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Tag [新作レビュー] 2012.02.14
1106111574.jpg小山鹿梨子「校舎のうらには天使が埋められている」(1)


なんて純粋な
美しい光景



■理花は引っ込み思案な女の子。友達と離れ、赤ヶ瀬小学校に転校してきました。「新しい学校で、新しい自分にかわりたい!」と意気込んできたものの、なかなか勇気を出せずに、クラスのみんなと馴染めずにいました。そんな理花に最初に声をかけてくれたのは、勉強も運動もできて、おまけにとっても可愛いい完璧美少女のあいちゃん。彼女のおかげで、毎日が楽しくなってきた理花でしたが…。


 ニコニコ動画で活動もされていた小山鹿梨子先生の新連載です。作者の小山鹿梨子先生、別フレで、マクロスFのシェリルを描いた作品を連載していましたが、並行連載になるみたいですね。何気に別フレで一番プッシュされている作家さんかもしれません。そんな小山先生がこの度オリジナルで描くのは、表紙とタイトルからもお分かりの通り、ホラーです。しかもお化け怖い系ではなく、人間怖いなお話。
 
 引っ込み思案な理花が転校してきた赤ヶ瀬小学校の4年2組は、近年稀に見る良いクラス。生徒全員聞き分けが良く、先生達からの評判も非常に良いようです。そんなクラスに馴染もうと意気込む理花ですが、なかなか勇気が出せずにクラスメイトと触れあうことができません。そんな彼女に優しく話しかけてきてくれたのは、成績も良くて運動もできて、その上見ためも可愛い完璧な女の子・あいちゃん。神社で偶然保護した犬の世話を通じて、あいちゃんと仲良くなった理花は、その勢いでクラスメイトとも打ち解けることができたのでした。今までの自分とは違う!新しい自分になれた…!そう喜んだのも束の間、理花にみんなから差し出されたのは、犬の首輪。保護した犬のもの?いいえ、それは理花への贈り物。その日から、理花は4年2組の犬になったのです…・ 


校舎のうらには天使か#12441;埋められている
隠すのが上手い子供、そして本当の姿を見ようとしない大人。そんな隙間に、壮絶なイジメが。


 はい、別フレひいては講談社の十八番来ましたよ。イジメものでございます。「ライフ」のすえのぶけいこ先生がサバイバルにシフトしつつある中、しっかりとその後釜を埋める存在が。やっぱり他の雑誌とは比較にならないくらい、別フレのそれはエグいですね。舞台は実にわかりやすい、一人の賢い、そして歪んだ感性の持ち主が独裁するクラス。そしてそんな存在は、得てして虐げられる弱者の上に作られているもの。相手が誰だって別に上手くやれるので、ターゲットなんて誰でもOKなんです。ちょっとしたことがきっかけでお姫さまの機嫌が損なわれれば、次の日には標的が変わったり。よって描かれるのは一人の苦しみではなく、明日は我が身で怯える子供達と、一人の狂気にやられて次々と伝染していく歪んだ感覚が広がる様子。誰かが怖いのではなく、みんなで作り出すその空気感がただただ怖いです。
 
 段々とイジメがエスカレートしていくのではなく、割とのっけから全開。しかもワンパターンでなく、あれこれエグイ方法でくるものだからなかなか。というのも既に一人児童が亡くなっていて、その後釜としての転校生という状況ですから、エスカレートすることはあっても緩むことはないよ、と。一応救いの光は見えてはいるものの、果たしてこれが救いとなってくれるのかは疑問。先生登場でも返り討ちに遭いそう、というかそんな簡単にやられる子じゃないのは表紙見れば一目瞭然。普通これ見たら「わーかわいい、ヒロインかな?」って思うじゃないですか?ところがどっこい、こんな聡明そうな子が狂気の源だったりするんです。はい騙されたあなた!それ見破れなかった方は結局作中の大人たちと変わらないってことなんですよ!ならば中身を知るために、とりあえず読んでみてはいかが?


【男性へのガイド】
→こういうお話は女性の方が好きなんだろうな、と思います。個人的には万人向けだとは思うのですが、ニーズの問題でしょうか。
【感想まとめ】
→オリジナル短編の時はちょっとクセのある話を描く方だなと思っていたのですが、ここまで吹っ切れたもの描いてくるとは。ただ過去のこの手の話と比較すると、これといった強みもそんなにないかもです。ただ個人的にはここまで加速させたお話をどう収束させるのか、興味があります。


■作者他作品レビュー

ニコニコ動画の人気絵師が少女漫画家デビュー:小山鹿梨子「もやし男と種少女」



作品DATA
■著者:小山鹿梨子
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレ
■掲載誌:別冊フレンド
■既刊1巻
■価格:429円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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