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Tag [続刊レビュー] 2012.11.02
作品紹介→こんな私が幸せを願ってはいけませんか?:天堂きりん「きみが心に棲みついた」1巻
作者他作品紹介→雨の日も晴れの日も私達は歩き続ける:天堂きりん「そして、晴れになる」1巻
家族の危うさ、難しさ、素晴らしさ:天堂きりん「手のひらサイズ」



1106205914.jpg天堂きりん「きみが心に棲みついた」(2)


きっと答え
みつけます



■2巻発売しました。
 小川今日子、通称「キョドコ」。好きな人ができました。厳しくて誠実な人でした。だから、過去の呪縛は断ち切ろう、頑張ろうって決めたんです…けれど……。こんな私が愛を知りたいって、思ってはいけませんか……
 

〜2巻発売しております〜
 2巻発売です。先日レビューした「そして、晴れになる」と、もう1冊「キミに恋シナイ」と同時発売ということで、天堂きりん先生の新作ラッシュ。どの作品も楽しみでしたが、個人的に特に楽しみにしていたのが本作です。以前ananに少しコメントを書かせて頂いた際も本作をプッシュしたのですが、とにかく痛々しいヒロインからどうしたって目が離せないんです。今回もなんていうか、とにかく危なっかしいんですよ、キョドコが。すごくイライラするんですけど、でも「全然意味がわからない」って所からくるイライラじゃなくて、「なんとなくわかってしまう」からこそ余計に見るのが辛い…みたいな所があります。


〜前向きからのズドンがすごい〜
 前回はトラウマとなった要因と、今なお立ち直れない痛々しい様子が描かれ、同時にほんの少しの改善の兆しと、それが捻れてストーカーチックな行動へと発展していく事態に相成りました。そこまででの予感としては、紆余曲折ありながらも、巻を重ねるごとに良い方向へと進んで行くのではないかなぁなんて思っていたら、甘い、甘いですとも。
 
 今回も吉崎さんとの恋に前向きになり、仕事でもへこたれずに頑張っていくキョドコ。過去の自分との決別という大きな目標の中、恋は別として、少なくとも仕事は順調に回り始めていました。手応えを感じるキョドコ。これを続けていれば、少しでも自信がつけられたはずなのですが、そんなのは星名の一言によって簡単に覆されてしまうわけで…。仕事でつけた自信は…
 
 
キミが心に棲みついた2−1
代わりの人間なんて
腐るほどいるからなぁ



でポッキリ。さらに追い打ちをかけるように、


きみが心に棲みついた2−2
これ見よがしに飯田さんといい感じに…


 別に手法としては安いやり方だと思うんですよ。けれどもキョドコはそれにホイホイ引っ掛かってしまうし、星名もそれをわかってて仕掛ける。悪い意味でぴったりの関係なんですよね。キョドコは明らかにコントロールされることを願っているし、星名は星名でキョドコというコントロールできる存在を求めている。端的に言ってしまえば「共依存」なのですが、これが余りに不健全だからタチが悪い。


〜痛いなら、受け入れてくれる所で痛い方が良い〜
 不健全だと自分でも自覚していて、けれども抜け出せないというこの感情はわからないでもないんですよね。成功体験がない彼女にとっては、人間関係でも仕事でも、新しい挑戦は常に痛みを伴うものと言えるかもしれません。新しい挑戦のその先に何か良いものが待っている予感はしても、失敗なしに進むことはできないしとっても勇気の要ることです。それに当たり前ですが、失敗すれば痛みは伴う。ただただ痛いのであれば、せめて自分を必要としてくれている人の元で痛くありたいってことなんじゃなかろうか。ましてや歪んだ形であれ、一度は自分を受け入れてくれた(=ささやかな成功体験)人ですから、そこからの脱却は簡単なものではありません。
 
 こうして振り返ってみると、描かれている背景は本当にシンプルなものなんですよね。ただ彼女の人格を形成しているものが余りにタチが悪く、そしてそこから抜け出す過程が、あまりにも痛みを伴い過ぎているという。作者さんの巻末コメントを見ると、やはりこの過程は必須であったようで。なかなか痛みのある展開ではありますが、この作品にはやっぱりそういうものを求めていますし、辛いけれど必要なんだと思います。さて、3巻はもう少し先に希望の持てる形に展開していくことを期待したいところですが、果たして…。


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2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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レビュー
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シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
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BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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