作品紹介→*新作レビュー*藤間麗「黎明のアルカナ」
2巻レビュー→本領発揮しつつあります《続刊レビュー》藤間麗「黎明のアルカナ」2巻
3巻レビュー→ナカバの想いを知ってか知らずか、大きくなっていく物語:藤間麗「黎明のアルカナ」3巻
4巻レビュー→「なんかいつもと違って調子狂う(赤面)」みたいな感じがイイ!:藤間麗「黎明のアルカナ」4巻
5巻レビュー→段々と異世界ファンタジーの醍醐味が…:藤間麗「黎明のアルカナ」5巻
6巻レビュー→善人が敵役になるとき:藤間麗「黎明のアルカナ」6巻
7巻レビュー→幸せにできる愛し方、不幸にしかできない愛し方:藤間麗「黎明のアルカナ」7巻
藤間麗「黎明のアルカナ」(8)
本当の妻にして
■8巻発売しました。
ベクルートの王子として、処刑される覚悟で帰国を決意したシーザ。政略結婚で無理矢理自分の元へと嫁がされて来たナカバを巻き込みたくないシーザは、ナカバを突き放しそのままリトアネルに残すことにする。けれど、冷たくされればされるほど、シーザへの想いが募るナカバは、シーザに対して…?
~ナカバの甘えん坊将軍さが上げ止まりません~
8巻に入り、益々シリアスさが増してきましたが、同時に主要登場人物たちの人間関係もより醸成されたものに。特に「シーザが好き」という気持ちを自覚して以降の、ナカバの「愛されているがゆえの甘えっぷりと不安」の出っぷりがスゴくて、大枠としてのストーリー以上に、彼女のシーザに対する行動にばかり目が行ってしまいます。今回は、シーザとの今生の別れすらも覚悟しなくてはならない瀬戸際に立たされた夜での一件が、とにかくど真ん中ズドンの可愛らしさでした。処刑を覚悟してでもベクルートへ戻ることを決めたシーザに対して、一悶着あったあと…

スリスリ攻撃(攻撃というか、めっちゃ甘えてる)
おいおいどこのお嬢さんですかこの子は。初登場時のキッと相手を睨みつける、全てが敵とでも言うような尖ったナイフだったナカバはそこにはもういません。いるのは好きな相手にどこまでも甘える、普通の恋人としての女の子でした。例えばこういうシチュエーションは、「絶対平和大作戦」(→レビュー)でも見られたりしましたが、そちらのヒロインのユーダも割とツンが勝ってるしっかり者気質の女性。それまでため込んだ分、反動でがっつり甘えん坊さんになっちゃうんでしょうか。しかもこの後もずっとナカバのペース。どこの小悪魔ですかっていうこの…

本当の妻にして
これはエロい。いや、そもそも「本当の妻にして」っていう語感が不思議な響きです。「ドントクライ・ガール」(→レビュー)で「妻の時間割」という新たな言葉がありましたが、「妻」って割と魔法の言葉ですね。なんか使い方次第で無限の可能性が広がりそうです。
~ロキの過去が明らかに~
今回もう一つ大きな動きとして、アルカナを通してロキの過去が明らかになったことがあります。今回の出来事で、今後の物語の展開に大きな影響を出しそうなことは明らか。特にナカバとロキの、これまでの関係を全く変異させてしまうような、そんな印象を受けました。今まではどちらかというと、ナカバがロキに頼るという力の向き方になっていたのですが、今回のアルカナでの透視によって、それが逆になるんじゃないかな、と。
ロキはナカバのために手を汚し、結果的にそれが彼を苦しめ縛りつけるものになってしまっています。その汚れを洗い流すことはなくとも、受け入れ彼の存在意義をしっかりと確立してあげられるのは、他でもないナカバのみ。逆に言えば、彼女に認められ受け入れられることがなければ、ロキはどうしようもなくなってしまうという。元々本人の行動や言動からそういった欠片は散見されましたが、ここまでとなると重すぎて。本当に0か100かって感じですな。この状況でシーザに太刀打ちするとしたら、これくらいしないといけないのか。自分だったら受けとめきれなくて発狂しそう。ただでさえ背負うものが多すぎて苦しんでいるナカバに、さらなる重み。彼女の肩にのしかかる運命は、いつだって重たい。Amazonのレビューではマンネリ化であるとか、進み具合が遅いということを指摘するレビューが多数あがっているのですが、物語の進みを遅くする一番の足かせは他でもないこのロキであり、今回の一件で一層進みが遅くなりそうでもあります。
■購入する→Amazon
2巻レビュー→本領発揮しつつあります《続刊レビュー》藤間麗「黎明のアルカナ」2巻
3巻レビュー→ナカバの想いを知ってか知らずか、大きくなっていく物語:藤間麗「黎明のアルカナ」3巻
4巻レビュー→「なんかいつもと違って調子狂う(赤面)」みたいな感じがイイ!:藤間麗「黎明のアルカナ」4巻
5巻レビュー→段々と異世界ファンタジーの醍醐味が…:藤間麗「黎明のアルカナ」5巻
6巻レビュー→善人が敵役になるとき:藤間麗「黎明のアルカナ」6巻
7巻レビュー→幸せにできる愛し方、不幸にしかできない愛し方:藤間麗「黎明のアルカナ」7巻

本当の妻にして
■8巻発売しました。
ベクルートの王子として、処刑される覚悟で帰国を決意したシーザ。政略結婚で無理矢理自分の元へと嫁がされて来たナカバを巻き込みたくないシーザは、ナカバを突き放しそのままリトアネルに残すことにする。けれど、冷たくされればされるほど、シーザへの想いが募るナカバは、シーザに対して…?
~ナカバの甘えん坊将軍さが上げ止まりません~
8巻に入り、益々シリアスさが増してきましたが、同時に主要登場人物たちの人間関係もより醸成されたものに。特に「シーザが好き」という気持ちを自覚して以降の、ナカバの「愛されているがゆえの甘えっぷりと不安」の出っぷりがスゴくて、大枠としてのストーリー以上に、彼女のシーザに対する行動にばかり目が行ってしまいます。今回は、シーザとの今生の別れすらも覚悟しなくてはならない瀬戸際に立たされた夜での一件が、とにかくど真ん中ズドンの可愛らしさでした。処刑を覚悟してでもベクルートへ戻ることを決めたシーザに対して、一悶着あったあと…

スリスリ攻撃(攻撃というか、めっちゃ甘えてる)
おいおいどこのお嬢さんですかこの子は。初登場時のキッと相手を睨みつける、全てが敵とでも言うような尖ったナイフだったナカバはそこにはもういません。いるのは好きな相手にどこまでも甘える、普通の恋人としての女の子でした。例えばこういうシチュエーションは、「絶対平和大作戦」(→レビュー)でも見られたりしましたが、そちらのヒロインのユーダも割とツンが勝ってるしっかり者気質の女性。それまでため込んだ分、反動でがっつり甘えん坊さんになっちゃうんでしょうか。しかもこの後もずっとナカバのペース。どこの小悪魔ですかっていうこの…

本当の妻にして
これはエロい。いや、そもそも「本当の妻にして」っていう語感が不思議な響きです。「ドントクライ・ガール」(→レビュー)で「妻の時間割」という新たな言葉がありましたが、「妻」って割と魔法の言葉ですね。なんか使い方次第で無限の可能性が広がりそうです。
~ロキの過去が明らかに~
今回もう一つ大きな動きとして、アルカナを通してロキの過去が明らかになったことがあります。今回の出来事で、今後の物語の展開に大きな影響を出しそうなことは明らか。特にナカバとロキの、これまでの関係を全く変異させてしまうような、そんな印象を受けました。今まではどちらかというと、ナカバがロキに頼るという力の向き方になっていたのですが、今回のアルカナでの透視によって、それが逆になるんじゃないかな、と。
ロキはナカバのために手を汚し、結果的にそれが彼を苦しめ縛りつけるものになってしまっています。その汚れを洗い流すことはなくとも、受け入れ彼の存在意義をしっかりと確立してあげられるのは、他でもないナカバのみ。逆に言えば、彼女に認められ受け入れられることがなければ、ロキはどうしようもなくなってしまうという。元々本人の行動や言動からそういった欠片は散見されましたが、ここまでとなると重すぎて。本当に0か100かって感じですな。この状況でシーザに太刀打ちするとしたら、これくらいしないといけないのか。自分だったら受けとめきれなくて発狂しそう。ただでさえ背負うものが多すぎて苦しんでいるナカバに、さらなる重み。彼女の肩にのしかかる運命は、いつだって重たい。Amazonのレビューではマンネリ化であるとか、進み具合が遅いということを指摘するレビューが多数あがっているのですが、物語の進みを遅くする一番の足かせは他でもないこのロキであり、今回の一件で一層進みが遅くなりそうでもあります。
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