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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2012.05.07
1106142928.jpgイシノアヤ「三等星のスピカ」(1)


んー、いい風!!
出会いの予感がするよ。



■高校入学を目前に控えた春のある日、拓巳は砂浜で引っ越してきたばかりの哲郎と出会う。奇しくも同じ高校、同じ学年、同じクラスになった二人は、揃って野球部に入部。のっぽの天然キャッチャー拓巳×チビの頭脳派ピッチャー哲郎。どこまでも正反対の2人だが、何故かお互いが気になって…。野球少年、気になるマネージャー、カメラ少女、ひねくれ男子、優しいおばあちゃん、それと犬!海沿いの小さな町を舞台に紡ぐ、愛しき青春群像物語…

 イシノアヤ先生初の少女漫画です。イシノアヤって誰?って方は、とりあえずBL界隈で活躍されている作家さんと認識してもらえば大丈夫かと。個人的には「椿びより」をイシノアヤ先生とか全く意識せずに読んでいたって程度でしか存じ上げておらず、ほぼ初読です。本作はKissPlusにて連載されている青春群像劇をまとめたもの。1巻には14話が収録されており、1話は結構短めです。
 
 舞台となるのはとある海沿いの小さな町。主人公は腰越高校に入学する、拓巳。入学式を控えたある日、犬の散歩で出会ったのは、背の小さな男の子。犬が異常に懐いたため、印象に残っていた彼と、登校初日に再会することになります。同じクラスで部活まで同じ彼・哲郎は、ぶっきらぼうで口数少ないけど真面目ないいヤツ。キャッチャーの拓巳とバッテリーを組めるピッチャーということで、自然と拓巳は哲郎に懐くことに。そんな二人を軸に、哲郎の従姉妹や変人のカメラ小僧、男勝りなマネージャー、野球部の先輩に飼い犬も巻き込んで、眩しい青春の日々を紡いでいきます。


三等星のスピカ1−1
視点は主人公・拓巳が中心。人懐っこくマイペースな彼が、物語自体も動かしていく。キャッチャーなのに基本相手の言うことはあんまり聞かない(聞く気はあるけど)。


 新入生バッテリーを軸とした青春群像ですが、野球を目一杯するかというとそこまででもなく。所謂スポーツものとは一線を画します。ショートストーリーで女子も織り交ぜつつ、思春期の香り立つ部活風景ということで、イメージとしては「ザワさん」みたいな感じも。ただあちらが甲子園を目指せるようなガチンコの高校野球部で有るのに対し、こちらは真面目には取り組みつつも、全員が甲子園を夢見ているような感じではない、せいぜい地方大会何勝か出来れば御の字というような弱小高校。良い意味で脱力もしており、部活以外の青春要素が入りやすい状況にあります。部活でのふとした風景、少しずつ分かり出す友人の性格、変化する人間関係…雰囲気で味わい深さを出す感じも、「ザワさん」を彷彿とさせるところでしょうか。
 
 メイン二人の関係もさることながら、個人的に好きなのは無口なピッチャー・哲郎の従姉妹で、写真部所属の山根さん。


三等星のスピカ1−2
密かに哲郎に想いを寄せているものの、従姉妹という距離の近さが素直さを削ぎ落とし、ついついキツい口調で哲郎に接してしまいます。ファインダーを通して哲郎を見る姿はまさに恋する女の子。近い距離にいるのに、なかなか想いを伝えられないその不器用さが本当に素敵です。ただ恋愛パートはどちらかというと拓巳がメイン。お相手は男性に間違われまくるくらい男っぽいマネージャー。恋と言える程自覚的ではないですが、気になって目で追ってしまうその感じがなんだかとっても甘酸っぱい。
 
 何か大きな動きのある物語ではありませんが、だからこそ感情の機微が良く描かれていて、自分達の青春時代とも重ねやすい。なんてことない日常にも、素敵な青春の匂い立つ一瞬が隠れているというものです。ああ、高校時代に戻りたい…眩しさ溢れる物語に、きっとあなたもそう思うはずです。


【男性へのガイド】
→こういう感じの作品は女性の方が響くんでしょうかね。でも男性も好きな人は好きな作風だと思います。ちょっとオサレ感あって、嫌な人は嫌かもしれませんが。私は好き。
【感想まとめ】
→ゆるりと流れる青春模様。独特のペースに慣れるまでちょっと時間がかかりましたが、気がつけば物語に身を任せ、気持ち良くなってました。なんとも眩しい青春っぷりに、ちょっと高校時代が懐かしくなってしまいました。


作品DATA
■著者:イシノアヤ
■出版社:講談社
■レーベル:KC デラックス
■掲載誌:KISS Plus
■既刊1巻
■価格:590円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
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BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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