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2009.03.16
sakuwagawa.jpg真崎総子「さくら河Volley-boys」


『出たい』んじゃなくて
勝ちたいんだよね



■2巻発売…え?完結!?
 オタク女子・的場里子は、義理の兄でバレーボール元全日本のセッター・拓麻と一緒に暮らしている。ある日、拓麻の高校の恩師から、バレーボール部の再建をお願いされる。部員ゼロ。まさに一からの再建であるため、最初は乗り気でなかった拓麻だが、日本一の天才セッター・御島が入学の意志を示したことで俄然やる気に。気がつけば、方々から集めた選手達がさくら河高校に集結。下宿代わりの里子の家は、あっという間に巨男子の館と化した…!!
 
 青春スポーツコメディってことで良いのかな?元全日本選手の義兄と、才能あふれる選手達、そしてそんな彼らに囲まれる、オタク女子・里子。一見バレーボールマンガに見えますが、スポ魂方面には行きません。作者さん「BOYSエステ」の人ですから。バレーを扱いつつも、基本はいい男勢揃いのハーレムコメディ。そのため、ガチンコバレーマンガという構えで行った人は、肩すかしを食らうかもしれません。


真崎総子「さくら河バレーボーイズ」
オタクヒロイン・里子が基本話を動かす

 
 コメディとバレー、恋愛、どうバランスを取っていくのやらと思っていたら、2巻で早くも終了。題材的にも早く終わらせる感じではなかったので、打ち切りですかね?残念。結局どれも中途半端で終わってしまいました。なまじっか真剣な題材であるバレー(ましてや少女漫画では王道スポーツ)を選んだのが仇となったのか、作者さんの持ち味であるコメディを存分に生かすことができませんでしたね。作者さんの味は出てるのだけど。恋愛とスポーツに走るのなら、「紅色HERO」的に、コメディに走るのだったら「ササメケ」みたいになってくんじゃないかと思ってたんですが、そうなる前に終了ですか。どっちつかずのまま、雑然とした印象で終えてしまったのは非常に残念です。


【オトコ向け度:☆    】
→このノリは少女マンガというか、この作者さん独特のものなので、評価が難しいです。ただ男性よか女性が好みそうではあるかな。
【私的お薦め度:☆☆   】
→2巻で終了はちょっと寂しい。今度はコメディ一本でいけるようなネタに期待したいです。


作品DATA
■著者:真崎総子
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:デザート(平成20年4月号~平成21年3月号)
■全2巻

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