このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2012.08.23
1106176848.jpg平尾アウリ「OとKのあいだ」


あえなくてもやっぱり
ずっと好きで



■御徒町と神田のあいだにある、秋葉原を訪れる若者たち。彼・彼女らは、かけがえのない瞬間を、他でもない秋葉原で過ごしていた。多感な十代の若者達が、点と線でつながる…。不思議な縁でつながってゆく、キラキラっと光り輝く青春オムニバスストーリー!

 スピカで連載していた、平尾アウリ先生のオムニバスストーリーでございます。スピカはこれまでWeb媒体だったのですが、それとは別に昨年の10月に紙媒体も創刊されたのです。連載陣はなかなか味のあるメンバーで、筆頭は「トーチソング・エコロジー」(→レビュー)のいくえみ綾先生でしょうか。一応“少女漫画誌”と銘打っているのですが、そこまで女性向け感マックスの作品は少ない印象。本作もそんな中のひとつで、主な舞台となるのはメイドカフェ、そして物語を彩るのは、そこで働くメイドさんであったり、お客さんであったり。秋葉原のとあるメイドカフェを接点として、そこに関わる少年少女のつながりを、瑞々しく描き出して行きます。
 
 メイドカフェを舞台にしていますが、メイドさんだけ描いているかと言えばそうではなく、実に様々な人物を描いて行きます。スタートはもちろんメイドさんなのですが、そこからメイドさんに恋する男の子や、メイドカフェの裏方バイトの男子だったり、メイドさんのお友達だったり…。基本的には高校生の多感な時期を過ごす少年少女が、物語の中心に据えられます。


OとKのあいだ
位置付けは青春オムニバス。恋愛ネタに限るわけではないですが、やっぱりその分量は多め。高校生ならではの瑞々しい恋愛模様に、秋葉原なネタや人物像が良い形でスパイスに。


 そんな彼らが抱えているのは、ちょっとした悩みや不満。もう本当に小さな、だけども彼らにとっては割と深刻な悩みなんです。例えば勉強に身が入らないとか、愛されたい願望が強すぎるとか、彼氏に言えない秘密があるとか…。1話完結の読切りタイプということで、当然の事ながら最後には救いが提示されるわけですが、それも完全なる救済というよりは、解決の糸口が見つかったり、悩みがあるべきところに落ち着いたりという程度。意外な程あっさりしているため、メイドカフェというある種色モノを用いつつも、本当にある日常を切り取っているような感覚があります。良いお話なんですけど、だからといって特筆すべきイベントとかもないしで、なかなか説明し辛いものがあるのですが、これは読んでもらわないとわからないかもです。
 
 個人的にお気に入りだったのはラスト2話、メイドカフェのメイドさんと、そんな彼女に惚れてしまった裏方バイトくんのお話でしょうか。チャラいけれど、彼なりに積極果敢にアタックするも、二次元の方がよいと見向きもされないバイト君が哀愁と笑いを誘います。こういう積極性とバカさかげんが羨ましいというか、若くてステキだな、と。
 
 平尾アウリ先生の作品は初めて手に取ったのですが、すごくキラキラした目を描かれるんですね。男の子も女の子もみなみなお人形さんみたいで、非常に印象的でした。


【男性へのガイド】
→スピカは割と男性でも読める内容になっているんじゃないかと思いますよ。本作も男性メインの話があったりですし。取っつきやすいと思います。
【感想まとめ】
→なんでか印象に残るお話が多かったのは、お話が面白かったからなのか、雰囲気が良かったからなのか。説明しがたい魅力に溢れる、不思議な温かさのある一作でした。


作品DATA
■著者:平尾アウリ
■出版社:幻冬舎
■レーベル:コミックスピカ
■掲載誌:comicスピカ
■全1巻
■価格:619円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ幻冬舎コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。