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Tag [新作レビュー] 2012.07.08
1106133400.jpg畠中恵/宇野ジニア「アイスクリン強し」



時は待ってくれない
のんびりしていたら
溶けて掴めなくなってしまうよ



■築地の居留地で、孤児として育った皆川真次郎は、夢だった西洋菓子屋「風琴屋」をひらいた!チヨコレイト、アイスクリン、ゼリケーキ…夢のお菓子を次々と作り出す日々の中、元幕臣の愉快な仲間たち「若様組」や、みんなのマドンナである小泉商会のご令嬢・小泉沙羅が、毎回大騒動を運んできて…!?明治スイーツ文明開化、マンガで華やかに幕開け!!

 畠中恵先生の原作小説を、BLなどで活躍されている宇野ジニア先生がコミカライズでございます。原作付きのマンガは割とスルーしがちなんですが、宇野ジニア先生の一般向け作品ということで、どんな内容になっているのか気になって手に取ったという経緯があります。読んだ感想としては、「あ、こんな普通の作品も描けるのか(感動)」。いやですね、宇野ジニア先生の作品って「暴れん坊専務」ぐらいしか読んだ事ないのですが、それがものすごくおバカでぶっ飛んでいたので、普通の作風ですごく感動できるという(笑)あれ、なんか「アイスクリン強し」じゃなくて、「暴れん坊専務」を薦めてるみたいな物言いに…。
 
 さて、本編のご紹介です。物語の時代は明治。江戸時代が終わりを迎え、段々と西洋の文化が入ってきている頃です。主人公の皆川真次郎は、築地の居留地に孤児として育った過去があり、そこで培った西洋料理の腕を生かして西洋菓子屋を営んでいます。そんな彼といつもつるんでいるのが、成金の小泉商会のご令嬢・小泉沙羅と、かつての幕臣で今は巡査をしている、長瀬を筆頭とした若者たち。そんな彼らが織り成す、明治時代のドタバタ劇を、甘い甘いお菓子と共にお送りします。


アイスクリン強し
誰しも生き辛さは感じているものの、その中で精一杯楽しく生きている。若者達のエネルギーみたいなものを感じる事ができます。


 主人公の皆川真次郎(通称ミナ)は穏やかな性格で、トラブルや騒動とは無縁の存在。しかしこの時代には物珍しい西洋菓子屋という職業と、つるんでいる仲間達がトラブルを呼び込む体質ということもあり、いつも彼の周囲は賑やかです。所謂巻き込まれ系のドタバタホームコメディになるかと思うのですが、そのどたばたの内容はいかにもその時代ならではという時代感溢れる内容。例えば紅一点の小泉沙羅のお披露目会での一幕であったり、新聞社への殴り込みであったり。
 
 どのキャラクターもそれぞれ個性溢れていて魅力的なのですが、個人的には成金なご令嬢の小泉沙羅がお気に入りでした。気が強い女性で、密かにミナに想いを寄せているという。気丈に見せて、実は気弱な面もある彼女の心情の描き方が、他の登場人物に比べてより豊かで印象的でした。男達だけでわいわいやっていてもいいのですが、その時代の女性ならではの悩みや辛さといったスパイスが加わることで、物語に深みがプラスされる感じがですね…。


アイスクリン強し1−2
この芯の通った感じがなんとも素敵
 
 コマ割りはシンプルで、台詞もそれなりに多め、淡々と物語は進んで行きます。そのため物語の緩急や、余韻を楽しみにする人はちょっともの足りなく感じるかもしれません。ただ、それが読みやすさであるとか、この時代を生きる若者達の歩むスピードに感じられたりとかして、個人的には好印象でした。


【男性へのガイド】
→洋菓子だしBL作家さんだしと、敬遠したい要素は多いかもですが、このアッサリさは読む際にプラスに働くはずですです。
【感想まとめ】
→面白かったです。小気味よく進む物語は、読んでいて楽ですし、なにより楽しいですね。アッサリをプラスと受け取るか、マイナスを受け取るかはその人の好み次第でしょうか。


作品DATA
■著者:畠中恵/宇野ジニア
■出版社:講談社
■レーベル:KC BE・LOVE
■掲載誌:BE・LOVE
■全1巻
■価格:590円+税


■購入する→Amazon


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
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シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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