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Tag [続刊レビュー] 2013.01.08
1巻レビュー→ここは男が絶滅してから2000年後の世界:阿仁谷ユイジ「テンペスト」1巻
2巻レビュー→人類の命運よりも守りたいものが生む歪み:阿仁谷ユイジ「テンペスト」2巻



1106217807.jpg阿仁谷ユイジ「テンペスト」(3)


空洞が痛い


■3巻発売しました。
 〈女〉に〈男〉は必要なのか…。〈男性消滅〉により〈女〉だけになった地球は、原因不明のサキュバス現象により、今度は〈女性消滅〉に襲われる。サキュバス予備軍として地下に隔離された皇は、自らの健康体を証明すべく原因をつきとめようとする。一方中央では〈K-10Rα〉内のカヤシマの体内で2000年ぶりに「卵子と静止の受精」が試みられる。皇と、世界にただ一人の〈男〉姫が選ぶ生命への道は…!?
 

〜3巻発売ですが〜
 3巻発売しております。3巻発売して少し経つのですが、あんまり他のブログで感想見たりしないんですよね。というのも納得で、あんまり本編は進んでいません。描かれたのは、現在進行形での精子受精実験の状況と、姫と皇の過去。どちらも本編を大きく動き出させるための布石というか、前段階という感じで、4巻で見せ場が来るのであろうことが予想できます。


〜受胎せず〜
 SFってどれだけネタバラししてよいものかよくわからないのですが、物語で一番の動きと言えば、冷凍精子を使っての体内受精実験の結果があまり芳しくないということでしょうか。
 
 
テンペスト3−2
 受精する所まではいくのだけれども、その後の経過が思わしくなく、最後まで子供を体内に保つことができないようです。体外受精が全く一歩も進まなかったことを考えると大きな進歩ではありますが。
 
 この時の手法は、冷凍保存された精子を、卵子同士を受精させる機械を改造したものを用いて受精させるというもので、そこには受胎が上手くいかない様々な原因を落とし込むことが可能になります。例えば冷凍保存された精子がよくなかったとか。一応冷凍保存された精子は半永久的に保存が可能らしいのですが、さすがに2000年も経つと、経年劣化があったり、現在の女性が持つ卵子に適合しないものになっている、とか。卵子との適合という話では、卵子同士の交配で代重ねしてきた卵子は、対卵子との生殖機能しか持ち得ないとか。もしくは、改造を加えた機械が受精にそぐわないとか…。とにかく普通ではダメ。この流れだと、着床実験は確実に頓挫しそうです。そして自ずと、特別な二人にスポットが。

 一人はもちろん唯一の男性である姫。そしてもう一人は皇。おおよそ18歳以上の女性たちを一晩で殺してしまうサキュバスの発動地域に足を踏み入れながら、今なお健康体を保っている彼女。どこまでも「普通の女の子」であったはずの彼女が、サキュバス予備軍となったことで、特別な存在へと昇華してしまいました。この世界での唯一無二の存在に並び立つ条件を備えた彼女は、改めてこの作品での相手役を務めるに相応しい。さて、二人はどのようにして再会し、正体を知ることになるのか。キリエの発言を見ていると、皇の場所へ連れて行きたいのか連れて行きたくないのか微妙な所ですが、サキュバスの影響を受けない姫ならば、皇の元に行くのは容易いことで、遅かれ早かれ向かうことになるんじゃないかろうか、と。


〜テンペスト幼稚園〜
 さて、今回はテンペスト幼稚園という番外編が巻末に収録されていました。これが収録されたことによって本編が短くなったのですが、同時に作品の裏話などが収録さていたので、これはこれで面白かったです。というか、本編が終始シリアスでエネルギーを使う読み方を要求されるのに対して、こちらはおふざけチックな軽めのノリで、だいぶ読みやすかったという。どういった言説がベースとなっているかとか、本作での男女の定義とか、本作を読む上で知っておくとオトクなお話が掲載されていました。
 
 
テンペスト3−3
味皇すら登場するこのノリ


 さて、4巻であれこれ動き出しそうな本作、登場は来年の夏ということで、なかなか待たせます。それまでゆっくり待つことにしましょう。


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