
うんと遠くまで行ってこい!
おまえは私の分まで…
広い広い世界で
何ものにも縛られない人生を送れ!
■読切り2作を収録。
国内有数の銀産地として栄華を誇った真鍋藩だったが、徳川幕府の役人の陰謀によって真鍋藩を乗っ取られ、蓮華姫と弟・照真は改易、藩を追われてしまう。その横暴を許すことができなかった蓮華姫と家臣達は、無理を承知で幕府と戦う決意。まずは襲撃の準備を整えるため、幼なじみの忍者・如月丸の元で機を窺う。蓮華姫と弟の照真、そして如月丸の3人での束の間の暮らしを始めるが、やがて襲撃の時が…。果たして蓮華姫の運命は!?
藩を乗っ取った幕府の役人を倒す決意をした姫と、それをサポートする幼なじみの忍者の歴史ラブロマンスです。舞台となる真鍋藩は、国内有数の銀産地として繁栄していました(実在した藩なんですかね?)。莫大な富を生み出すが故、諸国から狙われることが多かった真鍋藩は、それに対抗する優秀な忍者集団”真鍋蛇”を持っていました。その後江戸幕府の成立により真鍋蛇は解散…というか全員処刑されてしまうのですが、その唯一の生き残りが蓮華姫の幼なじみ・如月丸だという背景があります。

幕府と戦うことを決意する蓮華姫。
捨てられたにもかかわらず、藩を奪い返す決意をした姫のサポートをするという時点で、彼の気持ちは明らか。当然姫も彼を想っているわけで、話のとしては信念を貫くことによって引き裂かれる二人の愛を描くといったところでしょうか。ラストは正直ありえないような展開で終わるのですが、ここまでだと逆に気持ちが良いです。2編とも切なさベースで話が進行しますが、ラストは幸せな展開に。切ないのも好きですが、時代物はやっぱりハッピーエンドにしてナンボかな。フィクションだと割り切って読めば、読後実に晴れがましい気分になれます。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→基本は男に愛され支えられる女性というのがモチーフ。展開も女性のが喜びそうな感じ。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→良質読切り。切なさ追求ではなく、最後はハッピーエンドに持っていくってのは好印象でした。
作品DATA
■著者:山田圭子
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD('07年2月号,'09年2月号)
■全1巻
■価格:400円+税