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Tag [新作レビュー] [読み切り/短編] 2011.11.09
1106057110.jpgモリエサトシ「不埒なシスター ~オムニバス短編集~ 」


もっと見たいしさわりたい
この薄いブラウスさえ
邪魔だと思うよ



■読切り5編を収録。それでは表題作をご紹介。
 肌を露出せず聖母のように優しい“シスター”こと宮本澄。そんな彼女の肌に、偶然触れた指先の熱が忘れられないカジは、もういちど彼女の肌に触れようとするが、澄のガードはとことん堅く…。他の人に触れるのもやめる、神様を恨めしく思ったこともあった、それでも…。青春には、奇跡のカケラが詰まっている。
 
 モリエサトシ先生の読切りシリーズ集です。タイトルが「不埒なシスター」ということで、教会が舞台?なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、学園モノで教会は出てきません。表題作のシスターというのは、あくまであだ名。とある学園で繰り広げられる、青春の模様を瑞々しく、そしてどこか淫微に切り取っていきます。
 
 基本的に恋愛もの。ちょっと変わった個性を持ってる子同士の組み合わせとなっているので、カップリングメインでその他の収録作品をご紹介していきましょう。表題作は先にご紹介した通り、シスターと呼ばれるクールビューティーとチャラ男くんのお話。「泣き顔のマリア」は、極度の乾き症の男の子と、涙が勝手に溢れて来てしまう体質の後輩ちゃんのお話。「緑のモンスター」は、緑色の目をした少年と、バレー命だった部活少女の緑さんが出会うというお話。「日影のシスター」は、表題作のヒロインの妹が主人公。シスターと呼ばれる姉を持ち、誇らしくも悩んでいる彼女の前に、人気俳優の双子の弟が現れて…というお話。「不実のピアニスト」は、発表会でのピアノ伴奏を探しているヒロインが、壊れたピアノを愛する変わり者の男の子に出会って…というストーリー。


不埒なシスター
表題作「不埒なシスター」より。“不純だけれど 貴方がすきです”という台詞が本当に印象的で。ちょっと気どったような台詞回しやフレーズが多かったりするのですが、それが割と打率高くてしかも長打。


 カップリングからわかると思うのですが、割とどのお話もこの相手こそという特殊な特性を持った者同士の組み合わせになっています。作中の作者さん柱コメントに作品の生まれた経緯などが描かれているのですが、割と「これ!」というコンセプトがあって、そこから話を作っていっているみたいで、多分多くのお話が枠組みが決まった上で物語が肉付けられていったのでは、と思います。そのため特殊な設定ながら、最終的に物語はあるべき所に落ち着いてくれる美しい構成に。モリエサトシ先生の作品って、そういう印象の話が多い気がするのですが、今作もやっぱりモリエサトシ先生だな、と思わされる所が多く満足でした。あと相変わらず、無駄にエロティック。努めてプラトニックなのに、無駄にエロティック。何故か感じてしまう背徳感は花ゆめの他の漫画家さんではなかなか味わえない感覚でございます。
 
 個人的にお気に入りだったのは、「不実なピアニスト」でしょうか。音楽室に壊れたピアノ、そこにいるのは二人だけ…というシチュエーションがまず大好物なのですが、相手役がピアノに本気で恋しているというど変態っぷりがもうたまらないです。ピアノのことしか思わない彼に、自分の伴奏を頼んでも無意味だと諦めムードのヒロインなのですが、その後あれやこれやあって…のその後の彼の変わりっぷりが変態なのに爽やかで、何故だか感動的という。どこか歌劇であるとか舞台作品めいたわざとらしい台詞回しが多いのですが、それもこれくらいの設定だと割としっくりくるというか。その他「泣き顔のマリア」も個人的にはお気に入りでございました。


【男性へのガイド】
→このクサさに耐えられるかってだけで、あとはもうどんと来いって感じですよ。
【感想まとめ】
→いやーエロさはないのにエロいっす。それこそがモリエサトシ先生。ちょいとクサさはありますが、それもまたモリエサトシ先生。先生の作品をご存知で、かつお好きな方は買って損なし。


■作者他作品レビュー
モリエサトシ「ラブ シック」
モリエサトシ「白磁」
猫たちと、一人の男の子の紡ぐ愛おしき物語:モリエサトシ「猫の街の子」



作品DATA
■著者:モリエサトシ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ(連載中)
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




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レビュー
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シリウスと繭
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レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
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