このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2012.03.23
作品紹介→小っちゃくたって、一人前に恋するんです!:リカチ「明治緋色綺譚」1巻



1106111603.jpgリカチ「明治緋色綺譚」(2)


恋ぞつもりて淵となりぬる


■2巻発売しました。
 青年津軽に遊郭から身請けされた鈴は、自分を救ってくれた津軽に対し、幼いながらもほのかな恋心を抱くように。そんな折、身請け金を貸した津軽の親が鈴を訪ねてきて…。鈴と津軽の出会い篇も収録した第2巻、登場です。
 

~1巻よりも格段に恋する女の子っぽくなった鈴~
 2巻発売しました。いやー面白かったです。1巻の時はストーリーがどこか粗い印象があったのですが、2巻を読んでそのイメージは自分の中で完全に消え去りました。なんでしょうね、2巻は登場人物の核心に迫るお話が多かったからなのか、1巻の時とは物語の濃度が格段に違ったというか。
 
 収録されている4話はそれぞれ、「津軽の父親との話」「津軽の少年時代の話」「津軽の母親との話」そして「津軽との出会いの話」で構成されています。一応各話で“探し物”はしているとはいえ、最初の「さがしもの屋」の設定とか無視気味での進行には驚きましたが、どのお話も一つ一つ素敵な話で、また4話のつながりも良く非常に満足感は高かったです。しかしこれ、どのお話も結局“鈴と津軽のつながりが深まる”って所に落ち着くから、もうニヤニヤものでして。この手のシチュエーションの作品で、ここまで徹底して落としどころが一貫している話もそうそうないんじゃないかなって思います。前回レビュー時にも類似作として挙げた「これは恋のはなし」(→レビュー)に比べると、こちらはより優しく、そしてわかりやすく甘い物語に仕上ってますね。


~幼心に同じ想いを宿した二人~
 さて、2巻はどのお話も見所と言って良い内容でしたが、個人的にはやはり特別篇である二人の出会いが描かれたお話が印象的でした。「遊郭から身請けされてきた」という説明が予めあったため、その過去は決して明るいものではないことは想像できましたが、その真相はなかなかに壮絶。自分と共に遊郭に売られてきた姉が、絶望の果てに姉は他の遊女を手にかけ、果ては実の妹である鈴までも殺そうとしてくるのでした。そのことに勘づいていた鈴は結局殺されることを回避し、姉の自殺を見届けることになります。姉の気持ちは痛い程わかる。けれども自分は生きたい。相反する二つの想いを共に叶えるため、鈴が選択したあの行動。言葉では表せないほどに辛い選択だったと思います。あの場に津軽がおらず、その想いを吐き出すことができなかったら、鈴は一体どうしたのでしょう。そんな鈴の「生きたい」という想いを表した言葉がこちら…
 

だって知ってるもの
門のむこうに世界が広がってるって…


 幼い身ながら知った、「門のむこうに広がる世界」。津軽も、同じ想いを少年時代に抱いていたのでした。そのことが描かれているのは、2巻2話目に収録されている「マッチ箱の記憶」。裏山の枯れ井戸に落ちて命の危機に瀕し、なんとか助かった時…
 
 
明治緋色奇譚2-1
星空は
きっと自分の後ろへも前へも広がっているのだろう…


 命の危機が迫っていたこと、未来を亡くした人(死者)を目の前にしたこと、そしてそれでもなお眼前に広がる世界に想いを馳せたこと…。危機の大小、想いの想い軽いの差があるとはいえ、同じような体験をし同じようなことを思った二人は、きっと出会うべくして出会い過ごすべくして共に生きているのだと思います。遊郭で鈴を目の前にしたとき、津軽が何を思ったのかはわかりませんが、同じ想いを共有できる存在として認識していたのではないかな、と勝手に思っています。「門のむこうに広がる世界」の最後、鈴が残した言葉…
 

明治緋色奇譚2-2
少年津軽の見た星空は   
あたしの前にも広がっている


 は、その実めちゃくちゃ重い言葉ですよー。いやはや、なんて深い言葉なんでしょうか。あ、でも一番伝えたかったのは、このカットの鈴かわいくね?ってことなんですけど(結局そこに落ち着く)。人物背景が出揃った2巻を経て、3巻にてどのようなお話が描かれるのか、今から楽しみですね。


■購入する→Amazon

カテゴリ「BE・LOVE」コメント (2)トラックバック(0)TOP▲
コメント

桜織紅太郎と申します。
少女マンガ大好きな10代の女です。

ほしい漫画があったので色々見ていたところ、このブログを発見しました。

「オトコでも読める少女マンガ」となっていますが、
あらすじや感想などが細かく書かれているため女の私にも、とても参考になりました。

これからも参考にさせていただこうと思います。

ありがとうございました!
From: 桜織紅太郎 * 2012/03/23 18:54 * URL * [Edit] *  top↑
私も明治緋色綺譚が大好きです!!!

中学生です☆
最近買い始めたのですが、もう気になって三巻まで買っちゃいました!!

鈴が可愛いのは同感です!
鈴みたいなキャラがもう大好きです。


幼いのに、大人っぽくてでも泣き虫な鈴が大好きです。
そして天然なような・・・・鋭いような津軽も好みですねぇ・・・・・。

一人一人の性格が大好きです!


三巻では鈴の謎が、ますます強くなるばかりです。



次巻も楽しみですね・・・・・・!

では、お邪魔しました!!




From: 美桜 * 2012/06/29 22:14 * URL * [Edit] *  top↑

管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。