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Tag [続刊レビュー] 2012.09.02
作品紹介→主人公が赤木キャプテンみたいな少女マンガが登場:アルコ/河原和音「俺物語!!」1巻



1106185480.jpgアルコ×河原和音「俺物語!!」(2)


大和
明日も会おう
なんでもない話を日が暮れるまでしよう



■2巻発売しました。
 霊長類最強の呼び声高い高校1年生・猛男は、生まれてはじめて出来た彼女・大和とラブラブな毎日を満喫中。そんなある日、大和が友達から合コン開催を頼まれる。猛男も男友達を集めて合コンに参戦することに!もちろんイケメンの砂川も参加!ところが合コン会場で絶体絶命の大ピンチに…!そんな時、猛男の底力が大爆発…!
 
 
〜2巻も相変わらずのインパクト〜
 2巻発売しました。1巻のインパクトが未だ引かない中の2巻登場。こちらもすごかったです。今年一番のインパクト作品に間違いないでしょうこれは。2巻の何がすごいって、まずこの表紙ですよ。本当に少女漫画か?ってレベル(笑)その存在感、圧倒的。これは一目見たら忘れられないでしょう。さて、そんな本作、本編の方も終始インパクト溢れる濃密な内容となっておりました。とりあえず型破りすぎてすごい。それではちょっとハイライトをどうぞ…


俺物語2−1
※注:少女マンガです


 少女マンガで西武警察ばりのこの爆発シーン(例えが古い)。そして生への有り余る咆哮。少年漫画でもあまりみないんじゃないかって光景です。ちなみにこういったシーンは、割と毎回登場するという、この贅沢感。でも所謂インパクト先行ですぐ飽きがくるというようなお話でもなくて、しっかり毎回まとまっているという。いやすごい作品だ。


〜どうしたって猛男がイイ男すぎる〜
 さて、本作を読んでいて何を一番強く思うかというと、猛男がとにかくカッコイイというところ。もう本当に男前すぎて…。とにかく一直線に相手のことを想い、常に全力でできることをする。周りの目なんて一切気にしない。とにかく自分というものを持っていて、それが実に男らしい。柔道の試合で彼女がいることで弱くなったのではなどと挑発されても、この返し


俺物語2−2
彼女はいいぞ(太字)


 なんてカッコイイ…。普通の男だったら、その言葉に悩んでしまうかもしれないし、逆に「そんなことない!」と怒ったりするパターンの方が多いような気が。猛男はそのどちらもとらず、「彼女はいいぞ」と諭す。実に男らしいです。猛男、熱い男ではあるのですが、非常に広い器の持ち主で、全くと言っていい程怒ることがありません。彼の感情のギアが入るのは、基本的にポジティブな方向。悲しみや怒りという方向にはなかなか働かないのです。批判的な言葉も、大きな態度で包み込んでしまう。大和の友達に「ゴリラ」だとか陰口を言われても、全く気にせずにむしろ大和を気遣うその姿に、惚れないはずがないでしょう。こんな人が実際にいたら、ほんと心の底から憧れると思います。正直ここ最近では、好きな少女漫画のヒーローのトップに入ってくる勢い。「好きっていいなよ。」(→レビュー)の大和と自分の中では良い勝負です(笑)どっも器が大きいんだ、とにかく。見習いたいものですね。


〜それでもやっぱり少女マンガ〜
 さて、そんな男前っぷりばかりを紹介してしまいましたが、あくまで本作は少女マンガ。こんな色モノ主人公ですが、しっかりと少女マンガしちゃってます…


俺物語2−3
 こういうやりとりを見ていると、やっぱり少女マンガだなぁって思うんですよね。むしろ王道中の王道とも言えるやりとり。インパクト溢れる物語ですが、幸せの源泉はむしろ誰もが持っているありふれた感情。猛男はそんな日常のありふれた感覚を、心の底から噛み締めて感謝しているんですよね。作中で、何度も何度も何度も、「ありがとう」「幸せだ」と。普通の少女漫画でなくさせているのは他でもない、猛男ですが、同時に本作をしっかりと少女マンガたらしめているのもまた、彼の性格があるがゆえだと思います。砂川君、大和さん、二人ともとっても素敵ですが、やっぱりこの作品は最初から最後まで猛男。そういう意味でもまさに、「俺物語」なわけで。ストレートだけれど、本当に絶妙なタイトルです。


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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