
「夢中」は「夢中」でも
この手の「夢中」は予想外というか
いやいや でもでも
■勤めていた会社をリストラされ、さらに彼氏にまでフラれた27歳・面城菊子。この歳で、彼氏なし、仕事なし、さらに夢もなし…。途方に暮れていた菊子だったが、元カレの紹介で司法書士の事務所に行くことに。資格も何にも持っちゃいない菊子だったが、もうそこにすがるしかない!やる気だけで飛び込んだその先にいたのは、イケメン司法書士・九十九渡だった…!!
27歳にして人生の再スタートを切ったヒロイン・菊子の、司法書士事務所での奮闘を描いたラブコメディです。司法書士事務所で働くわけですが、彼女自身は司法書士を目指すわけではありません。表紙や帯からいかにも「目指せ!司法書士!!」みたいなイメージをしていた自分としては少々肩すかしをくらったような印象。では何を描いているのかというと、イケメン司法書士・九十九さんとの恋愛模様。それを、事務所に持ち込まれてくる案件とともに展開していきます。

この熱血っぷりこそが筒井クオリティ。
筒井さんの作品の特徴として、登場人物、特に主人公が熱血系だということが挙げられるのですが、今作も例外ではありません。ヒロイン・菊子は司法書士を目指さないのですが、法律や案件に興味がないわけではなく、依頼に関わっていくうちに、ものすごい正義感を燃やすようになります。そしてそのまま突っ走ってしまうところを、九十九さんが冷静に対処、というのがパターン。またお互い恋愛には不器用で、二人の関係はなかなか進展しません。
結果として司法書士の男を愛でるってだけのラブコメになっているわけですが、まぁそう構えて読めばそれなりに楽しめるかもしれません。2巻以降に続けても、ただダラッとしてしまうイメージもあるので、笑いとトキメキのメリハリを持たせたまま1巻でスッパリ終わらせたのは正解だと思います。それと個人的に筒井さん作品で好きなのがあとがき。「ダメ出し。
【オトコ向け度:☆ 】
→男性的には、恋愛しつつも仕事はきっちり描いてもらいたいって想いがあるのでは。アブコメと割り切れば良いのかもしれませんが。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→それなりに面白くはあるんですが、インパクトには欠けるかなぁ、と。
作品DATA
■著者:筒井旭
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックス YOU
■掲載誌:YOU(2008年No.17~2009年No.3)
■全1巻
■価格:419円+税