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Tag [続刊レビュー] 2011.12.20
作品紹介→…先生、はじめてキスしたのっていつ?:藤原よしこ「だから恋とよばないで」1巻
2巻レビュー→こんなに近くにいて、絶対に届かない:藤原よしこ「だから恋とよばないで」2巻
3巻レビュー→先生のこと 好きでいても…いいですか?:藤原よしこ「だから恋とよばないで」3巻
4巻レビュー→頭ポンポン安定です!:藤原よしこ「だから恋とよばないで」4巻
関連作品レビュー→やっぱり私は、どうしようもなくこの作品が好きなのだ《続刊レビュー》「恋したがりのブルー」6巻




1106090061.jpg藤原よしこ「だから恋とよばないで 」(5)


先生なんか
先生なんか
あたしに恋しか教えてくれなかった



■5巻発売、完結しました。
 自分との出来事がきっかけとなり、先生が学校を辞めると知り、ショックを受ける心。自己嫌悪や悲しみでぐちゃぐちゃの心を救ってくれたのは、先生ではなく不破くんだった。「つらければオレを利用しなよ」と言う不破くんの言葉に、心は先生への想いを押し込めて不破くんと付き合うことに決める…。そして、先生がいなくなる日がいよいよ近づき…
 

~やっぱ好きやねん~
 完結です。もうどんな展開だろうと、どんな結末だろうと感動してしまうので、「ああ、やっぱ自分藤原先生の作品大好きなんだな」と改めて実感したというか。5巻にて完結と、思いのほか早めの完結となりましたが、今回もベタに、とにかく切なく泣かせてくれました。


~不破くんがかわいく切ない~
 辞表を出した先生の意思は固く、食い下がってもその決意を変えることはありませんでした。お互いにどこまでも想い合っているのに、ぎくしゃくしたままに、心は不破くんと付き合うことに。一番はもちろん先生なのですが、不破くんもまたとても良い人なので、その状況を悪い風には思えないんですよね。「オレを利用しなよ」という、精一杯の不破くんの言葉が、彼の持つ誠実さであるとか真面目さ、優しさが滲み出しているようで、本当に素敵でした。不破くんって基本真面目で優しいので、その後も強引にいってみたり、悪者ぶってみたりするわけですがどこか違和感というか、無理している感が伝わってきて、すごくかわいいんですよね。最終巻ということで、少し切なさをはらんだその彼の行動にもまた、少し切なくなりました。


~ピュアさが成り立たせる切なさ~
 藤原よしこ先生の作品の登場人物はみな優しく良い人なのですが、特にヒロインは純粋さと素直さが際立っていて、非常に心惹かれる子たちが多いです。この心もまた同じく、どこまでもバカ正直で、素直で純粋で。特にこのモノローグなどは印象的で…
 
 
た#12441;から恋とよは#12441;ないて#12441;5-1
先生最初からやりなおしたい
そうしたら迷惑かけないように気をつけるから
先生を好きになったりしないように気をつけるから
だけどそんなこときっと無理
何回やりなおしたってあたし
恋におちてしまう


 一歩間違えたら爆死しかねないフレーズなのに、先生に対しての生徒という“幼さ”と、頑にこの恋心を信じることができる“純粋さ”が、切ないモノローグへと昇華させている感じ。全然違和感なく、素直に読んで切なかったです。ベッタベタのクサすぎる台詞ではあるのですが、彼女がとびきり純粋であるために、普通に成り立っちゃうところがすごいな、と。この他にも、たくさんのこういった台詞が登場するのですが、どれも消化不良にならずにスッと入っていくんですよね。この感覚がすごい好きなんですよ。ある種ファンタジーの世界にどっぷり浸かっているような。


~兄の存在と、兄の言葉~
 別れ間際の中盤は、とにかく切なさの連続。このまま切ない山を乗り切って、感動のパートへと走って行くかと思いきや、直前に先生が事故で意識不明の重体になるという大ヤマが待っていました。最初こうなったとき「えええええええええ!?要る?この盛り上げ要る!?」なんて思ったのですが、その後の展開を見て納得。あの一件は、兄の呪縛からの解放という大事な過程を経るために描かれたんですね。
 
 元々教師になったのも、恋愛にどこか臆病になったのも、亡き兄の存在がきっかけ。意志を継ぐように教師となった先生は、今もなお兄の墓に足を運びあれこれと兄に向かって語りかけていました。今回も教師をやめた折、兄のお墓へと赴いて自分の弱さを訥々と語っていました…
 

た#12441;から恋とよは#12441;ないて#12441;5-2
オレってちっとも成長してないんだな
ガキの頃から
(中略)
なんか言ってよ
バカとか言ってよ 兄キ


 語っても語っても、何か言葉が返ってくるわけでもなく。兄を追いかけてはみたけれど、教師はもうやめてしまった。じゃあ次は?心が弱っているため、孤独感が一層募り、この先どこに行ったら良いのかという空虚感もあり。そんな中、二度と会えないと思っていた兄と、意識不明の中の夢の中で再会。そこで改めて先生は、自分の大切なものに気づき戻ろうとするのですが、そんな彼に対して兄は…
 
 
た#12441;から恋とよは#12441;ないて#12441;5-3
道を指し示してくれた


 自ら決断した上で、道を指し示してくれる兄。これが例えば、そのまま勝手に先生が戻っていったとしてら、どこか「兄との決別」的な感があったりするのかもしれませんが、これだと両方取ってなお良し。それに何より、「言ってよ」とリクエストしていた「バカ」がちゃんと描かれてるのが、本当に抜け目ないというか、とにかく素晴らしい。兄の言葉で何が一番良かったかって、個人的にはダントツでこの「ばーか」ですよ。これが一番先生の欲しかった言葉だと勝手に思っているので、最後に言ってくれた…と自分まで救われた気持ちになりました。


~次回作にも期待です~
 ともあれ素敵に終わった本作。最後はどうなることかと思いましたが、物語としてはしっかりとまとまったと思っています。ベタなピュアで切ない恋を堪能できる藤原よしこ作品の良さが、今回もよく出ていたなぁ、と。次の連載作は既に決まっているようで、こちらも今から楽しみです。何度藤原よしこ先生の作品に出会っても、きっと夢中になる、、、なんて、ちょっと心の台詞を使ってみたり。


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