作品紹介→小玉ユキ「坂道のアポロン」
4巻レビュー→夏の夜に、ジャズなんていかがです? 《続刊レビュー》小玉ユキ「坂道のアポロン」4巻
5巻レビュー→とっても濃密な…《続刊レビュー》「坂道のアポロン」5巻
6巻レビュー→二つの三角関係、いつの時代も女性は逞しい:小玉ユキ「坂道のアポロン」6巻
7巻レビュー→この坂道が、ずっと続けばいいのに:小玉ユキ「坂道のアポロン」7巻
8巻レビュー→物語の大きな山場を迎えました:小玉ユキ「坂道のアポロン」8巻
小玉ユキ「坂道のアポロン」(9)
ずっとここにいるよ
■9巻発売、完結しました。
3年の文化祭直前、千太郎が事故を起こし失踪。千太郎はきっともう戻ってこない…哀しい確信のあと、薫は律子に東京への進学を告げる。それぞれが別々の道を歩み出したその先に待っていたものとは。物語はついにクライマックスを迎える…!!
〜アニメも好調、完結です。〜
アニメもつい先日完結しましたが、こちらも好評のようでしたね。タイミングを計ったようにアニメ化、そして本編完結と全てが上手く流れた本作。いやー、本当に良かったです。最終巻が最も楽しみな作品だったのですが、大きすぎる期待を裏切ることなく十二分に楽しむことができました。
〜木綿のハンカチーフ〜
8巻は卒業後がメイン。8巻終わりの時点でギクシャクしていた律子との仲は、上京直前に修復。後は東京で千太郎と再会するだけかと思いきや、なかなか事は順調には運びませんでした。月日は驚く程速く流れ、薫を取り巻く人間関係も少しずつ変化していきます。8巻までのゆっくりとした時間の流れとは異なり、9巻は時間が淡々と流れて行きます。この無常感がなんとも哀愁を誘うというか、薫の心の中をよく表しているなぁ、と。特に流れが早く感じたのが、律子との別れ以降。ここが最終巻の中でも特に印象的で…。

遠く離れた土地、東京と九州での手紙でのやりとり。変わらぬ薫の想いとは裏腹に、律子の心は離れて行く。
この心の移り変わりを見て、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」を思い出した人は私だけじゃないはず(と思いたい)。もちろん東京と地方が逆になるわけですが、時代感と良いすごくマッチするというか。加えて当人同士のやりとりではなく、最終的に本人からその言葉を聞くことなく関係が終わるあたり、落ちます落ちます。でもその落ちようがもうなんとも言えない味わいがですね(こういうストーリー大好き)。
結果最後はああなるわけですが、これもまた、ついぞ知ることのなかった「木綿のハンカチーフ」のもう一つの結末を見れた気がして、なんだか得した気分に。とはいえあの曲はあそこで終わっているからこそ良いのだとは思いますけれども。
〜出来過ぎ、けれども最高のラスト〜
ラストはもう出来過ぎというくらい出来過ぎでした。坂道を登ったところにある教会で、あの時文化祭で弾く事のできなかった「モーニン」で、千太郎と再会する。律子がついてくるおまけまでついて。これ以上のまとめ方ってありますかってくらいですとも。

「忌々しい坂道だ」に始まり、「忌々しい坂道だ」と同じ台詞で終わった本作。最後の薫の顔は、はじめとは違いしっかりと行く先を見据え、確かに一歩ずつその坂を踏みしめていました。なんとも余韻の残るラスト。しばらくいい気分になりながら、ボーッとしてしまいました(笑)
千太郎の所在は東京だとばかり思っていたので、場所は本当に意外。もっと劇的に再会するんじゃないかって思っていた人、多いと思うんですよ。とはいえ、偶然による巡り合わせではなく他人の手による助けという要素があったからこそ、最後の出来すぎた結果も納得できる部分もあるのかも。あとこういうベタな終わり方も許されそうな時代感ですよね、勝手なイメージですが。
千太郎が牧師というのはある程度予想がついたかもしれません。とりあえずジャズは心の隅に置きつつもやってないんじゃないかとか個人的には思ってました。ちなみに二人を引き合わせた「モーニン」という曲、教会にジャズソングなんて違和感とか思っていましたが、元々ゴスペルのコール&レスポンスから影響を受けている部分もあったりと、思いの外その場に相応しい曲なのかもしれませんね。背景を知ってみるとまた深く味わえる。でもやっぱり個人的にはモーニンよりも、木綿のハンカチーフなんだよなぁ(結局ここに戻る)。
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4巻レビュー→夏の夜に、ジャズなんていかがです? 《続刊レビュー》小玉ユキ「坂道のアポロン」4巻
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ずっとここにいるよ
■9巻発売、完結しました。
3年の文化祭直前、千太郎が事故を起こし失踪。千太郎はきっともう戻ってこない…哀しい確信のあと、薫は律子に東京への進学を告げる。それぞれが別々の道を歩み出したその先に待っていたものとは。物語はついにクライマックスを迎える…!!
〜アニメも好調、完結です。〜
アニメもつい先日完結しましたが、こちらも好評のようでしたね。タイミングを計ったようにアニメ化、そして本編完結と全てが上手く流れた本作。いやー、本当に良かったです。最終巻が最も楽しみな作品だったのですが、大きすぎる期待を裏切ることなく十二分に楽しむことができました。
〜木綿のハンカチーフ〜
8巻は卒業後がメイン。8巻終わりの時点でギクシャクしていた律子との仲は、上京直前に修復。後は東京で千太郎と再会するだけかと思いきや、なかなか事は順調には運びませんでした。月日は驚く程速く流れ、薫を取り巻く人間関係も少しずつ変化していきます。8巻までのゆっくりとした時間の流れとは異なり、9巻は時間が淡々と流れて行きます。この無常感がなんとも哀愁を誘うというか、薫の心の中をよく表しているなぁ、と。特に流れが早く感じたのが、律子との別れ以降。ここが最終巻の中でも特に印象的で…。

遠く離れた土地、東京と九州での手紙でのやりとり。変わらぬ薫の想いとは裏腹に、律子の心は離れて行く。
この心の移り変わりを見て、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」を思い出した人は私だけじゃないはず(と思いたい)。もちろん東京と地方が逆になるわけですが、時代感と良いすごくマッチするというか。加えて当人同士のやりとりではなく、最終的に本人からその言葉を聞くことなく関係が終わるあたり、落ちます落ちます。でもその落ちようがもうなんとも言えない味わいがですね(こういうストーリー大好き)。
結果最後はああなるわけですが、これもまた、ついぞ知ることのなかった「木綿のハンカチーフ」のもう一つの結末を見れた気がして、なんだか得した気分に。とはいえあの曲はあそこで終わっているからこそ良いのだとは思いますけれども。
〜出来過ぎ、けれども最高のラスト〜
ラストはもう出来過ぎというくらい出来過ぎでした。坂道を登ったところにある教会で、あの時文化祭で弾く事のできなかった「モーニン」で、千太郎と再会する。律子がついてくるおまけまでついて。これ以上のまとめ方ってありますかってくらいですとも。

「忌々しい坂道だ」に始まり、「忌々しい坂道だ」と同じ台詞で終わった本作。最後の薫の顔は、はじめとは違いしっかりと行く先を見据え、確かに一歩ずつその坂を踏みしめていました。なんとも余韻の残るラスト。しばらくいい気分になりながら、ボーッとしてしまいました(笑)
千太郎の所在は東京だとばかり思っていたので、場所は本当に意外。もっと劇的に再会するんじゃないかって思っていた人、多いと思うんですよ。とはいえ、偶然による巡り合わせではなく他人の手による助けという要素があったからこそ、最後の出来すぎた結果も納得できる部分もあるのかも。あとこういうベタな終わり方も許されそうな時代感ですよね、勝手なイメージですが。
千太郎が牧師というのはある程度予想がついたかもしれません。とりあえずジャズは心の隅に置きつつもやってないんじゃないかとか個人的には思ってました。ちなみに二人を引き合わせた「モーニン」という曲、教会にジャズソングなんて違和感とか思っていましたが、元々ゴスペルのコール&レスポンスから影響を受けている部分もあったりと、思いの外その場に相応しい曲なのかもしれませんね。背景を知ってみるとまた深く味わえる。でもやっぱり個人的にはモーニンよりも、木綿のハンカチーフなんだよなぁ(結局ここに戻る)。
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