
なぜ同じ高校の
よりによって
同じクラスに
あいつらがいるんだ!?
■5巻発売。
間島祐一は中学2年のときに、たまたま部屋の窓から、当時の同級生・泉切人と松田龍二が連続殺人が起きた家に入っていくところを目撃してしまう。それだけでなく、泉切人の方は人間ではない、とても恐ろしい化物のような姿をしていた。あまりに現実離れした光景に、祐一は夢幻だと片付けようとする。しかし、記憶の奥底に残った恐怖が消えることはなく、以降彼らを避けて過ごすようになった。やっと彼らから離れられる。心晴れやかに高校の入学式に行くと、そこには泉切人と松田龍二の姿が。戸惑う祐一だったが、親しくしてみると意外と楽しい。過去の恐ろしい記憶を、やはり幻だったと確信する祐一だったが、それは全て間違いだということを、嫌というほど思い知らされることになる…。
作者さんの前作「キルト」の続編です。タイトルのキルトは泉切人から。前作では主人公だった二人ですが、今回は間島くんが主人公です。上記の説明のみだと分かりづらいかもしれませんが、ジャンルはファンタジーになります。ただ最初から設定を全て明かすことはなく、主人公視点で徐々に謎が明らかになっていきます。まぁ前作読んでる人はどういう背景なのか全て分かるわけですが、それでも続編として楽しめる内容になっていますし、初読の人は主人公視点で徐々に理解していける(=続編だからといって弾かれることがない)ので、作りとしてはこれが正解なんでしょうね。

今回は主人公じゃない二人。
展開はものすごく遅いです。ゆっくり丁寧に、と取ることもできるし、逆に焦らしすぎと取ることもできるかもしれません。伏線作りをするというよりは、背景をしっかり作り込むためにゆっくりになっているので、個人的には悪い気はしません。ただそれが嫌って人もいるんだろうなぁ…。またベテランの作品らしく、絵柄や話の舞台が少し古めの印象。購入の際はその辺も考慮してみてください。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→男性でも読みやすいと思いますが、重要なのはむしろ性別よりも時代感か。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→良くできてると思います。あとは個人の好み次第でしょう。
作品DATA
■著者:高橋美由紀
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD(2006年5月号~連載中)
■既刊5巻
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