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Tag [続刊レビュー] 2012.06.14
作品紹介→立ち止まり癖のある女、ダブルワークはじめます:おかざき真里「&」1巻
2巻レビュー→ああもう、どうしてこんなに面白いんですか!:おかざき真里「&」2巻
3巻レビュー→理系男子のたどたどしい恋模様:おかざき真里「&」3巻




1106166443.jpgおかざき真里「&」(4)


美しい肩甲骨が
今 手の中にある



■4巻発売しました。
 医療事務として働きながらネイルサロンを開き、ダブルワークをはじめた薫。26歳まで恋愛経験のなかった薫だったが、勤務先の病院で働く19歳年上の医師・矢飼に強く惹かれていた。じれったい程にすれ違いを重ねて来た2人だったが、矢飼からの告白をうけ、ついに一夜を共にする。一方、失意のシロちゃんは自分に好意を寄せる大学生・育と急接近して…。めくるめく恋のはじまりと、その先にある"影”に心ざわめく第4巻!
 
 
〜ついに初体験を…〜
 ゆっくりと4巻まで重ねて来ました。矢飼とシロちゃんでもう一悶着くらいあるかと思いきや、勝負あったか。ついに矢飼が折れ、薫は彼と初体験を迎えることになります。いやーついにきちゃったかー。処女コンプレックスとまではいかないにせよ、人並みの恋愛・性体験を持たずに来た女性の初体験話とということで、先日ご紹介した「今日は会社休みます」(→レビュー)が未だ頭に残っているのですが、初体験前後の様相はまるで正反対でしたね。あちらが酔ったままで覚えていない(未遂?)+処女コンプレックスが強すぎて脱処女の方にばかり気が行っていたのに対し、こちらは相手に翻弄されるがままに、幸せを強く噛み締めての初めてとなりました。相手が年上であるという所も大きいかと思うのですが、ここまで幸せいっぱいに描くあたり、とっても少女マンガっぽい。このコマとか…
 

&4−1
いやー、少女マンガだなぁ(ほっこり)


 この新鮮さなんでしょうね!時間かけた上でセックスまで至るパターンが少なくなってきている(気がする)昨今、よく見るシーン・フレーズなのに、やけに心に残りました。しかしながら26歳ともなると、痛くないものなのか。それとも矢飼さんがお上手なのか、それともそんなこと考える余裕もなかったのか。何はともあれ、幸せな初体験です…いや、でも付き合ってないんですよね、この二人…。あれ?


〜シロちゃんの行動が痛すぎてヤバい〜
 さて、それでも付き合う付き合わないは割と幸せな悩みというか、ある段階をクリアしているからこそ到達出来る悩みなわけでして、中にはそんな悩みすらも抱くことができない人がいたりします。本作でその筆頭は、シロちゃん。不器用な草食系とはいえ、その中で大人しくもがき苦しめばいいのに、なまじっか好意を抱かれるから、それに甘えて歪みを見せつけるようになってきました。はい、どうせ叶わぬのなら、別の人に行ってしまえってやつです。
 

4-2.jpg
 本当に好きな相手=薫であれば到底できないような、気の利いた行動に言葉が次々と…。本当であれば薫相手にしたかった、スマートな行動が、どうでもいい相手出てしまう、いやむしろ、どうでもいい相手だからこそこう振る舞えるんですよね。言うなればこの優しさは、無関心ゆえの優しさであり、好きな人相手に著しく傷ついた自尊心を少しでも癒すためのオナニーのような行動です。いくらこれを繰り返した所で、先には進めないし、相手も自分も傷つけるだけ。実に不毛、歪んでる歪んでる。
 
 実は、自分も過去にこういうことがあって非常に厳しい言葉を頂いたことがありまして、もう読んでて痛くて痛くて…。いあ、ほんと良い事無いんですよ。こういうことして培ったテクニックなんて、いざ本当に好きな人の前に出れば成りを潜めるし、これが常態化すると、薄っぺらい笑顔と言葉が貼り付くようになる。シロちゃん、どこまで歪むのかしら…と思ったら、薫さん相手に育さんも攻撃的…なんてドロドロした2人なんでしょ!私、こういうカップル嫌いじゃないです。ただとりあえず応援はできないですかね(笑)


〜すんごい台詞〜
 さて、4巻もまた非常に響く言葉たちが数多く登場しました。自分の仕事についての「はじめた頃の理由からはもうずいぶん遠くに来ていて、続けている理由の方が大事だろう」や、他人同士の恋愛を俯瞰で見た「第三者が聞いたら『オエッ』ってなりそうな台詞ほど、弱った時には効くんだな」などありましたが、最も衝撃というか、「なんじゃこりゃ」となったのは間違いなくこれ
 

草原で食べられる草食動物は
気持ち良かったんじゃないかと思う


 これ、矢飼に抱かれながら薫が思った言葉。食べられる草食動物を自分に、草原はベッドに、そして食べる肉食動物を矢飼としてイメージした言葉。実際の草食動物はきっと気持ち良くなんかないんでしょうが、そう思えてしまうような体勢・シチュエーションで、さぞ薫は気持ち良かったのだな、と。そしてなお浮かぶのは、草食系男子であるシロちゃんはやっぱりここでも不遇というか。きっと彼が肉食動物に例えられることはないんだろうなぁなんて思いまして、もしその時が万が一訪れたとして、気持ち良いと感じてもらえるのだろうか。この言葉の並びを見るだけでも結構衝撃的なフレーズなのですが、それを物語の流れを鑑みた上で捉えてみると、結構決定的な台詞だったんじゃないかなぁ、と思えてきます。さてシロちゃんに挽回のチャンスはあるのか。個人的にはもっと歪んだ姿も見てみたい気がしますが、それはあまりにかわいそうか…。そして多分、5巻は矢飼の過去と現在にスポットが当てられて、シロちゃんについては触れられず…となりそうな予感がひしひし…。


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レビュー
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