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Tag [新作レビュー] 2012.11.26
1106192524.jpgヤマシタトモコ「裸で外には出られない」


自分がふざけたボトムスしか持っていないことに気づきまして…


■「オタクがばれない格好がしたい…」ふとそんなことを学生時代に思ったことが、ヤマシタトモコのファッションの歴史の始まりだった…。そんな決意をして幾星霜。自らのコンプレックスと闘い、煩悩に敗北し、欲望に戸惑い、憧れを胸に抱く…。いまだにファッションとかわからない!けれども裸じゃ外にゃ出られない。ヤマシタトモコがあなたに問いかける、オシャレ問答!

 ヤマシタトモコ先生のcocohana連載作でございます。どんなお話かと思いきや、なんとファッションに関連するエッセイ作。なんとなくヤマシタ作品のイメージから、勝手に「さぞオシャレなのだろう」などと思いきや、なんてことはない、出発地点は「オタクばれしないこと」であり、描かれているのは常々オタク女子達が抱えるファッションの悩み。それらを持ち前のコミカルさで描き上げ、取り留めのないファッション談義を繰り広げるのでした。


裸で外には出られない
ヤマシタ先生の自画像(右)。この切れた感じの目、既存キャラでいたような気がするんですよね。なんだったかなぁ、名前が出てこない…。


 ファッションという波の中溺れる姿が描かれているわけですが、たぶんヤマシタトモコ先生はオサレだと思うんですよ。そしてファッション知識も当然ある。そもそも腐女子の女性って、勝手ですが、割と小綺麗な格好というか、男性のオタク群と違ってちゃんとした身なりをしているイメージがあるんですよね。それでもファッションに興味を持ちはじめた出発点が「オタクバレ防止」というのは逃れられない事実であり、それを未だに引きずっている感が。全体を通して伝わってくるのは、自らを「こう表現したい!」という強い思いではなく、「せめてきちんとした格好をしたい」とか「自分に合う格好ってなんなんじゃ!」てな消極的な姿勢。これ、私も自分の服装についてはその感があるので、非常に共感できました。とはいえ女性のオシャレは、男性とは比べ物にならないほど大変なのだろうなぁ、と。
 
 本作で一番印象に残っているシーンは、なんでしょう、ヤマシタ先生のサルエルパンツ率でしょうか。なかなか周囲に履いている人がいないのですが、履く人は履くのですね。基本的にとりとめのない話を繰り広げているので、敢えてこのエピソードを!というものはないのですが、気どらず飾らずで描かれているので非常に読むのが楽。専門的なファッション用語は登場せず、手術入院時はふんどしが良いとか、太いベルトを巻くとOLっぽくなるとか、そういう一般的な被服に関するお話が多いので、かなり親しみやすいかと思われます。


裸で外には出られない1−2
ブラジャーに関するお話もなかなか興味深いものがありました。特に世の中の4割くらいの大人の女性が…という行動様式の妄想が特に。妄想というか、たぶん実体験なんじゃないか。


 また表題作の他、普通の読切り作品が3編収録されております。こちら、ブラックさと隠微さが軽妙にミックスされた高め安定のヤマシタ作品。個人的には美青年がお気に入りでした。ただただ黒いっていうね。こういう性格の悪いお話は結構好きなのですよ。

 読切り含め全体的にまとまりのない単行本ですが、かといって内容が薄いわけではなく、このジャンクっぷりを楽しめればそれで良いのかな、と。ヤマシタトモコ先生のファンはもちろん、軽めのエッセイ作品がお好きな方にもオススメできる一作です。


【男性へのガイド】
→女性ファッションものかと言われるとそうではないので、敷居は低く男性でも行けそうです。こういう人の生態を知ることが出来るという意味でも、読んでみる価値はあるかと。
【感想まとめ】
→非常に気楽に読めて、楽しむことができました。オタクとその服装というのは、永遠のテーマなのだなぁ、と。


■作者他作品紹介
*新作レビュー* ヤマシタトモコ「Love,Hate,Love.」
ヤマシタトモコ「恋の話がしたい」
女はみな、かわいげな獣:ヤマシタトモコ「HER」
処女女子高生と裸族を同居させると…:ヤマシタトモコ「ドントクライ、ガール」
ヤマシタ先生新作!ミラーボールが引き起す奇跡:ヤマシタトモコ「ミラーボール・フラッシング・マジック」
少女の正体は魔性か、凡庸か。:ヤマシタトモコ「ひばりの朝」1巻



作品DATA
■著者:ヤマシタトモコ
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックスcocohana
■掲載誌:cocohana
■全1巻
■価格:648円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
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シリウスと繭
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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