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「ハルコイ」/
「クーベルチュール」
末次由紀「ちはやふる」(19)
ここには
かるたを好きな人しかいない■19巻発売しました。
秋。名人・クイーン戦予選をまえにしたこの季節。吉野会大会はついに準々決勝を迎え、千早、太一を含め白波会からは4人が残った。迎え撃つは、福井から参戦の新や北央・須藤ら4人。耳がよく、独特な配置で戦う元クイーン・猪熊と当たった千早は、固い相手の自刃に攻め込むことができるのか?より高みを目指す選手たちの意地が、意外な展開を生む。勝者は一人。かつてない局面での対戦に二人は!?
〜白熱する吉野大会〜 19巻発売です。気がつけば20巻も目の前ですが、未だに「このマンガがすごい!」にもランクインを続けていますし、勢いは一向に衰えません。すごい作品です。
さて、本編では吉野会大会の真っ最中。太一と千早だけでなく、新まで参戦してと、なかなか豪華な顔ぶれです。皆しっかりと勝ち上がり、いよいよ主要キャラ同士での戦いが始まろうとしているのですが、その前に千早は今大会初登場の新キャラさんと対戦です。そう、前回ご紹介した元クイーン。
〜特徴のある元クイーン〜 高いセンスで相手を撃破してきた元クイーン・猪熊さんは、その高い“感じ”の能力だけでなく、戦い方も独特のようです。普通は取った札があれば、それを外に寄せて隙間をなくして行くのですが、彼女は最初に配置した定位置を崩さずに戦うタイプ。非常に戦いにくい手法のようです。また彼女はもう一つ特徴が。それが、
西の読み手に強い なんとなくあるのかな、とは思っていたものの、こうもはっきり書かれる程に差が出るものなのか。野球で言うと、左ピッチャーと右ピッチャーみたいなもんですかね。どこまでも奥が深い競技かるたの世界。まだまだ知らない勝負要素がたくさん出てくるのでしょう。
この猪熊さん、今回はブランク明けかつメガネということもあり、元クイーンとしての意地は見せたものの僅差で千早に敗戦。恐らく今後のクイーン戦予選で完全復活し、にぎわせてくれることでしょう。
〜ついに開眼〜 さて、ここの所負けなしで来ていた太一ですが、今回もその勢いはそのまま。北央の須藤すらも撃破し、次なる対戦相手は新を破った村尾さん。そしてここでも、当たり前のように互角以上の戦いを見せます。いつも通り、冷静に考えて考えて考えて、そして時に思い切って攻め込むかるた。そしてその戦いの中で、目指すべき一つ彼のかるたの「型」が見えてきます。それが、
守りがるた いままで白波会でも、とにかく攻めて攻めて攻めて…という典型的な攻めのかるたを教えられてきた彼ですが、彼が本来伸びる道は、守りがるただったのかもしれない、ということでした。これは太一自身が考えて試してきたスタイル。このスタイルの特徴にいち早く気づいたのは、他でもない彼に一目置いている富士崎高校の巨乳顧問・桜沢先生でした。
あれは…江室くんの特徴!? いやいや、それ見て江室くんってわかりますけど、その絵出されちゃうと「江室くんの特徴=おっぱい星人」って所しか思い出せないですから。てか桜沢先生の江室くんイメージってやっぱりこれなんですか。エロムこと江室くん、可哀想すぎる。
さて江室くんのかるたスタイルとはどんなものだったでしょうか。おっぱい揉ませてもらえると妄想する姿しか浮かばない人がいるかと思いますが、彼こそが典型的な守りかるたを貫いている人物でした。かるたの全国大会に、富士崎と当たった際、太一が彼と対戦しています。
「体を真ん中まで出して、そこから判断して出している」これが太一が彼と当たった時のイメージ。これを練習し試した今では
「身体全体で踏み込んで、腕だけ急反転する戻り手」と表現しており、実際に自分の中で消化できるような言葉へと変わっています。前回対戦した際は、運命戦までもつれこんだ末に勝利していますが、勝った相手のスタイルを踏襲するような形で来るとは予想もしていませんでした。これによって自分の色を出すことに成功した太一。これでやっと、新や千早と肩を並べることができたような印象です。うん、いい流れ。
〜千早との対戦〜 そして迎えるは決勝。そう、千早との対戦です。普段の練習だけであれば、千早の方に分があるようですが、千早のケガ明け以降は太一が千早に差し迫る勢い。そしてなんと言っても、太一は全国大会でも合宿でも、そしてこの大会でも一度たりとも負けていないのです。勢いは俄然太一にあり。そして太一の「公式戦でお前に勝つ」という宣言。札の配置は、千早のことだけを考えて組まれたもの。全力で勝ちに来ています。
さぁ、舞台は整いました。公式戦での対戦は、これが初めて。太一にはぜひ千早に土をつけてもらいたい所。対戦の結果は如何に。太一ファンとしては必見の20巻、来年の3月に発売だそうです。ああ、待ち遠しい!!
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