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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.11.28
1106079800.jpg友藤結「幾星霜の夜を越え」


オレの生は
やっとここからはじまるんだ



■時は寛永8年。天涯孤独の青年・狂四郎は、用心棒として雇われていた中、ある男との戦いで不老不死の身となってしまう。以来永い孤独な放浪の末に、平成の世で出逢ったのは、己を不死へと導いた憎き敵の子孫の時乃!運良く時乃の家であるお寺にお世話になることになり、ついに復讐を…と隙を狙うのだが、時乃の優しさに心が次第に癒され…!?

 友藤結先生の単行本2冊目でございます。この表紙の独特の色使い、カラフルじゃなくて落ち着いてた“和”テイストな感じが、2冊目にして“いかにも”を感じさせます。さて、今作も時代物ファンタジーかと思いきや、舞台となるのは現代日本になります。物語の主人公は表紙の男の子・狂四郎。彼が生まれ落ちたのは、江戸時代。幼い頃から身よりもなく、生きるために金で雇われる用心棒をしていたのですが、17のある日戦いの最中に負傷。一命を取り留めるも、戦った相手の法力によって、不老不死の体となってしまいます。そして時は流れ現代。どんな傷を負っても、何も食べなくても死なない狂四郎は、方々を流れるように生きていました。そんな中出会ったのが、己を不死へを変えた憎き敵・正宗の子孫である時乃。復讐のために、彼女に近づく狂四郎でしたが…


幾星霜の夜を越えて
ヒロインの時乃はとにかく心優しく、拒み気味な姿勢の相手でも自ら寄添っていく強さもあり。そんな優しさに触れ、主人公の狂四郎は初めて知る感情に戸惑う。


 不老不死の呪いを解く鍵は、法力をかけた相手の生まれ変わり。復讐するはずが、その優しさに触れてその想いは変化していく…というお話です。さらっと「近づいた」なんて書いていますが、その相手・時乃の家はお寺をしていて、狂四郎の行き場がないことを知り、住み込みで修行させてもらえることになったという経緯が。また時乃は姿がその憎き敵・正宗に似ているというだけでなく、守護霊として時乃を護っており、時折彼女を乗っ取ってその姿を現す事もあります。善悪で言うならば、狂四郎が悪であり、正宗は善。正宗が狂四郎に不老不死の呪いをかけたのは、17という若さでまだ愛情にも触れた事がないまま死んでいくのはあまりに可哀想という、情けからでした。結局狂四郎は数百年、何も変わらず生きるわけですが、時乃との出会いによって、やっとその心を変化させていくことになります。
 
 ヒロインの時乃は、絵に描いたようなお人好し。ちょっと浮世離れしている感もある天然娘なのですが、その素直さと心の優しさは見ていて本当に心惹かれるものがあります。加えてそんな優しい内面ながら、外身はスマートなロングヘアーでちょっと冷たげな感すら。そのギャップが非常にかわいらしいです。そんな優しさに触れて、狂四郎も心惹かれていくわけですが、そう簡単に関係が進むわけではありません。というのもいい感じになると、決まって守護霊となっている正宗が時乃の意思を乗っ取り、邪魔をするから。そして結局ふりだしに戻るという、そのもどかしさもこの物語のひとつの魅力となっています。
 
 全4話構成でありながら、呪い云々の話が描かれるのは3話まで。ここまでで一つ物語として形になっているのですが、4話目で普通の男女としてのお話が描かれたのが個人的にはすごく嬉しかったです。こんな子が一緒にいてくれたら、さぞ楽しいだろうなぁとか、ちょっと狂四郎が羨ましくなりましたよまったく。
 

【男性へのガイド】
→ヒロインは割と好きな男性多いんじゃないかと思います。お話としても大きく捻ったところはないですし、読みやすいのでは。
【感想まとめ】
→ヒロインの魅力ひとつでオススメにしちゃいそうなレベル。時乃がかわいかった、かわいかった。


■作者他作品レビュー
魔獣を祓うは、異能の少女と魔獣を宿す旅の狩人:友藤結「影に咲く花」


作品DATA
■著者:友藤結
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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