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2009.03.25
07201994.jpg立野真琴「ホス探へようこそ」(1)


でも俺は
探偵になりたいのであって
断じてホストになんか



■3巻発売しました。
 幼い頃から探偵に憧れていた小林行。とある探偵事務所の求人のチラシを見て事務所を訪れるが、迎えてくれたのは何やら派手な風貌のイケメン所長・明智。しかしその見ためとは違い、明智が熱き探偵魂を持っていることを知る。「なんて素晴らしいんだ!」思わず感動した行は、すぐにそこで働くことを決める。そして早速業務遂行…かと思ったら、通されたのはホストクラブ。なんとその探偵事務所は、ホストクラブを兼業しているホス探だったのだ!
 
 所長の明智は歌舞伎町の元ナンバーワンホスト。ホストとして天性の素質を持ちながらも、探偵という職業に強く憧れており、結果としてホストクラブと探偵事務所を経営するという形に。しかしその目立つ風貌故、尾行や張り込みはできず、事務所はなかなか軌道に乗りません。そんな明智所長をサポートするのが、イケメンホストの皆さん。それぞれ個性的な方々ですが、ホスト重視が3名で、探偵志望が1名という構成。そこに探偵志望の小林くんが入り、事務所やクラブを通して持ち込まれる事件や謎を解明していきます。


ホス探へようこそ
個性派揃いのキャラの中でも、ひときわ強い存在感を放つ明智所長。


 ホストに探偵と、どう考えても不自然な職業の組み合わせですが、このマンガで描きたいのは男性登場人物たちの掛け合いだと思われるので、この組み合わせでも大丈夫なのです。そのため本格的な推理を披露するわけではなく、あくまで物語を展開させるネタとして投入。ホストはまぁ、華やかさ重視ってことなんでしょうかね?物語を、外部の案件によって展開させるってのは、一つやり方としては上手いですよね。ホス探メンバーをメインに描きつつも、ディープになりすぎず、ある程度の距離を保って続けられるので。


【オトコ向け度:☆    】
→探偵ってのは男にとって一つの憧れの職業ではあるのですが、この作品に関してはそこまで深く描かれていません。また登場人物も圧倒的に女性向けに作られています。
【私的お薦め度:☆☆   】
→これといって売りがあるわけではありません。要素なりに上手くまとめてあるとは思いますが、その分厚みに欠けるところがあるのかな、と。ただ所長と時雨くんは好きです。


作品DATA
■著者:立野真琴
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成19年12月号~連載中)
■既刊3巻

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