刹那、颯爽と現れたのは「行きたい場所・宇宙」と語る影護にも勝るとも劣らない大きなスケールを持った青年でした。それが彼、佐山時宗くん。

ゆくゆくは総理大臣とまで言われていた敏腕代議士の息子さん。しかしその父は、汚職の罪を着せられて、自殺に追い込まれてしまいました。その葬儀の最中、亡き父の意思を継いで彼はこんなことを決意するのでした。
「今に見てろ父さんのカタキは俺が討つ!!
父さんをだました連中をこの手で失脚させてやる
そして…

でかい!夢は総理大臣の男の子ですよ!あいのりとかに出たらきっと「総理」とかいうニックネームで呼んでもらうのでしょう。しかも昔からの夢ではなく、明らかにこの瞬間に思い立ったという軽さがたまりません。そしてこの男の子が、姫乃争奪戦線に名乗りを上げるわけですよ。ご近所さん、親戚の方、誰が言ったかはわかりませんがどうにも評判が良くなく、しかも夢は総理大臣。一見大志を抱いたカッコいい青年に映りますが、その実「夢はミュージシャン」と言っているフリーターと特に変わらないっていう、その清々しいダメっぷりに心トキメキます。
さて、総理大臣になると決めたからには早速行動しないと。彼はハートのダイヤを狙って、即座に姫乃にアプローチを仕掛けます。しかしそう易々と、彼女が自分になびかないのも分かっています。その結果、彼が選んだアプローチ方法は…
「ストックホルム症候群」
ストックホルム症候群については、Wikipediaでも参照していただければと思うのですが、概要としては「犯罪被害者が、犯人と一時的に時間や場所を共有することによって、過度の同情さらには好意等の特別な依存感情を抱くこと」をいうもの。ちょっと危ない場所に行って吊り橋効果を狙っちゃうような、公務員志望の草食男子共とはそのレベルが違いすぎます。もう完全に法に触れているっていう。そして繰り返しになりますが、彼の将来の夢は総理大臣です。この夢のためならなんでもやる…という徹底っぷりはある意味政治家に向いているような気もしますが…。そしてその後、彼の発言により彼のスゴさが浮き彫りに…

世界を手に入れることができる
え、ちょ、夢変わった?当初「総理大臣」であった彼の夢は、いつの間にか「世界を手に入れる」という夢へと飛躍していました。いや、それとも総理大臣になれば世界を手に入れられると思っているのでしょうか?
新世界の神になりたい系の発想を持って、自ら犯罪に手を染めるというのは、「DEATH NOTE」の夜神月くんも同じ。そう、彼は週刊少年ジャンプの人気連載で主役を張れるほどのポテンシャルを持っていると言っても過言ではないわけですよ。そんな彼が、この作品では一発キャラで終わっているという現実。いかにすごい奴らがしのぎを削っているかということが、おわかりになるでしょうか?そんなすごい奴らが登場する、ハートのダイヤ。全力でオススメします!
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