
夏は終わったけど
わたしの恋は終わらず
これからこの場所で
ずっと続いてゆくのです
■ラブラブカップルのハナとナガル。大学4年になっても就職活動もしない二人は、とにかく二人の時間を増やしたい!と同棲をすることに。しかし就職予定もない二人に部屋を貸してくれるわけもない。そこで、ハナの姉に保証人になってもらおうとするが、あえなく却下。就職しろと説教までされてしまう。一緒に暮らすには働くしかない、そう決意してなんとか働き口を見つけた二人だったが、一緒にいられる時間が減っていき、結局辞めてしまう。そんなある日、家賃五万で雰囲気の良い物件を発見。ここだ!即座に入居を決めたふたりは、どうにかしてハナの姉を説得。その日から、アルバイトをしながらの、貧乏同棲生活が始まった!
とにかく二人の時間優先。働くことすら二の次のバカップルが織りなす、貧乏同棲スローライフコメディです。彼は美術系の大学出身、彼女は体育大学出身と、少し浮世離れている二人(実際はどうだか知らんけど、設定なのでね)、姉の監視はあるとはいえ、やはり行うことが少しずれています。いや、ずれているのは彼の方だけで、彼女はどちらかというとマジメサイドか。ただ不幸を呼び込む体質らしく、トラブルを色々起こしてしまいます。展開としては、彼が変なことをしでかす→不幸体質の彼女が事態を深刻に→周囲の人が巻き込まれる→でも最後はなんとかなって、めでたしめでたしといった感じ。ワンパターンというワケではありませんが、最後は必ず明るく幸せな方向に持っていくのは好印象。

貧乏でも、明るく楽しく毎日を送るふたり
仕事をせずに同棲をするっていうのは現実味に欠けるかもしれません。ただそういうのは多分この作品では求めていないので、良いのです。とっても明るく、基本アホな二人の行動は、見ていてとっても面白いですし、周囲の人間も良い人ばかりなので、暗い方向に話が進むことはまずありません。このあたたかい感じを存分に楽しみましょうという読み方が正解なのかな。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→話の本質は女性的。スローではあるのだけれど、静かというわけではなく、どちらかといえばにぎやか。明るいお話が好きな方なら。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→少し浮世離れした話ではあるのですが、こういう作品は読んでいて幸せな気分になれますよね。これといったストーリーがあるわけではありません。だけど、そこが良い。
作品DATA
■著者:長原万里子
■出版社:講談社
■レーベル:KCkiss
■掲載誌:Kiss Plus(2008年7月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税