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Tag [新作レビュー] 2012.07.23
1106121674.jpg草野魚「拝啓アインシュタイン」(1)


今 わからなかったあの言葉の意味が
わかりそうな兆しを感じているのは
なぜだろうか



■秀才ばかりが集う高校に、マークシートの選択運だけで奇跡の入学を果たした環。早々に勉強について行けない中、学校一の秀才・原田と出会う。人との接触を嫌い、アインシュタインを尊敬する彼と接するうちに惹かれ始める環だったが…。ごくごく普通な女の子・環と、変わり者の秀才・原田君が織り成す、凸凹ラブコメディ!

 2012年最注目新人と帯にあるように、草野魚先生にとっては初の単行本となります。しかもいきなり巻数付き!すごい!作品のタイトルは「拝啓アインシュタイン」。表紙がアインシュタインをイメージしたものとなっていますが、物語は科学者が出てきたり科学的なお話が出てくる事はありません。物語の舞台となるのは、とある進学校。そんな学校に、あろうことかマークシートの選択運だけで入学してしまった女子・環が主人公になります。早速授業について行けず困っていたところ、ひょんなことから泣きつくことになったのが、同じクラスの学校一の秀才・原田君。その傍若無人とも言える態度から、周囲の人間から距離を置かれていた原田君ですが、勉強のレクチャーを請うと意外にも丁寧に教えてくれる。話を聞くと、どうも単純に人との距離の取り方がわからないだけの、変わり者のよう。そんな彼に興味を持った環は、以後ことあるごとに原田君と過ごすようになるのですが…というお話。


拝啓アインシュタイン
原田君のキャラクターをイメージしやすいのは「となりの怪物くん」(→レビュー)のハルでしょうか。とにかく勉強が出来る秀才であるけれど、愛を知らず、他人との距離の取り方がわからない。ハルの場合それゆえにとにかく近づいてくる人を信用してしまいますが、一方こちらの原田君は、それゆえに頑なに他人を拒み「人を嫌い」と言い放つような気難しさがあります。

 人に触れられるのもダメで、唯一ちょっとした拍子に環のみが触れられるように。環は勉強ができないため、一方原田君は問題行動が多いために学校を辞める危機に立たされるのですが、環は原田君に励まされたからと勉強を頑張り、一方の原田君も「なぜ環のみ触れられるのか」を解明するために学校に残るという関係。この時点で二人の関係は盤石とも言えるのですが、如何せん原田君が人に対して向ける感情の様々を知らないため、なかなか関係は進展しません。
 
 物語は、環や原田君が巻き込まれる出来事を通して、環と原田君との関係及び原田君の感情の醸成を描いていきます。環と原田君の関係の進展も良いのですが、何より原田君がひとつひとつ感情を知って行くその様子が実に微笑ましいというか。個人的にはそこが見所だと思っています。普段は無表情に冷たい事を言ったりする原田君が、環に対して時折素直で弱々しいところを見せたりするところなど、頭ナデナデしてあげたくなるような可愛らしさなんですってば!
 
 またアインシュタインが全く関係ないかと言うとそうではなく、アインシュタインの名言を物語のシチュエーションに当て嵌めて例えるような、素敵な演出もあり。馴染み深い台詞もあったりするので、伝わりやすいです。また新人さんということもあって、最初は絵が安定しません。後半段々安定してくるので、これからも多少キャラの雰囲気は変わってくるのかも。


【男性へのガイド】
→普通の女の子視点で、変わり者の男子を見るという関係性はやはり女性こそ楽しめるものという印象が強いです。お互いにもっと主張しあうようになれば、男性も、という感じが。
【感想まとめ】
→新人さんでこれなら充分すぎるほどに面白いです。巻数つきも納得。着地点が想像しやすいので、現時点での過程をしっかり楽しめるかが鍵でしょうか。


作品DATA
■著者:草野魚
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックスクッキー
■掲載誌:クッキー
■既刊1巻
■価格:419円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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