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Tag [新作レビュー] 2011.12.29
1106102550.jpgモリエサトシ「池袋13(IKBサーティーン) 」


だから明日からも
がんばることをやめないんだ。



■池袋の北口繁華街にポツリと建つ劇場・ノースゲートシアターでの公演を拠点に活動しているアイドルグループ「IKB13」。メンバーは、生写真の売上げや握手会の列等、人気のみでランク付けされ、それがメディア露出・公演の参加曲数や曲中の立ち位置等を決定する。残酷で決定的な透明性。これは、見えない何かに翻弄される、若き少女達の物語である…
 
 モリエサトシ先生の新作です。いやまさかこんなお話描く方だとは思っていなかったのでびっくりですよ。あらすじをお読みにならずとも、そもそもタイトルでどんなお話か想像がつくかと思います。はい、AKB48がモチーフです。舞台となるのは池袋北口の繁華街にあるとあるステージ。この場所でアイドル活動をしている「IKB13」のメンバーが、この物語の主人公たちになります。AKB48と同じく、彼女達は完全人気主義のもと立ち位置や参加曲・パートが決定されるというシビアな世界で勝負しており、13人がキッチリと順位付けされています。歌もダンスもヘタなNo.1に、手加減を知らないNo.2、上に上がれず歯がゆい想いを抱える努力家のNo.8に、男勝りなNo.3…それぞれがそれぞれ、想いを抱えてステージに立つ。彼女達の闘いの記録がここに…


IKB13-1.jpg
No.1はモリエサトシさん鉄板の黒髪ロングの女の子。歌やダンスの実力がないにも関わらず人気であるため、メンバーとの確執もあり。自信のなさと、自分を守る精一杯さで、割といつもささくれだった感じです。


  週刊少年マガジンにて「AKB49~恋愛禁止条例~」という作品が連載中で、しかも割と評判が良いということで、同じ系統の作品が登場することはないかと思っていたのですが、まさか少女マンガで出てくるとは。出版社も読者層も異なり、またAKBファンを取り込もうというような魂胆は全く感じられないので、編集サイドもGOサインを出したのかもしれません。ということでコンセプトから異なっている作品ではあるのですが、如何せん動かす土台は同じということで、どこか作品として被っている感は拭えず。思っている以上に体育会系のノリであったり、女装したメンバーがいたりとか、設定やノリで被ったのはちょっと痛かったやもしれません。とはいえモリエサトシ先生ならではの、ちょっとダークな部分が上手く落とし込まれ、この作品ならではと言える魅力がでていたのもまた事実。個人的には、百合を見せたリーダーのノゾミが良かったなぁ、と(ノゾミについては後述)。
 
  13人であるのは、1巻完結にも耐えうるだけの人数に絞るためかと思われますが、実際に描かれるメンバーはさらに少なく、最終的には4~5人にスポットが当てられるだけになります。メインとなるのはNo.1でセンターのアイ。モリエサトシ先生安定の黒髪ロングヒロインであり、もうそれだけでご飯食べれますってな感じです。ダンスも歌も、メンバーの中ではヘタな方。実力主義であれば決して前には出られないような子で、自身も自信を失って、やる気のない素振りも多いと、割とアンチも多かったりします。こんな子に負けるなんて…という空気がメンバーの中にも少なからずあり、初っぱなから空気感は割と殺伐。馴れ合いではなくぶつかり合い、時に蹴落とすことすらある激しい争いの中で、メンバー達はお互いを磨き合っていきます。
  
 そんな中にも、同士と言えるような仲間もおり、熱さの中に見せる静かな絆が本作の一つの見所となってきます。先のアイで言えば、No.3の晶。男勝りの晶は、勝りというか男の子だったりするのですが、これは少女マンガではお約束の夢。またNo.2の加減を知らない全力少女・サチを支えるのは、No.4でリーダーのノゾミ。もう個人的に彼女の感情が好きでして。しっかり者のリーダーとしてメンバーを引っぱり、実際メンバーからの信頼も厚い彼女ですが、リーダーとしての自己評価は低め。その起因となっているのは、サチへの恋心。立場上決してその感情を外に出すことはないのですが、
 
 
IKB13-2.jpg
 心ではアイを「何一つサチに勝らない」として「1位にふさわしいのはサチだ」と思い、そのため自分はリーダーに相応しくないと思ってしまうそのじれったい感じ!黒いよ!でもこれこそが愛だよ!もうこの二人の関係がすごい作り物のように美しくて、思わず夢中になってしまいました。
 
 少女マンガということで、男女恋愛がありそうなものですが、そういった部分は殆どなし。むしろ男女恋愛というよりも先のサチとノゾミの百合っぷるがあるくらいで、そもそも恋愛要素が薄いです。というかなんか他にも百合っぽいところあって、これってもう百合漫画なんじゃね?とすら思ったり。


【男性へのガイド】
→キャラ造形も割と好きな方いるんじゃないかと思うのです。あとお話的にも読みやすい内容かと思います、はい。
【感想まとめ】
→この作品を語る以上「AKB49」を意識しないわけにはいかないのですが、実は当方あまりあの作品に思い入れがなく、熱く語ってらっしゃる方々に読んでもらって感想聞きたいってのがあったり。


■作者他作品レビュー
モリエサトシ「ラブ シック」
モリエサトシ「白磁」
猫たちと、一人の男の子の紡ぐ愛おしき物語:モリエサトシ「猫の街の子」
不純だけれど、貴方がすきです:モリエサトシ「不埒なシスター」


作品DATA
■著者:モリエサトシ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICSスペシャル
■掲載誌:ザ花とゆめ
■全1巻
■価格:524円+税


■購入する→Amazon

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