
笑っていてほしい
わたしに向けられていなくても
君の笑顔が
一番のきらめきだよ
■父の働くプラネタリウムの職員・広瀬さん。無愛想でいつも天体望遠鏡で星を眺めている彼のことが、さくらは苦手だった。ところがある日、ふとした事で彼の優しさに触れ、次第に彼のことが気になりだす。やがて一緒に星を見るまでに親しくなるが、突然彼が倒れてしまう。がんの再発。病状を知っていながらも、それでもなお星を眺め続けた彼の真意とは…。そして、彼にどうしようもなく惹かれながらも、彼の眺める先に何があるかを知ってしまったさくらの取った行動とは…。
戸田恵梨香さん主演で映画化するそうです。またケータイ小説買っちまったとか思っていたら、原作は少女マンガで、それをケータイ小説と映画にしたとのこと。さらに映画化に伴い、作者さん自ら原作をリメイク。本作では、オリジナルと映画シナリオの二つの「恋極星」に加え、読切り一遍が収録されています。
病に倒れた相手を、ヒロインが必死で支え続けるというお話。ただ二人は恋人同士というわけではなく、ヒロイン・さくらの片想いというか憧れている状態。一方想われている広瀬さんには忘れられない女性がおり、彼女との約束から、毎晩望遠鏡で星空を眺める生活を続けています。

過去の恋人との"約束"のため、毎日星空を眺め続ける。
男の子が病に倒れるあたり、いかにもケータイ小説っぽいわけですが、無理から記号的な出来事をつっこんでいる様子はなく、ケータイ小説的には比較的大人しめの物語と言えるかもしれません。ただ同時収録の読切りはケータイ小説臭がバリバリ。やたらめったら人を死なせればよいってモンでもなかろうに。「人の死」ってのは物語において強烈なカードなわけですから、出しどころはきちんと見分けてほしいです。不必要に「死」のカードを使えば一気に興醒めしてしまいます。
しかしケータイ小説系の話では、病に冒された男の子の致死率が驚くほど高いですね。そっちのほうが手っ取り早く、切ない感動を発生させる装置になるからなのでしょうが、もうちょっと回復してハッピーエンドみたいな展開があっても良いんじゃないかなぁ。でもそういうの読んでる女の子たちに「なんで治るってルートはないの?」って聞いたら、平然と「そんなのリアルじゃないじゃん」とか言いそうで怖い。
【オトコ向け度:☆ 】
→女の子向けかな。戸田恵梨香さんが好きなら映画だけ観れば良いと思います。手、キレイなんですよね、戸田恵梨香さんて。ってどうでも良い情報ですが。
【私的お薦め度:☆ 】
→オリジナルはそこそこ良いお話だったと思います。ただリメイク版は若干平坦に(ペース的な問題?)、同時収録の読切りは正直どこを褒めたら良いのか分からんって内容だったので。
作品DATA
■著者:ミツヤオミ
■出版社:講談社
■レーベル:KCデラックス
■掲載誌:不明
■全1巻
■価格:495円+税