作品紹介→葉月かなえ「好きっていいなよ。」
3巻レビュー→根暗と幼女とヤリマンと・・・ 葉月かなえは計り知れない 《続刊レビュー》 「好きっていいなよ。」3巻
4巻レビュー→まだまだ幅を見せつける,どんどん面白くなる 《続刊レビュー》葉月かなえ「好きっていいなよ。」4巻
5巻レビュー→努力をしてきた子は美しい:葉月かなえ「好きっていいなよ。」5巻
6巻レビュー→弱い心が人を傷つけてしまう:葉月かなえ「好きっていいなよ。」6巻
7巻レビュー→あたしは表で生きていきたいのよ:葉月かなえ「好きっていいなよ。」7巻
8巻レビュー→自分の中に“女の子”が満ちていくとき:葉月かなえ「好きっていいなよ。」8巻
9巻レビュー→自己評価の低い女の子との付き合い方:葉月かなえ「好きっていいなよ。」9巻
関連作品レビュー→葉月かなえ「堀高ハネモノレンジャー」/ 葉月かなえ「あれもしたい、これもしたい」
葉月かなえ「好きっていいなよ。」(10) 
少し 心に
余裕ができて
今さらながら
人のありがたみというのがわかる。
■10巻発売しました。
黒沢大和と橘めいがつきあいはじめて、2度目のクリスマス。1年前は風邪でダウンしていためいだけど、今年はみんなと一緒に大和の家でのパーティに参加することに。初めて大勢の友達と過ごす幸せな時間。でも実はこの日は…!?
〜二つのイベント〜
10巻発売しました。アニメの方も昨年末に完結しまして、再び平常運行でございます。物語の方はクリスマス真っ直中。1度目のクリスマスはめいが発熱というまさかのアクシデントが発生しましたが、今回は体調を崩す事も無く、皆と一緒にクリスマスを過ごす事ができました。大和家でのクリスマスパーティ。みんなコスプレしたり、プレゼント交換したり、プレゼントの中身もすごいオシャレだったりエロかったりで、「ああ、自分こんな思い出一切ないよ。やっぱり住む世界というか育った高校の文化が違うんだなぁ。」なんて改めて思い知らされたりもしたわけですが、こういうのはこういうので楽しそうですね。
さて、今回はクリスマスだけでなく、もう一つ大事なイベントが隠されていたのでした。それが…

クリスマスはめいの誕生日でした
Wiiでボーリングをやっている最中にってのが、シュールで面白かったです。ちなみにめいはボーリングがお得意。

1巻ではこんな姿を披露していたのを、久々に思い出しました。このときはまだ二人は付き合っていなくて、大和を取り合って愛子と敵対していたような。この時のボーリングは盛り上がりつつも殺伐としていて、それから1年ちょっとでこんなに和気あいあいと遊んでいるのですから、人間関係の移ろいの激しさを思い知らされます。
クリスマスが誕生日っていうのは前から出ていた情報なんですかね?私は知らなかったので、パーティの日の朝に置かれていた母からの手紙に違和感を感じまくりで。まず2つプレゼントが置かれているというところに加えて、「メリークリスマス」という文字がないという。さらに「この日」という曖昧な言い方。隠すためにこういう書き方になったのかはわかりませんが、「誕生日おめでとう」の文字はさすがに入れられなかったのか。
〜ついに〜
さて、みんなで過ごしていたクリスマスですが、一時二人で外に出て戻ってきたら、家はもぬけの殻。賑やかさは一転、二人きりのクリスマスとなったのでした。そして、ついに!ついにですとも!散々待ちわびてきたあの日が、二桁巻数突入でやっと訪れたのでした。とはいえそこに至るまで、この日も時間がかかりました。
そもそもめいは、大和にあまり触れようとしないのです。その背景にあるのが、

大和と自分のステージの違い
これまでも再三このような想いには苛まれていましたが、「触れる」ということに関しても、彼女は同じような引け目を感じているのでした。それでも、どんなときだって大和は触れてきてくれるし、触れたらもっと強く触れてきてくれる。自分の頑張りを報いてくれるし、一度だって自分を拒絶をしたことはないし、いつだって温かく受け入れてくれました。大和とのステージの違いからくる引け目が、すぐさま解消されることはないのでしょうが、それまでの積み重ねは、めいの背中を押すのには充分でした。

思わず自分からハグ
単純に「触れたい」という欲求が先行したように描かれていますが、恐らくこの行動を取るためにめいは多分に勇気を要ったと思うのです。この欲求と頑張りが折り重なった行動を受けとめてくれるというのは、めいにとったらこれ以上ない幸せなんじゃなかろうか。
斯くして結ばれた二人。最中にめいは大和に「好き」だとちゃんと言葉で伝えます。これまでめいは、なかなか言葉で自分の想いを大和に伝える事ができませんでしたが、こうして直接肌を合わせることで、どこかに引っ掛かっていた引け目を感じることもなく、素直に精一杯、対等な立場で自分の言葉を伝えることができました。言葉で伝えきれない部分を、触れあうことで補っているのかと思ったのですが、そうではなくて、触れる事で言葉で伝えられるっていう、素敵な効果があったんですね。まさにタイトルである「好きっていいなよ。」が体現されたシーンだったのでした。
しかしクリスマスであり、自分の誕生日でもある日に、皆から祝われて、彼氏の家で過ごして、今まで伝えられなかった「大好き」という言葉を伝えられて、そしてめでたく初体験。数え役満ですな。本当に夢物語のような、王道の少女漫画ですとも。さて、恋人として一歩進んだめいと大和。11巻ではどんな歩みを見せてくれるのでしょうか。
■購入する→Amazon
3巻レビュー→根暗と幼女とヤリマンと・・・ 葉月かなえは計り知れない 《続刊レビュー》 「好きっていいなよ。」3巻
4巻レビュー→まだまだ幅を見せつける,どんどん面白くなる 《続刊レビュー》葉月かなえ「好きっていいなよ。」4巻
5巻レビュー→努力をしてきた子は美しい:葉月かなえ「好きっていいなよ。」5巻
6巻レビュー→弱い心が人を傷つけてしまう:葉月かなえ「好きっていいなよ。」6巻
7巻レビュー→あたしは表で生きていきたいのよ:葉月かなえ「好きっていいなよ。」7巻
8巻レビュー→自分の中に“女の子”が満ちていくとき:葉月かなえ「好きっていいなよ。」8巻
9巻レビュー→自己評価の低い女の子との付き合い方:葉月かなえ「好きっていいなよ。」9巻
関連作品レビュー→葉月かなえ「堀高ハネモノレンジャー」/ 葉月かなえ「あれもしたい、これもしたい」

少し 心に
余裕ができて
今さらながら
人のありがたみというのがわかる。
■10巻発売しました。
黒沢大和と橘めいがつきあいはじめて、2度目のクリスマス。1年前は風邪でダウンしていためいだけど、今年はみんなと一緒に大和の家でのパーティに参加することに。初めて大勢の友達と過ごす幸せな時間。でも実はこの日は…!?
〜二つのイベント〜
10巻発売しました。アニメの方も昨年末に完結しまして、再び平常運行でございます。物語の方はクリスマス真っ直中。1度目のクリスマスはめいが発熱というまさかのアクシデントが発生しましたが、今回は体調を崩す事も無く、皆と一緒にクリスマスを過ごす事ができました。大和家でのクリスマスパーティ。みんなコスプレしたり、プレゼント交換したり、プレゼントの中身もすごいオシャレだったりエロかったりで、「ああ、自分こんな思い出一切ないよ。やっぱり住む世界というか育った高校の文化が違うんだなぁ。」なんて改めて思い知らされたりもしたわけですが、こういうのはこういうので楽しそうですね。
さて、今回はクリスマスだけでなく、もう一つ大事なイベントが隠されていたのでした。それが…

クリスマスはめいの誕生日でした
Wiiでボーリングをやっている最中にってのが、シュールで面白かったです。ちなみにめいはボーリングがお得意。

1巻ではこんな姿を披露していたのを、久々に思い出しました。このときはまだ二人は付き合っていなくて、大和を取り合って愛子と敵対していたような。この時のボーリングは盛り上がりつつも殺伐としていて、それから1年ちょっとでこんなに和気あいあいと遊んでいるのですから、人間関係の移ろいの激しさを思い知らされます。
クリスマスが誕生日っていうのは前から出ていた情報なんですかね?私は知らなかったので、パーティの日の朝に置かれていた母からの手紙に違和感を感じまくりで。まず2つプレゼントが置かれているというところに加えて、「メリークリスマス」という文字がないという。さらに「この日」という曖昧な言い方。隠すためにこういう書き方になったのかはわかりませんが、「誕生日おめでとう」の文字はさすがに入れられなかったのか。
〜ついに〜
さて、みんなで過ごしていたクリスマスですが、一時二人で外に出て戻ってきたら、家はもぬけの殻。賑やかさは一転、二人きりのクリスマスとなったのでした。そして、ついに!ついにですとも!散々待ちわびてきたあの日が、二桁巻数突入でやっと訪れたのでした。とはいえそこに至るまで、この日も時間がかかりました。
そもそもめいは、大和にあまり触れようとしないのです。その背景にあるのが、

大和と自分のステージの違い
これまでも再三このような想いには苛まれていましたが、「触れる」ということに関しても、彼女は同じような引け目を感じているのでした。それでも、どんなときだって大和は触れてきてくれるし、触れたらもっと強く触れてきてくれる。自分の頑張りを報いてくれるし、一度だって自分を拒絶をしたことはないし、いつだって温かく受け入れてくれました。大和とのステージの違いからくる引け目が、すぐさま解消されることはないのでしょうが、それまでの積み重ねは、めいの背中を押すのには充分でした。

思わず自分からハグ
単純に「触れたい」という欲求が先行したように描かれていますが、恐らくこの行動を取るためにめいは多分に勇気を要ったと思うのです。この欲求と頑張りが折り重なった行動を受けとめてくれるというのは、めいにとったらこれ以上ない幸せなんじゃなかろうか。
斯くして結ばれた二人。最中にめいは大和に「好き」だとちゃんと言葉で伝えます。これまでめいは、なかなか言葉で自分の想いを大和に伝える事ができませんでしたが、こうして直接肌を合わせることで、どこかに引っ掛かっていた引け目を感じることもなく、素直に精一杯、対等な立場で自分の言葉を伝えることができました。言葉で伝えきれない部分を、触れあうことで補っているのかと思ったのですが、そうではなくて、触れる事で言葉で伝えられるっていう、素敵な効果があったんですね。まさにタイトルである「好きっていいなよ。」が体現されたシーンだったのでした。
しかしクリスマスであり、自分の誕生日でもある日に、皆から祝われて、彼氏の家で過ごして、今まで伝えられなかった「大好き」という言葉を伝えられて、そしてめでたく初体験。数え役満ですな。本当に夢物語のような、王道の少女漫画ですとも。さて、恋人として一歩進んだめいと大和。11巻ではどんな歩みを見せてくれるのでしょうか。
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