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Tag [続刊レビュー] 2011.12.25
作品紹介→小玉ユキ「坂道のアポロン」
4巻レビュー→夏の夜に、ジャズなんていかがです? 《続刊レビュー》小玉ユキ「坂道のアポロン」4巻
5巻レビュー→とっても濃密な…《続刊レビュー》「坂道のアポロン」5巻
6巻レビュー→二つの三角関係、いつの時代も女性は逞しい:小玉ユキ「坂道のアポロン」6巻
7巻レビュー→この坂道が、ずっと続けばいいのに:小玉ユキ「坂道のアポロン」7巻




1106090049.jpg小玉ユキ「坂道のアポロン」(8)


何度もかけおりた坂道が
こんなに長く感じるなんて



■8巻発売しました。
 同級生の律子に、一度は振られた薫だが、彼女を支え続け恋が実る。そんな中、昨年に続き今年も文化祭での演奏を引受けた、薫と千太郎。しかしとある事故をきっかけに、千太郎の胸中に変化が。
 

~大きな動きのあった8巻~
 8巻発売しています。ここの所名場面続きだった本作ですが、8巻にして、物語でも最も大きいであろう出来事が起こりました。恐らくそう遠からず本作は完結。そこに向かうための、大きな山場を迎えたという感じがすごくしました(なんていってめっちゃ続いたらどうしよう)。
 
 7巻終盤で大きな出来事として描かれたのは、千太郎たちの父親が帰ってくるということ。元々父親と折り合いが上手くいっていなかった千太郎は、一度家から出る決意をするのですが、それを薫が引き留め、結局和解。この時点で「あ、出ていくという山場の迎え方はなくなったのかな」なんて思っていました。生命の危機とか、不可抗力での離散とかかな、と。


~妹の事故と、世界との繋がり~
 ところがそれは、思わぬ形で再び訪れることになりました。まさかの千太郎失踪コースですよ。しかも今回の出ていき方は、前回とはちょっと違うというか。今回の千太郎の失踪の起因となったのは、妹をバイクに乗せて事故を起こしてしまったから。千太郎自身は無事でしたが、妹は意識不明の重篤な状態に。そんな状況の中、彼は薫にこんな言葉を残します…
 

坂道のアホ#12442;ロン8-1
幸子じゃなくて
俺にしてくれんですか天使様


 やや冗談めかしていいつつも、きっとこれは心からの言葉なんじゃないでしょうか。そんな彼を薫は慰め、一度は良い方向に向かうかと思いきや、妹の回復を見届けたのか否か、その直後彼の姿は忽然と消えてしまうことになります。残されたのは、病室のドアノブにかけられたロザリオだけ。このロザリオが意味するものは、その後、薫が彼のルーツである教会を訪れた時に知らされることになるのでした。
 

坂道のアホ#12442;ロン8-2
ロザリオを肌身離さず大事に持っとるのは
それを手放してしまえば
自分が世界から切り離されてしまいそうで
怖いから


 「自分が代わりに」そんな言葉を発していた千太郎が取った行動は、自分が世界とつながる唯一のモノである、ロザリオを手放すこと。恐らく千太郎は、自らを世界から切り離す≒自分自身が消えるということで、妹の身代わりとなり、助けようとしたのではないでしょうか。あのロザリオが病室のノブにかかっていたのは、誰かに見つけてもらおうという意図ではなく、単純に妹のためにというニュアンスが強かったのかな、と。だからこそ、彼がこの町に再び戻ることはない(=戻ってきたら自分のした行動の意味がなくなる)わけで。さて、いよいよこの町の外での再会しか道はなくなってきました。そこにきて、薫の上京です。うん、物語が良い形で転がってる。


~いっつも不遇な律子~
 そんな中唯一心配なのは、律子をどう救うかというところでしょうか。彼女の願いは「薫まで自分の前からいなくなったりしないこと」。この願いはきっと揺るがないものでしょうし、それでもなお進路のことを突きつけた薫の落ちっぷりがなかなかにしんどかったです。律子ちゃんっていつもなんていうかとばっちり受けちゃう子だなぁ、と。個人的には薫と千太郎の友情は鉄板なのだから、後は律子とどう落とし前つけるかが重要だ、なんて思ったりしているのですが、果たして。ロザリオを手放して世界とのつながりを絶った千太郎と、レコードを処分して千太郎との思い出を絶った薫。二人の行く末は、如何に。今から9巻が待ち遠しくてたまらないです。


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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