このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2012.02.19
1106111849.jpg音久無「女王様の白兎」(1)


何か
何かとてつもないことが起こるんじゃないかって



■平穏な毎日を満喫する高1の仁科雪兎。しかしその平穏は、あっという間に崩れ去ることになる。ある日学校の校舎の屋上にUFOと共に現れたのは、コウコラ星という星の第一王女だと名乗る少女・レイシー。地球から300光年も離れた星からやってきたレイシーは、雪兎に特殊能力のエナジー源になれと突然命令してきて、しかも召使いと共に家に居座るだなんて…!ドS女王サマに下僕高校生…振り回される運命か…!!!

 「花と悪魔」(→レビュー)の音久無先生の新連載になります。前作は悪魔と人間の触れ合いを描いたお話でしたが、今度は宇宙人と人間の触れ合いを描いたお話ですよっと。主人公は少女マンガながら男の子。平穏無事な日々に感謝しつつ、ぬくぬく生きている高校生でした(過去形)。そんな彼の平穏が壊れたのは、学校の屋上にUFOが降り立ってから。そのUFOから降りてきたのは、なんとも奇怪な格好をした少女と、その下僕と思しき男二人。少女の話を聞くと、どうやら彼女は地球から遠く離れた星の第一王女であり、後継の条件として「地球人の願いを10個叶える」という使命をこなしにやってきたのだそう。そして地球人の願いを叶えるためには、どうやら雪兎の存在は必要不可欠なようで…なぜか早々に「その身体を差し出してもらおう」とか言われるのですが…


女王様の白兎
平穏を邪魔されたくない主人公(頑固)と、自分の想いは通したい(頑固でわがまま)なレイシー。そりゃあしょっちゅうぶつかる。けれどもそんなやりとりを、レイシーは楽しんでいる節もあったり…。


 ちょっと設定が色々とあるお話になっています。地球から300光年離れた星の王女が、王位継承のための試験(のようなもの)として、地球人の願いを10個叶えるというミッションを課せられ、地球に降り立ったというのが事の始まり。そしてその願いを叶えるためには、彼女が持つ特殊能力を使用する必要があり、そしてその能力を発動するためのエネルギー源として、特定の地球人の存在が必要となるのです。そしてその条件を満たすのが、主人公の雪兎。一行はシェアハウスに住む雪兎についていき、そのまま居座ってしまいます。ここまででお話の下準備は完了。ここからいよいよ、願いを叶えるための活動を始めて行くことになります。
 
 こちらエネルギーの供給の方法がなかなか特殊で、唇に触れないとダメ。要するにキスです、はい。そのため1巻ということで恋愛要素ほぼナシで送るにも関わらず、キスシーンは頻発します(笑)コウコラ星にも一応キスの概念というのはあるようなのですが、ヒロインのレイシーはあまり気にしている様子はありません。欧米的というよりは、ミッションの方が俄然大事というスタンスだからかもしれません。王女ということもあって、のっけからかなり高飛車。またあまり人と関わらなかったということもあり、世間知らずでまた思ったことをズバズバと言ってしまう欠点もあります。言葉遣いと良い、どこか可愛げがあるわがままっぷりは、「かんなぎ」のナギを彷彿とさせます。最初はぶつかり合っているけれど、やがてかけがえのない存在になっていくのだろうなぁ、と勝手に「かんなぎ」と重ねて未来を想像してしまっています(自分気持ち悪い………)


女王様の白兎1-2
王女と言ってもまだまだ中身は子供。高圧的な態度を取るのは、その地位ゆえ。それ以外では、実に可愛らしく甘える姿が出てきたりします。


 願いを“10個”、また“第一王女”というワードからも窺えるように、割と長期での連載を見据えた土台作りになっているように思えます。1巻時点で結構動きがあるので飽きさせることはないのですが、それだけ取り出してみるとやや単調な感も。しかしお互いが少しずつ、恋愛的な感情を芽生えさせて行くため、しっかりと味わいに変化を出してきます。上手い。

 前作もそうだったように、恐らく今回も王室に絡めつつ物語の枠を広げていくのかな、と思います。また一見大人びたヒーローに、わがままで子供っぽいヒロインというのは、なんだかんだで前作とも同様。今回も良い物語になりそうな予感がいっぱいです。


【男性へのガイド】
→ナギっぽいヒロインとかいうとまた誤解を生むような気も…。
【感想まとめ】
→1巻での感動や温かさは前作ほどではないものの、これからの展開で味わい深さをまさせるような感じが結構します。前作からのファンの方は是非とも…ってもう買っているか。


作品DATA
■著者:音久無
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:花とゆめ
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ「花とゆめ」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。