作品紹介→*新作レビュー* 勝田文「ちくたくぼんぼん」
2巻レビュー→こんなにも素晴らしい物語が読める幸せ:勝田文「ちくたくぼんぼん」2巻
勝田文「ちくたくぼんぼん」(3)
世界はいつだって君のおもい通りに進む
きっと大丈夫だ
■3巻発売、完結しました。
三五が突然姿を消してしまい、イワに残された時計は止まったまま…。時計を動かしたいと、三五を探すイワの前に現れたのは…!?昭和乙女のちくたく初恋物語、感動のフィナーレ!!
~とにかく痛快、素晴らしいお話だった~
3巻で完結しました。毎年1巻づつ、ゆっくりゆっくり進行してついに。いやー面白かった。もうとにかく痛快。この作品以上に、この言葉が似合う作品に今まで出会ったことがありません。動きがあって、バカらしくて、けれども人間味溢れていてロマンチック。この時代ならではのロマンがしっかりと息づいた素晴らしい作品だったと思います。ああ、誰か舞台化とかしてくれないだろうか。なったら絶対面白いと思うんだけどなぁ。
~秘宝はいただいた!~
さて今回一番の見せ場は、病院での一幕でしょう。正直このシーンが素敵すぎて、その後の残り半分くらいがやや霞んで見えたくらいでした(笑)三五に会って、止まってしまった懐中時計を直したいイワ。三五をなんとか捜し出すことはできたものの、ちょっとした宝探しに付き合わされることになります。いや、正確には、自ら巻き込まれに行ってしまったというか。。。紆余曲折あり、イワのじいさままでもが病院を訪れている中でのこのシーン…

秘宝はいただいた!
ロマンチストすぎてもう…!もう…!この瞬間身悶えしてニヤニヤしちゃったのは、私だけではないはず。キザすぎんよ三五さん。なんて素敵な怪盗だろう。もう完璧すぎて惚れます、これは。木に登って三五の祖母の宝物を手に入れたイワを、車でキャッチ。さらにそこからの「秘宝はいただいた!」ですから。祖母の秘宝と、イワのダブルミーニング。出来すぎなところが、素晴らしいです。
~イワに言った「大丈夫」~
その後のお話では、たわ子さんが香水で夏に雪を降らせるというこれまたオシャレな一面を見せてくれましたね。最後の最後でこうして見せ場を作るあたり、素敵ではないですか。そして最後、物語は感動のフィナーレを迎えます。その日は十五夜、イワが前の三五(コウモリ)と出会った時と同じでした。病院を抜け出してきた三五はもうノリノリ。そしてイワに向かってこんなことを言うのです…

星を世界を
全部君にあげよう
なんて台詞でしょうか。でも多分三五は本気。だって誰よりもロマンチストなんですから。そんな言葉に対して、イワは「月も私にくれるんか?」の一言。そしてその後、月を大好きな大福に重ねてみたりします。三五とイワが出会って、初めて貰った物は、時計と大福。あれ、結局最初と全然変わってないじゃないかなんて思いつつも、一つだけ変わっているものがありました。それは、時計の音が好きになったこと。この物語で時計の針が刻む音は、自分の心臓の鼓動と同じ。はじめて恋を知り、振り回されつつも見事自分の想いを実らせたイワの未来は、きっと明るいものであるでしょう。三五も「世界はいつだって君のおもいどおりに進むだろう」って言ってますしね。あ、そうそう、この言葉は単にロマンチストってだけでなく、自分の愛する人に自分の運命(命)を託してみたんだと思います。イワの思い通りに進んでくれたら、きっと三五はこの先も生き、イワの隣にいれるでしょうから。あの「大丈夫」は、イワではなく、自分に言い聞かせた言葉だったのかもしれませんね。
■購入する→Amazon
2巻レビュー→こんなにも素晴らしい物語が読める幸せ:勝田文「ちくたくぼんぼん」2巻

世界はいつだって君のおもい通りに進む
きっと大丈夫だ
■3巻発売、完結しました。
三五が突然姿を消してしまい、イワに残された時計は止まったまま…。時計を動かしたいと、三五を探すイワの前に現れたのは…!?昭和乙女のちくたく初恋物語、感動のフィナーレ!!
~とにかく痛快、素晴らしいお話だった~
3巻で完結しました。毎年1巻づつ、ゆっくりゆっくり進行してついに。いやー面白かった。もうとにかく痛快。この作品以上に、この言葉が似合う作品に今まで出会ったことがありません。動きがあって、バカらしくて、けれども人間味溢れていてロマンチック。この時代ならではのロマンがしっかりと息づいた素晴らしい作品だったと思います。ああ、誰か舞台化とかしてくれないだろうか。なったら絶対面白いと思うんだけどなぁ。
~秘宝はいただいた!~
さて今回一番の見せ場は、病院での一幕でしょう。正直このシーンが素敵すぎて、その後の残り半分くらいがやや霞んで見えたくらいでした(笑)三五に会って、止まってしまった懐中時計を直したいイワ。三五をなんとか捜し出すことはできたものの、ちょっとした宝探しに付き合わされることになります。いや、正確には、自ら巻き込まれに行ってしまったというか。。。紆余曲折あり、イワのじいさままでもが病院を訪れている中でのこのシーン…

秘宝はいただいた!
ロマンチストすぎてもう…!もう…!この瞬間身悶えしてニヤニヤしちゃったのは、私だけではないはず。キザすぎんよ三五さん。なんて素敵な怪盗だろう。もう完璧すぎて惚れます、これは。木に登って三五の祖母の宝物を手に入れたイワを、車でキャッチ。さらにそこからの「秘宝はいただいた!」ですから。祖母の秘宝と、イワのダブルミーニング。出来すぎなところが、素晴らしいです。
~イワに言った「大丈夫」~
その後のお話では、たわ子さんが香水で夏に雪を降らせるというこれまたオシャレな一面を見せてくれましたね。最後の最後でこうして見せ場を作るあたり、素敵ではないですか。そして最後、物語は感動のフィナーレを迎えます。その日は十五夜、イワが前の三五(コウモリ)と出会った時と同じでした。病院を抜け出してきた三五はもうノリノリ。そしてイワに向かってこんなことを言うのです…

星を世界を
全部君にあげよう
なんて台詞でしょうか。でも多分三五は本気。だって誰よりもロマンチストなんですから。そんな言葉に対して、イワは「月も私にくれるんか?」の一言。そしてその後、月を大好きな大福に重ねてみたりします。三五とイワが出会って、初めて貰った物は、時計と大福。あれ、結局最初と全然変わってないじゃないかなんて思いつつも、一つだけ変わっているものがありました。それは、時計の音が好きになったこと。この物語で時計の針が刻む音は、自分の心臓の鼓動と同じ。はじめて恋を知り、振り回されつつも見事自分の想いを実らせたイワの未来は、きっと明るいものであるでしょう。三五も「世界はいつだって君のおもいどおりに進むだろう」って言ってますしね。あ、そうそう、この言葉は単にロマンチストってだけでなく、自分の愛する人に自分の運命(命)を託してみたんだと思います。イワの思い通りに進んでくれたら、きっと三五はこの先も生き、イワの隣にいれるでしょうから。あの「大丈夫」は、イワではなく、自分に言い聞かせた言葉だったのかもしれませんね。
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