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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2012.12.02
1106218113.jpgいくえみ綾「あなたのことはそれほど」(1)


私は
いつかきっと
罰が当たる



■占い師は、中学生の美都にこう言った「二番目に好きな人と結婚するのがいい」
 医療事務として働く美都は、飲み会の帰り道に想って想って想い続けた初恋の人・有島に再会、男女の仲に。念願叶った美都だったが、彼は既婚者で、美都にもすでに優しい夫がいて…。美都と夫、有島と妻。四者四様の視線と思惑が交錯する…。
 
 いくえみ綾先生のフィール連載作でございます。いくえみ先生って一体いくつ連載持ってるんだろう…。「プリンシパル」(→レビュー)や「トーチソング・エコロジー」(→レビュー)とか連載中のような気がするのですが。祥伝社での刊行は「カズン」以来っぽいです…と思ったら、「そろえてちょうだい?」(→レビュー)なんてのがありましたね。
 
 本作ですが、フィールらしく社会人の男女たちがメインを構成するお話。ただし一筋縄ではいかないのが、いくえみ綾作品ゆえという所でしょうか。描き出すのは、男女4人の底なしのW不倫のお話でございます。ヒロインは医療事務で働く既婚者の美都。ある日ファーストフード店で偶然、中学時代に想い続けた男性・有島に再会します。そして飲み屋へと流れ、最終的には男女の仲に。以来度々逢瀬を重ねるようになるのですが、二人にはとある事情が。それは、お互いに既婚者であるということ…というお話。


あなたのことはそれほど1−1
「二番目に好きな人と結婚すると良い」と、かつて占い師に言われたことを実行してしまったヒロイン。その占い師の予言は、果たして当たるのか…。


 四者四様ということで、物語はそれぞれのパートナー含めて4人で展開されます。1話ごとにそれぞれの視点で描かれ、それぞれの物語が。不倫ということで明るい要素は皆無です。いくえみ作品にありがちな、過去の出来事とこれまで重ねて来た時間というものがそれぞれの人物の特徴を描き出すベースとなっており、時間軸はちょいちょい飛びがち。
 
 どのキャラも淡々としていながら、お腹の中には黒いものを持っているという面白さがあります。お互いに、違和感は感じつつも大きな動きを起こすことがないという、この煮え切らなさがよけいに気持ち悪さを残して、読み終わった後になんとも言えない気持ちに。特に不倫している二人ではなく、それぞれのパートナーが黒髪の地味系キャラで、いかにもえぐいことしてきそうという予感が。特にヒロインの旦那さんは、既に妻の離婚を勘づきはじめており、これから爆弾落としてきそうな感じ。泥沼といいつつ、案外泥沼化するのは、ヒロインサイドの関係だけかもしれません。


あなたのことはそれほど1−2
携帯を盗み見る旦那さんの絵。この絵面といい、何とも言えない感じが。


 いくえみ綾先生といえばいくえみ男子ですが、それっぽさを持っているのは不倫相手の有島のみ。旦那さんはそれほど、という感じです。典型的ないくえみ男子は、物語に面白さを与える大きな要素となるのですが、個人的にはあまり得意でなく。今回もいかにもモテそうないくえみ男子ですが、こういうキャラは結果的に得する美味しい役になるんじゃなかろうか、と。苦しみは、既に幼少期に経験している…という流れで。


【男性へのガイド】
→単純にエンタテインメントとして見るのであれば面白いと思うのですが、多少なりとも結婚に幻想を抱いていた自分としては、こういうの読むと多少参ったりもします(笑)そういう方はちょっと控えた方がよいのか、、、ってそれは男女関係ないか。
【感想まとめ】
→ またしても読むのにエネルギーを使いそうな作品が登場して参りましたが、さすが一度読み始めると俄然面白く、本作もオススメせざるを得ないところ。決して明るい内容のお話ではないですが、読み応えはありますので、興味のある方は是非とも手に取ってみては。


作品DATA
■著者:いくえみ綾
■出版社:祥伝社
■レーベル:フィールコミックス
■掲載誌:フィールヤング
■既刊1巻
■価格:933円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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