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Tag [新作レビュー] [読み切り/短編] 2011.12.22
1106089968.jpg長谷瑠依「それこそ宇宙みたいに」


俺が地球人にしてやるから!


■読切り3編を収録。というわけで、表題作のあらすじをご紹介。
 私の名前は吉野翠。とある高校で優等生をやっている。そんな私は、実は宇宙人。証拠は頭に生えている触覚。でもみんなには内緒だし、触覚も見えていない。私は、愛を探しに地球にきたのだ。愛を探し当てたら、触覚が消えるはず…なんだけど!?
 
 長谷先生2冊目の単行本「それこそ宇宙みたいに」のご紹介です。いや書店で見たときは全然気づいていなくて「わー色使いとか好きだなぁかわいいなぁ」なんて思っていたのですが、同色でめっちゃ触覚ついてますね、ヒロインの頭。カラーリングとフォルムが魔人ブウを彷彿とさせます。なんてどうでも良い感想は置いておいて、肝心の物語のほうのお話をしましょう。のっけから「私は宇宙人である」と告白。しかもメチャクチャ勉強できる(でも本人は謙遜)という、なんだかやたらと印象的なヒロインなのですが、彼女の目下の目的は「愛を見つけること」。愛を見つけると、その触覚が消えるというのです。そんな彼女の前に現れたのは、クラスメイトの男子・藤原くん。果敢にも告白してきた彼に対して、翠は思わず自分が宇宙人であることを明かしてしまうのですが…というお話。


それこそ宇宙みたいに
割とファンシーな触覚に、間抜け感を感じずにはいられない。なんて、めっちゃこのヒロイン勉強できるんですけど。そのギャップもまた魅力。

 
 ここまで読むと、宇宙人コメディなのかな?なんて思うかもしれませんが(というか自分がそう思っていた)、途中から物語は急にその様子を変えることになります。念願の愛を見つけた=恋人ができたのに、触覚は消えてくれない。どうしてだろうと悩むヒロインに、彼はとある言葉をなげかけるのでした。。。ここから先は物語を読んでのお楽しみということで明かさないですが、多分勘の良い方はお気づきでしょう。序盤全くそういったところを感じさせず、読者を上手いことうっちゃって、途中から一気にシリアス&感動にもっていったので感動よりもまず驚きが先行。出発点で匂わせたところと、落としどころは離れたところにあるのですが、結果的に言っていたことは本当で…と、なかなか気どった素敵なお話です。

 同時収録の2話は、恋多きヒロインと、そんな彼女を優しく見守る幼なじみのお話。最後は、野球一筋の少年と、そんな彼の元カノが偶然再会することからはじまるお話。表題作に比べると、割と普通路線のストーリーなのですが、それでもヒロインの性格から相手役のキャラまで被っているところはあまりなく、物語の転がし方も多彩で、想像以上に引き出しの多い先生なのかもしれません。ベタな展開と設定に加え絵柄があまり安定していないので、それを感じさせないかもしれませんが、これはひょっとしたらひょっとするかも…なんて、これからの作品を大いに期待させてくれる、心躍る1冊です。


【男性へのガイド】
→少女漫画の読切り集ということで、そういうことです、はい。匂わせるのはりぼん的な絵柄に、話運びということで。そういうのがお好きなら。
【感想まとめ】
→1冊目からの変わり身にとにかく驚きました。正直あまり印象になかったのですが、たぶんこの単行本のことはしばらく覚えていると思います。次も楽しみ!


■作者他作品レビュー

作品DATA
■著者:長谷瑠依
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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