このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2012.12.17
1巻レビュー→“少女”だった全ての人へ贈る物語:タカハシマコ/桜庭一樹「荒野の恋」1巻
2巻レビュー→多感な少女の戸惑いと成長:タカハシマコ/桜庭一樹「荒野の恋」2巻
関連作品紹介→なぜこの作品をオススメしてなかったのか…:タカハシマコ/桜庭一樹「青年のための読書クラブ」2巻



1106205909.jpgタカハシマコ×桜庭一樹「荒野の恋」(3)


だって女だもん


■3巻発売、完結しました。
 遠くアメリカへ留学してしまった悠也。一方、日本で悠也を待つ荒野は、13歳の秋を迎えようとしていた。いつまでも少女のままでいたいと願う荒野の思いとはうらはらに、大人へと変わっていくクラスメート達。そして留学した悠也の環境にも変化が…。少しずつ終わりに向かって行く“少女の世界”大人と子供のはざまで揺れる少女の淡く煌めく物語…
 

〜完結しました〜
 3巻で完結となりました。今回の表紙も淡い色合いでステキですね。物語は、悠也がアメリカへ行く所から。恋をしっかりと自覚する前段階。初めての恋、戸惑うのも仕方がありません。そんな彼女に、しっかりと「恋」として自覚させたのは、他でもない奈々子さんでした。

 しっかりと自覚してから、恋は荒野を走らせます。苦手だった男性に触れるという行為も、この時だけは問題ありませんでした。そして…
 

荒野の恋3−1
たどたどしいキスを…


 うーん、タカハシマコ先生の絵はこれだけでおいしいお酒が呑める感じですよ、もう。これだけで絵になる感じ。やっぱりこのシーンは本作の中でも特徴的なシーンだったようで、表紙にも描かれていますね。


〜会えない時間が少女を育てる〜
 会えない時間が愛を育てると言ったのは誰だったか、3巻ではその大半を、悠也と会えない時間を過ごすことになります。通信手段は手紙だけ。留学先から来る手紙を、日々の楽しみにしていました。
 
 そんな彼女に訪れるのは、少女から大人へと変わっていくイベントの数々。にきびが出来ることからはじまったそれは、段々と周りでは恋の匂いがしてきて、ついに自分にも想いを寄せてくれる男子が登場。女の子は段々とオシャレをしたり、恋をしたりと、大人の階段を上りはじめます。そんな周囲の変化に、どうしても後ろ向きな想いを抱えていましたが、義母の出産をきっかけにその想いは前向きに。そして、家への電話に悠也が出たことで一気にその想いは確たるものへと変わっていきます。会えない時間に育っていたのは、愛ではなく、少女だったよ。なんて…。


荒野の恋3−2
 そんな変化を遂げた荒野ですが、一方で悠也もまた成長を遂げていました。変わったことは表情を見れば一目瞭然。こんな素直な笑顔を見せることは、それまではありませんでした。悠也は荒野の成長に驚いたことでしょうが、一方で荒野もまた、悠也の成長に驚いたことでしょう。


〜低年齢向けとしてはやっぱり異色なんじゃないか〜
 マンガは3巻にて完結しましたが、どうやら原作の最後までは行っていないようです。当初からこのタイミングでの完結が予定されていたのかわかりませんが、最後ちょっとかけ足になっちゃっていたような。掲載誌がなかよしということもあり、色々と事情があったのかもしれません。
 
 そもそもここまでの内容からしても、なかよしに掲載していることが驚きと言いますか、やっぱり低年齢向けのそれとはちょっと趣が異なりますよね。明確に“性”を意識させる内容であったり、両親のセックスに勘づいたり。あと、義母が妊娠している時に「女にもどりたい」なんて連呼するシーンは、結構印象に残るというか、メインの読者層が読んだらどんな感想を抱くのだろうか、とちょっと気になりました。ネットに出てくる感想は、ターゲット層から完全に外れた私のような読者のものや、ちょっと年齢が上の方たちのものだったりするので、ヒロインと同程度の年齢の読者達の声って、なかなか目にする機会がないんですよね。ともあれ私は本作に非常に満足。原作分を最後まで終えていないということで、小説の方もちょっと読んでみたい気持ちになりました。


■購入する→Amazon

カテゴリ「なかよし」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。