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Tag [新作レビュー] 2012.06.29
1106155083.jpg和深ゆあな「だから金田は恋ができない」(1)


より弁は
イラッとするだろ…



■念願の桜ヶ丘美大に合格し、「あとは王子様を見つけるだけ!!」と有頂天のアコ。ある日アコは、ロジックをこよなく愛し、「感情論などロジカルではない」と言い放つ理事長代理・金田と出会う。「運命の出会い!?」と一目惚れしてしまうアコだったが、その正体は冷徹で変人な敏腕経営者で…!?

 ARIAで連載されている学園コメディでございます。和深ゆあな先生の作品、以前どこかで読んだことがあるなと思ったら「メリクロンの涙」(→レビュー)ですね。あちらはシリアスな雰囲気で送る作品だったので、その落差で全く気がつきませんでした。なんとなく鬼畜メガネが暴れるという雰囲気のタイトル・表紙ですが、そこはコメディ、残念なイケメンメガネのお話でございます。
 
 ヒロインは美大へ入学したばかりのアコ。これから始まる美大ライフに胸躍らせていたさなか、理事長が体調不良で交代。その交代要員としてやってきたのが、彼・金田でした。赤字となっている経営状況を打破すべく、早々に授業料の値上げを宣言。貧乏学生のアコは、どうにか美大に留まれないかと金田に相談するのですが…というお話。


だから金田は恋ができない
このハイテンションっぷり。基本変な動きをしています。


 理事長代理の金田は、以前ドラマで流行った「結婚出来ない男」をこじらせたような変人キャラ。効率的に、ロジカルに生きることを信条としており、感情論は大嫌い。結果周囲の人間の反感を買うことになるのですが、要するに効率的に行き過ぎた結果生き辛くなるという不器用な変態。物語は、そんな彼が転がすお話に…と思いきや、起点を作り出すのは意外にもヒロイン・アコ。普通は学生が理事長代理などと簡単に絡むことはできないのですが、このヒロインのアコ、意外とガッツがありズバズバと勢いよく切り込んでいくタイプの人間。変態に対してはツッコミをしっかりと配置したいところですが、性格が真逆というだけで双方共にやや残念というとっ散らかりよう。なんとも動きの激しい作品になっています。
 
 パターンとしては、何か問題が起こってアコが理事長代理を巻き込んで解決に走るというもの。金田としては良い迷惑なのではなかろうかとすら思えます。お互い出会わなければ、割と平穏に生きて来れたんだろうなぁと(笑)一応巻数付きなのですが、落としどころがどういう所になるのかはちょっと想像つきません。多分金田がアコに恋して終わりなのだろうとは思うのですが、どういう展開からなのでしょうか。しかし付き合ったとしても、ドタバタ具合は変わらなそうです。


【男性へのガイド】
→オタク系女子向けの雑誌で連載されているようなノリのコメディ。男性も読めないことはなくはないと思いますが、萌えられるかって所が。
【感想まとめ】
→ハイテンションかつ台詞多めで、読み応えは非常にあります。ただそれだけと言えばそれだけなんですが。この“後に何も残らない”感は、コメディとしてはある意味褒められるべきことなんじゃないかと。


作品DATA
■著者:和深ゆあな
■出版社:講談社
■レーベル:ARIA
■掲載誌:ARIA
■既刊1巻
■価格:562円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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