
うっまーっ!
このうまさには大森貝塚やむを得ず!!
■単身赴任中の夫を持つ三十路嫁・駒沢花(30)。ズボラなところが長所か短所か。夫のいないその寂しさを埋めるように、本屋雑誌のタワーが詰み上がり、足の踏み場もないほどに部屋は散乱していたのでした。寂しくなるのは心だけではありません。お腹も減ってくるものです。今日も今日とて作るのは、ズボラな主婦にもすぐできるズボラ飯!かわいくって、おかしくって、でもちょっぴり寂しいときもある、一人暮らしの主婦による「孤独のグルメ」、堂々登場!
このマンガがすごい!2012オンナ編第1位おめでとうございます!発売直後から話題になっていましたが、女性向け1位は予想してませんでした。というのも原作者が「孤独のグルメ」の久住昌之さんですし、作画がどう見たってコミックLOのうさくんということで、完全に男性向けの作品だと思ってたという。ちなみにこちら、秋田書店にて刊行しているエレガンスイブという雑誌で連載中です。正直全く知らなかったのですが、今日マチ子先生がいたり、施川ユウキ先生がかつて連載していたりと、なかなかコアな連載陣となっているようです。なおWikipedia曰く、読者対象は「大人の女性」とのことで、結局どの辺の年齢層がターゲットなのかよくわからないという状況にあります。
さて、本作はタイトルの通り、ズボラ飯なるものがテーマに描かれていきます。ズボラな人でも作れる料理とか、ズボラな作り方でOKな料理とか、そんなイメージでしょうか。ヒロインは夫(ゴロちゃん。「孤独のグルメ」のゴローと関係があるかは不明)が単身赴任中で、現在一人暮らし中の主婦・花。元々ズボラな性格であるため、一人暮らしの風景はなかなかにヒドい。部屋は汚れ、パンイチで雑誌読みながらゴロゴロ…なんてこともしばしば。けれども食事に関しては自炊することにこだわりがあり、だからといって長時間下ごしらえなんてことはする元気はなく、結果折衷案でズボラ飯が生まれるという形です。

ズボラ飯はある種アイデア勝負。変な所であきらめがわるいのもズボラな人らしいというか。鍋にこびりついたカレーだって無駄にしません。
じゃあ実際ズボラ飯ってどんななの?って話なのですが、ちょっとそのメニューを見てみると…鮭フレークとマヨを混ぜてパンに塗ってトーストにするとか、野菜たっぷりのサッポロ塩ラーメンとか、お味噌汁にかんずりを入れて上手さ倍増とか、コンビニおにぎりにちょっと加えてお茶漬けに…とか。こう書いていると割と普通な感じなのですが、実際マンガで絵的に見るとなかなかの破壊力。料理の描写に加えて、花のオーバーすぎるとも言えるリアクションがまた食欲を誘います(若干性欲も喚起されるような気がするのは気のせいですか?) 特に深夜にふと読んじゃったりすると、割と家にあるもので再現できちゃいそうなラインナップだけに、「お腹減った…ちょっと作ろうかな…」なんてことになって体重増加必至です。

絵面はちょっと汚いです。その汚さも含めてズボラ飯の美味しさ。ズボラ飯にお上品さはいらないのです(というか多分そういう風には描けないんじゃなかろうか)。
個人的に一番食欲そそられたのは、6皿目のキムチチャーハンでしょうか(上の画像)。辛いのが苦手なので実際作って食べるなんてことはしないのですが(ダメじゃん)。フライパンを熱してから、材料をどんどんと投入していき、一気に食べる(その間1.5頁)までの勢いが凄まじく、何度見ても無駄にお腹が減ってきます。なお各話のタイトルは料理名ではなく、○皿目であり、サブタイトルに登場する材料が全て載っているという親切(?)仕様。あなたも読んで食欲をそそられたら、サブタイトルを見て再現してみては?
【男性へのガイド】
→男性向けだと思ってたくらいですから。無駄に入浴シーンが多いのはわざとですか?
【感想まとめ】
→レビュー書いてたらお腹へって来たのでご飯食べてきます。
作品DATA
■著者:久住昌之/水沢悦子
■出版社:秋田書店
■レーベル:花のズボラ飯
■掲載誌:エレガンスイブ
■既刊1巻
■価格:900円+税
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