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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2012.03.25
1106121615.jpg日生マユ「放課後カルテ」(1)


まぁちょっと変わってるけど
私をはじめて見つけてくれた先生だよ



■子供達を救えるのは病院ではなく、学校だ。
 小学生たちの身近に潜む、名も知らぬ病気の数々。。。産休となった保健の先生の代わりにやってきたのは、口も態度もでかい謎のドクター・牧野先生。教育については不真面目、何を考えているかわからない不審さがある彼ですが、病気を見抜く目だけは特筆もの。誰もが見落としてしまう小さな病気のサインに、どこか冷めながらも向き合うようですが…!?

 日生マユ先生のBE・LOVE連載作でございます。これがデビュー単行本になるんですかね。いや、新人さんとは思えない面白い作品でした。ワンテーマを掲げて引っぱる講談社ですが、こちらで描かれるのは「小学校の保健医さん」です。主人公の牧野は、産休となった保健室の先生の代わりにやって来たドクター。必要最低限以上のことはせず、子供も嫌い。当然態度も悪く、生徒達や周りの先生たちからの評判はよくありませんが、ドクターとしての腕は確かなようです。一瞬でその人の健康上の問題を見抜き、即座に対応。元気一杯の児童に見えても、端々には何か危険なサインがあったりするもの。そんな小さなサインに気づき、何気に扱いが難しい小学生たちを、自分のペースに巻き込み治療へと持って行く牧野先生は、何気に名医なのかも…?


放課後カルテ
症状を理解できる牧野が、児童の唯一の理解者になってくれることもある。決して子供全般に無関心というわけではないのだ。


 帯や裏表紙の紹介文を見ると、編集サイドは医療モノとしてプッシュしていきたいようですが、小学校の保健医ということで、教育マンガとしての側面も色濃く出ている作品です。無気力でクールな教師というのが一つのアイコンとなっているのですが、そういえば同じような作品が最近登場していましたね。アヴァルスで連載の「VIVO!」(→レビュー)がそれ。子供嫌いでやる気がないって時点で既に面白いのですが、本作について言えば、一歩引いたところ生徒を見ることができるので、身体的な部分以外での精神的な症状についても気づきやすいという強みがあります。子供は嫌いだけど、病気を持った患者となると全く別。手のひらを返したように「先生の顔」になる瞬間は見所の一つと言えるでしょう。
 
 子供達が発症する病気は様々。「仮眠症」「過食症」「ライム病」…特徴的なのは、生活環境やストレスなどから来るものが多く描かれるということ。ただ病気を治すことであれば、病院だってできます。けれどこれはあくまで、学校の保健医さんのお話。児童との関係、家庭とのつながりまで目を届かせる余地が大きくなる分、物語としての厚みも生まれます。保健医自身はそれらの治療に携わるわけではありません(あくまで症状を検知して然るべき医療機関へ送る)。そのためオペ等を切り抜けて命を救うような劇的な感動は描かれませんが、学校という環境だからこそ子供のSOSを見出し、救われる命というものもあるわけで。主人公である牧野先生のクールな性格とは裏腹に、物語自体は優しさと温もりに包まれた、ハートフルな内容に仕上っています。
 

【男性へのガイド】
→男性主人公であること。小学生相手のハートフルな内容であることなど、割と全年齢、男女共に読みやすい作品になっているんじゃないかと思います。基本めでたしめでたしな所をどう受け取るかだと思うのですが。
【感想まとめ】
→デビュー単行本とは思えないほど、上手くまとめるし話がブレない。テーマも落としどころも割と多くの人のウケの良いものだと思うので、普通に人気出るんじゃないのかこれ。個人的にもとても読みやすく楽しめました。この作者さんは要チェックですよ!


■作者他作品レビュー

作品DATA
■著者:日生マユ
■出版社:講談社
■レーベル:KC BE・LOVE
■掲載誌:BE・LOVE
■既刊1巻
■価格:419円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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BEARBEAR
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有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
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