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Tag [新作レビュー] 2011.11.18
1106070078.jpg冴凪亮「ロックウェル+ギャングスター」(1)


おまえはそのままでいい


■魔女のメリッサは、死人を蘇らせる秘蹟を探していた。けれども、最弱にして貧弱なので、あっさりと人間に捕まってしまう。どうにかして抜け出さないと…。困った彼女が助けを求め、メリッサが召還術で呼び出したのは、世界を救った伝説の大勇者「シェイド=ギャングスター」だった。けれど、正義の大ヒーローの正体は史上最凶の大悪魔で!?

 ITANの掲載作でございます。作者の冴凪亮先生は白泉社花とゆめメインで描かれていた先生で、代表作には「よろず屋東海道本舗」などがあります(個人的にはそれくらいしか知らなかったりしますが…)。白泉社花ゆめ系の漫画家さんって、なんとなく専属のイメージが強いので、ITANで描かれるってのはちょっと意外に思っていたり。冴凪先生以外だと、例えば由貴香織里先生がARIAで描かれていたりします。なんてそんな前置きはほどほどに、お話のご紹介をそろそろ…。
 
 物語のヒロインは、実に頼りない若手魔女のメリッサ。とある日、長老に呼び戻されて故郷に戻ってみたところ、そこでは復活の秘蹟が行われようとしていました。復活の秘蹟とは、要するに死者を蘇らせる禁断の魔法。しかもこの長老、ただの人ではなく、伝説の勇者を蘇らせようとしているではないですか。結果魔法はあっさり成功。けれども復活した伝説の勇者・シェイド=ギャングスターは、その伝え聞く物語とは全く異なる態度の悪さ。もちろんとっても強いけれど、何だか変。それもそのはず、蘇った伝説の勇者様の正体は、伝説の大悪魔だったのでした…


ロックウェルキ#12441;ャンク#12441;スター
汽車あるような時代。割とずぶとい神経してるヒロインなので、大勇者相手でもあんまり物怖じしない。



 「伝説の勇者」でしかもその名前が「シェイド=ギャングスター」っていう辺り、なんだか懐かしさすら覚えるようなネーミングセンスと安直さが、非常にわかりやすいです。復活した勇者は、実は大悪魔。ここまではわかっていただけたかと思うのですが、そもそもなんで勇者を復活させようとしたんだっていう話です。物語の発端となるのは、第1話。魔女の長老は、禁忌を冒したとある魔女を殺すために勇者を復活させたのでした。そのとある魔女というのが、ヒロインのお師匠さまで、禁忌とは人間との恋。非常に強力な魔法の使い手であるその魔女を、自力では倒すことができないと判断した長老は、藁にもすがる思いで伝説の勇者を復活させ、彼女を殺すように懇願。結果あっさりと、ヒロインの御師匠さまは死ぬことになります。簡単に伝説の勇者が復活し、簡単に御師匠が殺されるという超展開の第1話。しかし物語が慌ただしく力技で動くのはここまで。2話以降、今度はヒロインが、死んだ御師匠様を復活させようと旅に出るのでした。物語が本当の意味ではじまるのはここからになります。
 
 割と物怖じしないアホっぽいヒロイン。ペーペーの魔女っ子キャラはタメ語か敬語縛りと相場が決まっている印象がありますが、こちらは後者です。いやーやっぱり残念な敬語ヒロインは萌えますな。もちろん巻き込まれ巻き込む、生粋のトラブルメーカーです。そんな彼女と一緒に行動する大勇者もとい大悪魔は、動かざること山の如しのマイペースな悪人。こちらもまた、割と無茶する人なので、二人だけだと俄然収集がつかなくなりがち。そんな中、道中ご一緒することになる精霊師団(警察みたいなもの?)の青年が、まとめ役に。点でばらばらな一行が織り成す珍道中という相を見せていますが、キャラ同士のバランス感は意外と良いかもしれません。お話は単なる冒険ものとしてだけでなく、やがてヒロインの出自についても触れられて行くことになり、この後の広がりも期待できそうですね。


【男性へのガイド】
→割と少女漫画色強いかと。それ以上に時代感というか、ちょっと昔懐かしい雰囲気がどうか。
【感想まとめ】
→ITANの中では割と異端というか、どこかエッジの効いた作品が多い中、こちらは割とマイルドにちょっと懐かしさすら感じる風情。それを良しとするか、ちょっと…と捉えるかは、本当に読み手の感覚次第かと思われます。


作品DATA
■著者:冴凪亮
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻
■価格:562円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
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