このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] [オススメ] 2012.09.23
1106197071.jpg紅玉いづき/HERO「青春離婚」


11月22日
いい夫婦の日に
わたし達は
離婚をする。



■高校生活最初の春、まったくの赤の他人だった“佐古野”郁美と、“佐古野”灯馬。同じ苗字で同じクラス、それだけの偶然だったはずだが、気づけばクラス中から「夫婦」と呼ばれるようになり…。それは、夫婦という関係性に恋をしたふたりの、二年と少しの、青春の日々…。

 以前月次の雑記でもご紹介したことのある、「青春離婚」が単行本化されました。原作は人気ライトノベル作家の紅玉いづきさん、そしてコミカライズ担当はこれまた人気Web漫画家のHEROさん。そんな二人がタッグを組んで、送り出したのが本作になります。
 
 物語は、とあるクラスメイト二人の青春の日々を綴ったもの。ヒロインの佐古野郁美は、人見知りで俯きがちな女の子。そんな彼女は、全く同じ苗字の男の子、佐古野灯馬と同じクラスになります。親戚でもなんでもない、全くの偶然。けれども物珍しい苗字が一緒ということから、いつしか二人はセットで“夫婦”と呼ばれるように。苗字が同じということは、席も近いし、日直も一緒。そのたびに“夫婦”と呼ばれ、嫌がっていた郁美さんですが、灯馬さんはなんとも上手に彼らをあしらいます。「下手に抵抗すると逆効果」と、“夫婦”を受け入れることにした二人。そんなある日、郁美さんは灯馬さんにある頼み事をされるのですが…というお話。


青春離婚
 まず特徴的なのは、そのコマ構成。均等に区切られた4コマが1ページセットになっていて、それが延々続きます。これをWebの方で読むと、このコマがずーっと続く感じで、紅玉いづきさん曰く「画像を全体表示すると、まるでポッキー」という。読む際はどんどんと下にスクロールしていくのですが、まだサイトの方で読めますので、気になる方は是非読んでみてください。また、掲載時そのままに、全編カラーとなっています。大人しい二人の、静かな関係を描くので、カラーを感じさせない地味さがあるのですが(笑)青春の日々なんだから、白黒よりもカラーの方がいいですよね。
 
 さて、物語は、灯馬さんのスマホアプリ制作をヒロインの郁美さんが手伝うことで、関係が育まれるというもの。スマホアプリだなんて、なんだかとても現代的。郁美さん自身はスマホアプリのことはあまりわからないので、そんなものを作れる彼を「すごい」と思い、アップデートされるアプリを楽しみ、そしてこの二人だけの秘密と“夫婦”という関係に自分の居場所を見出して行くという、そんな物語視点で物語は描かれていきます。“夫婦”という表向きの盾があることで、はじめて男の子を名前で呼んだり、はじめて男の子と一緒に帰ったり、はじめて男の子とメールをしたり…青春時代ならではのイベントを、夫婦という名目で経験していく、そんなちょっと変わった関係が、愛おしくてもどかしい。



青春離婚2
 シンプルなかき込みなのですが、そのシンプルさ故に表情が浮き立ちやすいのか、最初は全く人と離せず、表情も歪みがちだった郁美さんが、だんだんと笑顔を増やしていく様子がありありと見てとれます。だんだんと豊かになっていく彼女の表情を見る度、ニヤニヤが増えるというか。

 個人的なハイライトはバレンタインデーですかねぇ。灯馬さんのキモチの伝え方はいつも通りで、けどすごく勇気が要っただろうなぁとか、照れつつ渡す郁美さんがすごくかわいいなぁ、とか。すごい幸せな気分になりましたとも。

 実に2年半という高校生活の殆どをこの1冊に収めているのですが、詰め込み感は全くありません。話の切れ目がわかりづらいので、むしろそんなに時間が流れてたのか、と感じるくらい。また原作付きで、あの紅玉いづきさんということで、話の節々で挟まれる言葉が本当に綺麗で心に残ります。二人の“夫婦”という関係に変化をもたらす障壁も、その後の展開も実に美しく、本当に黄金タッグだなぁと思わされました。ばっちり感動できましたよ!これだけと言わず、違う作品も見てみたいですね。本作、もちろんオススメです。


【男性へのガイド】
→元々レーベルとして、女性向けかよくわからんところがあるので、それを論じるのは。普通に男性でも楽しめるかと思います。是非ご一読を。
【感想まとめ】
→よかったです。感動しました。両作者さんの作品は読んだことがあったのですが、合わさるとこうなるんですね、と驚きと喜びが。オススメです。


作品DATA
■著者:紅玉いづき/HERO
■出版社:星海社
■レーベル:星海社COMICS
■掲載誌:星海社ウェブサイト「最前線」
■全1巻
■価格:933円+税


■購入する→Amazon
カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。