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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2012.02.18
1106111896.jpgたし「東京ボイジャーレコード」


ぼんやり…
分かった気がする…
憂鬱の正体



■高校生の津上隆哉は、進路調査を前に、将来への漠然とした不安を抱えていた。…自分がやりたいこととは何か?そして、それを選んでいいのか?そんな隆哉が、クラスで浮いた存在であり、思うままに生きているように見える水橋リゲルとひょんなことから親しくなって…?それはまるで、冬の夜空のように澄み切った青春ストーリー。

 一迅社のたし先生の新作になります。前作「かきかけとけしいん」(→レビュー)がとっても良かったので今回も楽しみにしていたのですが、もうこのタイトルからやられますよね「東京ボイジャーレコード」。描かれるのは、一人の平凡な高校生の成長です。主人公の津上隆哉は、進路調査で自分の将来を考えるも、何もなさすぎて落ち込み気味。そんな中、気になるのは同じクラスの水橋リゲル。帰国子女でルックスも外国人そのもの、自由気ままに生きているように映る彼が、なんとなく羨ましく思えてきます。そんなとある日の帰り道、転んだ外国人風の幼女を助けてみたら、連れいていかれた先でリゲルとバッタリ。そこは彼と彼の妹・チャコが営む骨董屋でした。彼の追試の勉強の間、チャコの面倒を見ることになった隆哉は、これをきっかけに自分の将来を見つめ直していくことに…


東京ホ#12441;イシ#12441;ャーレコート#12441;
閑散としているかと思いきや人は多い骨董屋。全員お客ではなく、見知った間柄の身内というのが悲しくもあり、安心感もあり。そして何といってもチャコちゃんかわいい…!


 初っぱなのリゲルの登場で、「あらだいぶ女性向け感の強いキャラ配置だこと…」、と思って見たらチャコちゃん大登場。なんてかわいい女の子でしょう。テトテト歩く小ささに、耳まで隠れた帽子着用。そして帽子からこぼれる後ろ髪。これはあざとい。本作に登場するメインキャラで女性は彼女だけなのですが、もう充分立ち回れるだけの魅力を持っています。リゲルが自分の思ったことはすぐ口に出して、周りと対立しがちな、主張の強いアメリカンを地でいくキャラであるのに対して、チャコは遠慮がちで自分の主張がなかなかできないタイプ。加えて人が大好きで、とっても素直。リゲルが悪役というわけではないですが、ややクセの強い彼との対比が良く効いていて、ひと際可愛らしく見えるんですよね。
 
 「東京ボイジャーレコード」とは、リゲルとチャコが営む骨董屋の名前。祖父が道楽で立てたというこの店は、中目黒の路地裏の人目につかないところにあり、お客さんは滅多に来ません。来るのは同じ区画にある欧風のボロアパートの住人たちです。医師、学生、ニューハーフ…様々なメンバーが住まうそのアパートと、ゆったりと時間が流れるお店はこの上なく居心地の良い空間。自分の将来が見えず学校で静かにストレスを溜め、また家庭では父との二人暮らしであるため日々料理を作る日々を送る隆哉にとって、ここは良き居場所となり、そしてまた住人たちは将来を見据える上での良きモデルにもなるのでした。そこから見出すのは、自分の本当の夢と、自分の本当の居場所。大きな動きのある物語ではないですが、静かに感動を呼ぶ素敵なお話です。 
 
 なお本作が掲載されていたのは本誌ではなくゼロサムオンラインの方。無料で読むことができますので、ご興味のある方は覗いてみてはいかがでしょう。


【男性へのガイド】
→やっぱり男性キャラ多めではあるのですが、恋愛色薄めであるのに加えてチャコちゃんがかわいく、そこで一転突破できる勢いかと。
【感想まとめ】
→またしても味のあるお話でした。個人的には前作の方が好みではあるのですが、こちらもまた違ったテイストで面白かったです。


作品DATA
■著者:たし
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■掲載誌:ゼロサムオンライン
■全1巻
■価格:552円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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