作品紹介→*新作レビュー* 鳥野しの「オハナホロホロ」
2巻レビュー→先を見て、向き合うと決めた日:鳥野しの「オハナホロホロ」2巻
鳥野しの「オハナホロホロ」(3)
彼女は変わってないと思いたがってるのは
お前なんじゃない?
■3巻発売しました。
3人で暮らしはじめて早1年。ある日、麻耶は信頼している元同級生・桑原に呼び出されてプロポーズされる。いっぽうシングルマザーで麻耶の同居人であるみちるは、麻耶頼りがちな自分を変えようと、仕事を頑張ることにした。しかし慣れないリーダー職に憔悴し倒れてしまい、保育士の望月に介抱される。次第に望月と距離を狭めていくみちるをそばで見つめる麻耶は…?
~3巻です~
3巻発売しています。ここまで続くなんて思っていなかったのですが、これはまだまだ続きそうな予感。しかし読みすすめる毎に重くなってきて、だいぶ読む前にエネルギーの補填が必要な作品になってきました。もちろん面白いのですが、比較的良い精神状態でないとしんどいっていう(笑)1巻も2巻も、揺れつつもなんとなく収まるところに収まり戻ってくるというような感じのストーリーが続いていましたが、3巻ではその揺れ幅がだいぶ大きくなってきます。変化をもたらしたのはみちる。前向きな変化かと思えたのですが、それに焦り崩れはじめたのは麻耶の方でした。元々面倒見が良く、そこにみちるとの関係の中での価値を見出していた感もある彼女ですが、まさかそればっかりに依存していたとは。

いいのよ
新しい仕事より
私は家にいたいの
と言い放ったときの麻耶はどこまでも病的で、怖かったです。しかも言葉選びもよくなかった。仕事に必死にしがみついて頑張ろうとしているみちるに、「仕事はいい。次がある。」なんてものですから、みちるが怒るのも当たり前です。ここは素直に言っておけば…けれども素直に言ったら、今の家族的な関係が崩れるかもしれない。どちらに転ぶこともできないこの関係の歯痒さと不健全さが、この場面にて実に気持ちの悪い形で露見することになりました。背景にある後ろ暗さみたいなものが、爆発ではなく漏れ出るようにして現れるこの感じが、リアルというかなんというか。
~みちるに恋の予感そのお相手の対極感~
さて、一方で恋愛の匂いも強まってきてまして、2巻の麻耶に続いて今度はみちるです。2巻から既にフラグが立っていた望月さん。今回みちるが気分を悪くしたところを介抱したことをきっかけに「好きかもしれません」(正確には「あたしのこと好きだとでもいうわけ!?」→「そうかもしれません」)なんて発言をし、一気に距離が縮まった感。みちるの方も、まんざらでなさそうな態度です。この望月さん本当に地味で真面目なのですが、2巻で麻耶にプロポーズした桑原さんと本当に対極的で。
みちるは桑原さんが苦手で、未だに会うとばつが悪そうな態度を取ります。どうして苦手かっていうと、「俺って完璧だぜ☆」って感じがイラッとくるそう。そして実際なんでも出来たりするから、余計にそう感じるのでしょう。そんな桑原さんは高校時代サッカー部の王子様(麻耶談)。他校にファンクラブがあるほどの人気者で、さぞ将来も嘱望されたことでしょう。そんな桑原さんに対して、望月さんはというと…

バスケ部で一度もレギュラーを獲れなかった
部活は皆勤賞の努力家。でも試合には一度も出られなかったそうです。まさに桑原サンとは対極にいるような人。もちろん双方に努力はしていたのでしょうが、それが花開くかどうかという違いは、非常に大きいというか、その後の人と成りを作っていく上でなかなか重要な要素になります。桑原さんが苦手なみちるにとって、こんなエピソードを持つ人は割とうってつけという気がしなくもありません。というか、じゃなかったらこんなエピソード出さないですって。なんだかとってもお似合いな気がするこの二人。あ、あと望月くんって絶対童貞な気がしません?なんかそれもすごく良いんだよなぁ。お互いに良く支え合ってくれそう。しかしこの先どうなることやら。3巻ラスト、結構驚きの切れ方をしたので、続きがとっても気になります。
■購入する→Amazon
2巻レビュー→先を見て、向き合うと決めた日:鳥野しの「オハナホロホロ」2巻

彼女は変わってないと思いたがってるのは
お前なんじゃない?
■3巻発売しました。
3人で暮らしはじめて早1年。ある日、麻耶は信頼している元同級生・桑原に呼び出されてプロポーズされる。いっぽうシングルマザーで麻耶の同居人であるみちるは、麻耶頼りがちな自分を変えようと、仕事を頑張ることにした。しかし慣れないリーダー職に憔悴し倒れてしまい、保育士の望月に介抱される。次第に望月と距離を狭めていくみちるをそばで見つめる麻耶は…?
~3巻です~
3巻発売しています。ここまで続くなんて思っていなかったのですが、これはまだまだ続きそうな予感。しかし読みすすめる毎に重くなってきて、だいぶ読む前にエネルギーの補填が必要な作品になってきました。もちろん面白いのですが、比較的良い精神状態でないとしんどいっていう(笑)1巻も2巻も、揺れつつもなんとなく収まるところに収まり戻ってくるというような感じのストーリーが続いていましたが、3巻ではその揺れ幅がだいぶ大きくなってきます。変化をもたらしたのはみちる。前向きな変化かと思えたのですが、それに焦り崩れはじめたのは麻耶の方でした。元々面倒見が良く、そこにみちるとの関係の中での価値を見出していた感もある彼女ですが、まさかそればっかりに依存していたとは。

いいのよ
新しい仕事より
私は家にいたいの
と言い放ったときの麻耶はどこまでも病的で、怖かったです。しかも言葉選びもよくなかった。仕事に必死にしがみついて頑張ろうとしているみちるに、「仕事はいい。次がある。」なんてものですから、みちるが怒るのも当たり前です。ここは素直に言っておけば…けれども素直に言ったら、今の家族的な関係が崩れるかもしれない。どちらに転ぶこともできないこの関係の歯痒さと不健全さが、この場面にて実に気持ちの悪い形で露見することになりました。背景にある後ろ暗さみたいなものが、爆発ではなく漏れ出るようにして現れるこの感じが、リアルというかなんというか。
~みちるに恋の予感そのお相手の対極感~
さて、一方で恋愛の匂いも強まってきてまして、2巻の麻耶に続いて今度はみちるです。2巻から既にフラグが立っていた望月さん。今回みちるが気分を悪くしたところを介抱したことをきっかけに「好きかもしれません」(正確には「あたしのこと好きだとでもいうわけ!?」→「そうかもしれません」)なんて発言をし、一気に距離が縮まった感。みちるの方も、まんざらでなさそうな態度です。この望月さん本当に地味で真面目なのですが、2巻で麻耶にプロポーズした桑原さんと本当に対極的で。
みちるは桑原さんが苦手で、未だに会うとばつが悪そうな態度を取ります。どうして苦手かっていうと、「俺って完璧だぜ☆」って感じがイラッとくるそう。そして実際なんでも出来たりするから、余計にそう感じるのでしょう。そんな桑原さんは高校時代サッカー部の王子様(麻耶談)。他校にファンクラブがあるほどの人気者で、さぞ将来も嘱望されたことでしょう。そんな桑原さんに対して、望月さんはというと…

バスケ部で一度もレギュラーを獲れなかった
部活は皆勤賞の努力家。でも試合には一度も出られなかったそうです。まさに桑原サンとは対極にいるような人。もちろん双方に努力はしていたのでしょうが、それが花開くかどうかという違いは、非常に大きいというか、その後の人と成りを作っていく上でなかなか重要な要素になります。桑原さんが苦手なみちるにとって、こんなエピソードを持つ人は割とうってつけという気がしなくもありません。というか、じゃなかったらこんなエピソード出さないですって。なんだかとってもお似合いな気がするこの二人。あ、あと望月くんって絶対童貞な気がしません?なんかそれもすごく良いんだよなぁ。お互いに良く支え合ってくれそう。しかしこの先どうなることやら。3巻ラスト、結構驚きの切れ方をしたので、続きがとっても気になります。
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