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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.11.28
1106090414.jpg瀬川藤子「VIVO!」(1)


俺に迷惑さえかけなければいいので
この一年好きに自由に生きてください
以上ですはい解散



■事故至上主義で気ままに生きる男・ナカムラ。そんな彼が、高校教師として赴任する事に。とりあえず1年間、スタンスを変えずに過ごそうと思っていたが、当然そう易々と事が運ぶわけもなく。。。様々な生徒に交わりながら、無気力、無関心なナカムラ流の学校生活が始まります。

 瀬川藤子先生の、これは初コミックスになるのでしょうか?無気力なやる気なしの不真面目教師による、超絶俺流放任主義の学校教育マンガです。主人公は、表紙に描かれているナカムラ(本名は仲村渠:なかんだかり)。主に株で生計を立てて、外界とはあまり関わらずに生きてきた彼が、友人にまんまと嵌められて、1年間高校教師をやることになってしまいます。やる気のない彼がなんで教師になれたかって、それほどまでに教師不足は深刻だったってことですよ。そんなこんなで教師になってしまったナカムラ。とにかく自分のスタンスは変えずに、なるべく厄介ごとには首を突っ込みたくない…そう思い学校にいざ乗り込むものの、そうは問屋がおろしてくれず、様々な面倒ごとが。それでも彼なりのやり方で、解決していくのですが…


ViVo!1-1.jpg
道徳とか常識とか、全く通用しません。しかもブレずにちゃんと理由を持って対峙されるから、正面突破することはまず不可能。難攻不落です。


 なんでもかんでもやることは自分のため、他人の事なんて一切考えない、そんな所謂世に言われるような「教育」とは真逆のスタンスを取っている男が、教師になったらどうなるでしょう。放置の末に学級崩壊?いえいえ、意外とそうはならないんです(あくまでこの物語ではですが)。別に放置といってもそれが周りを許すわけもなく、部活の顧問だ、登校拒否の生徒の対応だとあれこれ厄介ごとが降ってきます。面倒な事は極力回避という男でありながら、一度受け取ってしまってからぶん投げるというスキルは持っておらず、あくまで彼なりにではあるのですが、諸々の問題に対峙、解決していきます。
 
 生徒達に求めるのは、「とにかく俺に面倒をかけさせるな」ということ。授業は最低限で、部活の顧問も「部活だと面倒だから同好会で。ないならなんか作って幽霊部員を集める。」などとワケの分からない方向に走りはじめます。結果集まった3人は、登校拒否だった女子に、パシられ体質の真面目な男子に、絵画の天才として一目置かれている少年の3人。3人のうち2人は、まともに授業に出ていない特殊な生徒なのですが、普通の教室に馴染めなかった子たちが、無関心さの元逆に伸び伸びとできて、自然とあるべき関係性や居場所が形成されるというのは、なるほどなぁと納得させられるものがありました。


vivo!1-2.jpg
変なところちゃんとギブ&テイクは心得ているので、付き合えば割と居心地の良い相手。


 ベースはコメディ。しかもどちらかというと主人公・ナカムラの巻き込まれ系という。そういえば、アヴァルスで無気力・無関心さを貫く主人公と、相手としての子供というと、「flat」を思い出させます。背景も白っぽい部分が多く、主人公のそれを良く表していて、受ける印象は確かに似たものが。ただし「flat」は無関心な主人公が子供と触れることで変わらざるを得ないという状況が描かれているのに対し、こちらは無気力な先生の元、生徒が自分を見つけ変えて行くという関係で。いわばそのベクトルは真逆と言って良いかもしれません。まだ1巻だけなので、これからどのように話が転ぶのかわかりませんが、どうしたってこの主人公が変わるとは思えないんです(笑)無気力・無関心で作られる、居心地の良いコミュニティってのも、良いものだなぁとちょっと思える、良い作品だと思います。


【男性へのガイド】
→こういうコメディがお好きな男性もきっとたくさんいるはず。マンガ好きとか、こういうの好きそうですよね、男女問わず。
【感想まとめ】
→清々しい程の畜生っぷりが素敵な主人公です。気を使わないことで、相手にも気を使わせないという距離感が、なんだかとっても新鮮で面白いというか。


作品DATA
■著者:瀬川藤子
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:ブレイドコミックスアヴァルス
■掲載誌:アヴァルス
■全1巻
■価格:571円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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