このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
2011.12.16
1106047164.jpg山田可南「澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。」(1)


僕らは母ちゃんに
生かされていた



■中学1年生の澤飯光は、父と幼い妹との3人暮らし。つい最近、料理上手の母親を亡くし、澤飯家の食生活は荒れ放題。そんなピンチに、立上がったのが光だった。母親が料理教室をしていたときの手伝いの感覚を思い出しつつ、一品一品試行錯誤で…。まだまだ完璧とはいえないけれど、父と妹のお腹と心を満たすくらいには作れます!今日も家族のため、自分のために、ご飯を作るけれど…

 女性セブンの連載作品で、既に2巻まで発売されています。女性セブンというと「花宵道中」という名作が生まれた場所であり、本作はその後釜となる作品なのですが、まただいぶ毛色の異なるお話を起用してきましたね。描かれるのは母亡き後に、料理に奮闘する中学生の男の子の姿。彼の名前は澤飯光、最近中学に上がったばかりの、1年生です。半年前に母親を亡くし、働き盛りの父とまだ幼い妹との3人暮らし。料理教室を開くほどに料理上手だった母がいなくなったことで、食生活が荒れ放題になっていたところ、光が少しずつ料理を作り出すところから、この物語ははじまります。さいしょはおにぎりだけ。そこから卵焼きになって、工夫を加えたサラダになって、クリームシチューになって。。。沈みがちだった家庭が、光の料理によって、少しずつ明るさを取り戻していく…といったお話。


澤飯家のこ#12441;はんは息子の光か#12441;つくっている1-1
「料理」ではなく、「食卓」こそがメイン。一緒に食べるってことが、一番の美味しさの秘訣なんです。


 中学1年生ということで、そこまで拘ったものすごい料理というのは登場しません。お料理ビギナーの男の子でも作れる、定番メニュー。お好み焼きに、豆乳鍋に、クリームシチューに、カレーに…。そんな定番料理に美味しさを加えるのは、母親が残したその家庭ならではのワンポイントテクニックであったり、光の工夫という形で現れる愛情であったり。捻ったことをしていないからこそ、素直に受け取れるし、光景として微笑ましいのですよ。これが例えばミスター味っ子みたいな主人公だったら、この漫画は全く別の漫画に変貌していたはずで。Amazonでの評価は割と低めなのですが、低い評価の全てがレシピ的な活用を期待して、結果裏切られたというところから。元々そんなつくりじゃないので、そこを予め折り合った上で読めば、全然普通に楽しめると思いますよ。
 
 ここまでの説明からもわかると思うのですが、物語の軸となるのは料理の手法云々ではなく、愛情込めて作った料理がもたらす、人間関係・家族関係の醸成です。副菜としての料理部分はシンプル(けれども丁寧)にまとめ、その後の料理をみんなで食べるところがとにかく温かく、温かく描かれます。母親が亡くなった直後の割には、みんなどこかお気楽な感じはあるのですが、無理に重くしないからこそ親しみやすさもあるわけで。読み捨ての女性誌における漫画スペースということを考えると、これくらいの軽さの方が丁度良いかもしれません。しかし母親が亡くなった家庭が描かれる本作を、恐らく読者層の中心であろう主婦たちがどのような感想を持って読んでいるのか、ちょっと興味がありますね。自分の場合は俯瞰と主人公視点が半々くらい混ざってる感じです。
 
 家族3人以外にも、中学の友達であるとか、お隣に住む女子大生だとかがちょくちょく家に遊びにくるため、風景はいつも賑やか。どのキャラクターも非常に素敵な性格の持ち主で親しみやすいです。個人的に是非とも推しておきたいのは、妹の瑞穂ちゃん。


澤飯家のこ#12441;はんは息子の光か#12441;つくっている1-2
 もう、めちゃくちゃかわいいんですよ。物語序盤は母親を亡くしたショックから、言葉少なく表情も曇りがち。そんな中、光のご飯を食べて笑顔になる姿がもう…!そんな彼女の姿を見て、光のクラスメイトでもある盛実くんが「オレの将来の嫁っ!」なんていって抱きついちゃう気持ちも、わからないでもないです(この発言大丈夫かしら。。。)。そんな瑞穂ちゃんも、物語が進むとともに笑顔が戻ってきて、その歳の子らしい姿に。そんな元気一杯の瑞穂ちゃんもまた、かわいいんだ。
 

【男性へのガイド】
→家族もので、しかも男の子が主人公ということで、男性もすんなり読めるような内容になっていると思いますよ。
【感想まとめ】
→何か特化したものがあるわけでもないのですが、その「なんでもない光景」が妙に素敵な作品。家族のために作る料理、家族と一緒に食べる料理が、なんだかとっても懐かしく愛おしく感じられた一作でした。クセもなく、非常に読みやすいです。



作品DATA
■著者:山田可南
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックスα
■掲載誌:女性セブン
■既刊2巻
■価格:各524円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ小学館コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。