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Tag [オススメ] [新作レビュー] 2009.03.23
sarashiasobi.jpgトビナトウヤ「さらしあそび」(1)


自己満足か優越感?
そんなの
どっちでもいいだろう?



■人一倍優しい心を持ちながらも、口から出る言葉はこの上なく厳しく、アダ名は「女帝」の孤高の生徒会長・大場恋。そんな彼女に興味を持ったのは、仕事に退屈していた一人の死神。死期迫る恋に取り憑いて、内に秘めたる優しい本音を晒す「さらしあそび」をすることに。わずかな時間ではあるが、お互い心を通わせるふたり。そして、ついに運命の時間が…と思いきや、死神がさらしあそびをしたことで、恋が死を免れてしまう。以降恋に情が移った死神は、とうに過ぎた恋の死期を全力でのばすことに決める。恋と、彼女に愛と名付けられた死神。二人の行く先には一体何が…?

 孤高のヒロイン・恋と、死神・愛の奇妙な関係を描いた、学園ラブコメディです。ヒロイン・恋は「女帝」と恐れられていましたが、さらしあそびをきっかけに周りから好かれるように。そんな恋と、生徒会の愉快な面々、そして死神・愛を交えて話を展開します。死期が過ぎた恋はいつ死んでもおかしくない状態であるにもかかわらず、ありえないぐらいお人好しで正義感が強いので、危険を顧みずに突っ走ってしまいます。そんな彼女を全力で守ろうとするのが死神の愛。最初は気まぐれで関わっただけでしたが、次第に恋にのめり込んでいきます。さらにそのふたりをフォローするのが副会長の正岡くん。


さらしあそび
どうやら噛ませ犬になりそうな正岡くん。ずっと恋を想い続け、さらに命の恩人でもあるのに…(´;ω;`)ウッ…

 
 現時点での恋と愛の関係は、恋愛云々で語る状態にはありません。まず人間と死神という属性の違いもありますが、それ以上に恋の正義感の強さや、愛の素直じゃない性格が強く出てしまっているので、非常に奇妙な関係が形成されるという状況に。そんな中恋愛でズドン!と来ているのが正岡くん。恋を想い続けているのですが、どうも噛ませ犬の匂いがプンプン。いやぁ大好きです、こういう子。さらに生徒会の面々も個性派揃いで、ストーリーの振り幅を大きくしてくれています。配置が上手いですねぇ。
 
 基本はコメディで展開。ハイテンションギャグ的なテイストを見せつつ、やや忙しげに話が進行します。そこに中盤から終盤にかけて、やけに気取ったモノローグで物語を飾り付け。このメリハリがなかなかよろしい。さらに絵柄が比較的スタイリッシュで、軽快なテンポの作風にマッチしています。ただそれが災いして時折見づらくなることはありますが…。さて今後どう展開し、どう落としていくのでしょうか、結構楽しみ。


【オトコ向け度:☆☆☆  】
→まずまず読みやすい内容だと思います。親しみやすいヒロインですしね。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→面白いと思います。ただ今後恋と愛の関係のみに集中して迫るような展開がされるのであるとしたら、ちょっとしんどそうって感じもします。今ぐらい、ちょっと脇道に逸れつつ進行してもらえればな、と。


作品DATA
■著者:トビナトウヤ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:ザ花とゆめ(平成20年3/25日号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税

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