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Tag [新作レビュー] [読み切り/短編] 2011.11.25
1106079573.jpg田中てこ「カメラと夏とセーラー服」


あんたに「かわいい」って言われる事が
一番嬉しい



■読切り6編を収録。それでは表題作のあらすじをご紹介。
 恋の話寄りもマンガ優先、そんな色気ゼロの夏希の前に「セーラー服の写真を撮らせて」という怪しい男・桐谷が現れる。逃げようにも捕まってしまい、ファミレスで話を聞くと、桐谷は漫画家で、その資料としてセーラー服を撮らせて欲しいというのだ。それならばと、資料写真の撮影に付き合っているうちに、夏希は桐谷に惹かれてしまって…?
 
 集英社の新人さんのデビューフェアの一つ。田中てこ先生のデビューコミックスです。女子高生中心の、十代男女の恋愛模様を描いたお話で構成された短編集。表題作は既にご紹介していますので、その他の収録作をご紹介致しましょう。「僕が君についた嘘」は、ヘタレ男子高校生がエリートサラリーマンに変装して、毎日駅で見かける可愛い可愛い先輩に告白して付き合うことになるというコメディ。「Going My Way?」は、ガサツ女子が間違えて意中とは違う男子に告白してしまうことから、不思議な関係が始まるお話。お次は、ガチムチ系男子に憧れる女子高生が、一番嫌いなスリムなチャラ男に言い寄られる「VS LOVERS」。高校デビューした子が、自分の素顔のことを打ち明けられず悩む「君に言えないこと」。そして、彼氏がいるのに先輩に告白されて…という「FACE TO FACE」。


カメラと夏とセーラー服
ヘタレとかシャイってわけでもないのですが、全体通して男子の赤面率高いです。

 
 表紙の女の子めっちゃ目大きいなぁというのが第一印象なのですが、本編でも登場するキャラクター達は全体的に目力強めです。またタイトルと表紙の色使いなどから、淡い絵柄を想像する方が少なからずいらっしゃるかもしれませんが、割と描線はハッキリしていて、また絵柄も全体通して安定せず(恐らく試行錯誤している)、まだまだ発展登場という感が強いです。
 
 男の子でも女の子でも、割と主人公はアホというかおっちょこちょいの気が強く、トラブルに巻き込まれるとテンション上がっててんてこ舞という感じ。ゆえに全体的に作品の雰囲気はコメディチックです。相手役の男の子については割と幅広く、惚れっぽいチャラ男系や、不器用無口系など様々。読切りということで、登場人物はだいたいメイン二人。本当に少なく絞り、心理描写に懸けます。そのためちゃんと盛り上がりやオチはついているのですが、恋の攻守については攻め手守り手がはっきりしていて、展開の割にやや単調という印象もありました。この辺はまた、ページ数が増えたりだとか、連載とかした場合には変わってくるのか。


【男性へのガイド】
→女性の好む甘さたっぷり。その辺は非常に少女漫画的で、男性が好む作品のそれとは確実に方向が違うなぁとは思います。
【感想まとめ】
→割と荒削りな印象を受けたのは、表紙からあれこれイメージを膨らませてしまったがゆえでしょうか。コメディ方面で吹っ切れると途端に大爆発しそうな予感もあり。これからに期待です。


作品DATA
■著者:田中てこ
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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