
闇に惑いし哀れな影よ…
人を傷つけ貶めて…
罪に溺るる業の魂…
いっぺん…死んでみる?
■新シリーズとなって復活です。
時は2018年。名前を書き込むと、その相手を地獄に落としてくれるというサイト「地獄通信」が流行ったあの時から、すでに10年が経過していた。「地獄通信」は閉鎖し、その噂も完全に消えたかと思われたが、最近になってまたサイトが復活したという。そんなある日、中学3年の御景ゆずきの身に不思議な出来事が起こる。入浴中に、突然黒髪の女の子が現れ抱きつかれ、自分の体の中に入り込むような感覚を覚えたのだ。ただの幻。そう考えて済ますことにしたゆずきだったが、その日以来、夢で地獄流しの瞬間が見えるようになってしまい…。
アニメでも大人気の「地獄少女」が、新シリーズとして帰ってきました。アニメの方は3期「三鼎」が放送されましたが、今作はそれに沿った形で話が進行します。舞台は2018年。いなくなっていた地獄少女・閻魔あいが、御景ゆずきを依り代として憑依し、復活します。ただ普段から意識を支配するということはなく、ゆずき視点で話が進行。最初は気のせいだと思っていたものの、夢のような形で地獄流しの様子を度々目の当たりにすることで、自分の中にいる地獄少女の存在に気づいていきます。また今回のキーパーソン・ゆずきは、地獄流しを食い止めようと奔走。それがまた今までと違った味として作品に現れています。

地獄流しをなんとか止めさせるため、ゆずきは奔走する。
まぁ相変わらず救いようのない話が展開されます。非常に後味の悪い物語ではありますが、あくまで「なかよし」での連載を貫くのですね。その心意気というか信念みたいなものには、本当に頭が下がります。アニメ「三鼎」では閻魔あいの後継としてゆずきが選ばれるのですが、おそらくこちらもそういう流れになっていくのでしょう。前作同様、アニメとは違い、話も絵柄も少女マンガ仕様ですが、物語の本質は変わっていないので、十分楽しめることができます。個人的にはアニメの方が好きですけどね。あの独特の絵柄が好きでね。
また、特装版と通常版の2種類があります。上記のイメージは通常版です。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→少女マンガらしさを出した地獄少女。わざわざこちらを読むほどのオリジナリティがあるかと言えば疑問。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→少女マンガ的にしてはありますが、「地獄少女」の本質は貫いており、話のクオリティは高いままです。なんだかんだで読んだら面白いので。
作品DATA
■著者:地獄少女プロジェクト/永遠幸
■出版社:講談社
■レーベル:KCなかよし
■掲載誌:なかよし(2008年11月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税