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Tag [続刊レビュー] 2013.01.25
作品紹介→立ち止まり癖のある女、ダブルワークはじめます:おかざき真里「&」1巻
2巻レビュー→ああもう、どうしてこんなに面白いんですか!:おかざき真里「&」2巻
3巻レビュー→理系男子のたどたどしい恋模様:おかざき真里「&」3巻
4巻レビュー→身体に触れる。心に触れる。:おかざき真里「&」4巻



1106235491.jpgおかざき真里「&」(5)


あなたは
よくやっているよ



■5巻発売しました。
 医療事務とネイルサロンのダブルワークを続ける薫は、19歳歳上の医師・矢飼とついに一夜を共にした。初めての両想いに心躍らせ、肌を重ねるたびに矢飼への想いが深まっていく薫は、彼の役に立ちたいと新たな医療事務資格の取得にも励み出す。しかし、薫への恋心を抱く代はそんな彼女の姿に苛立ち「もうネイルサロンの場所は貸さない」と言い放って…
 


〜追い風の5巻〜
 5巻発売です。4巻から間が空いているような感覚なのですが、そんなことはないか。さて、5巻にはなったものの、そこまで劇的に関係が変化しているかというと、そんな感覚はあまりありません。さすがにシロちゃんの線はなくなりつつあるように感じるのですが、かといって矢飼との関係が劇的に深まったという感もまたなく。どうしても矢飼が抱える過去が作る壁を乗り越えられないような…。
 
 とはいえ薫にとって終始逆風が吹いているわけではありません。そういった過去を考えずにいれば、見た感じ5巻は追い風。非常にハッピーな風が、彼女の背中を後押ししているような印象がありました。矢飼との関係はより親密になり、セックスも良好。一緒に温泉にまで行きました。いいですよね、こういう所をサラッと予約出来るような大人になりたいです。って全然関係ない話に…。矢飼の中では何かしらの諦めや葛藤のようなものが、相変わらず渦巻いているようなのですが、薫にはそれはなし。まさに順調の一言。この薫の恋愛における無邪気さが、どうしても後ろ向きになりがちな矢飼にとっては良い方向へと作用しているのかな、と思えたのでした。


〜仕事ができるということ〜
 さて、ここまでは恋愛の話。ここからは、仕事の話をしましょう。恋愛はもちろんですが、5巻はこれまでにも増して、仕事が占める割合が高い印象を受けました。そんな中飛び出したのが、こんな至言。


 5-1
どんな色でも20代のうちに成功の実感掴まねー奴は
年喰ってから方向性見失うんだよ
(中略)
そのためには良い指導者に出会えるかが重要ですよ
(中略)
出会えなかった奴は
この先ずっと中途半端に生きなきゃいけなくなる




 なるほど、確かに。なんて私は今まさに20代で、この言葉の答えを実際に知るのはずっと先のことなのですが、とりあえず本作のストーリーに照らしてみましょう。ポイントは「成功の実感」と、そのための「良い指導者」。薫は現在ダブルワークで二つの仕事をしている状態ですが、果たして…
 
 まずは事務職。矢飼の役に立ちたいと、より近くにいることができる医療事務職の取得に動き出すのですが、こちらはまだまだ駆け出しということで、なかなかうまくはいってくれません。「成功の実感」とまでは行かなくても、駆け出しの時点でも何かしら「手応え」みたいなものが感じられるかと思うのですが、読んでいる限りそんな感じはあまり。そもそもこの職種自体が、そういったわかりやすい成功体験を得られるようなものでもないのかもしれませんが…。また、良い指導者というところでは、紺野さんという新キャラを投入。この人がまたあれこれズバズバと言う人で、良い指導者かどうかについては、今のところ疑問符が。感覚として、なんとなく中途半端な形に終わりそうな予感がしています。

 もう一方のネイルではどうでしょうか。仕事場がなくなりそうでしたが、これはシロちゃんの嫉妬によるもの。小さい規模なりに、お店はやりくりできているようです。そしてここに来て、雑誌からの取材が。これは明らかな成功体験で、こちらはシロちゃんが暴走しなければとりあえず順調に行きそうです。こちらについては指導者はいませんが、先の言葉に照らすと指導者は手段で、成功体験が目的。なので、現時点でも大丈夫なんじゃないかな、と。
 
 どちらもまだ手に職ついた状態ではないですが、ゆくゆくは身について生業となってくるのでしょうか。そういえば今回は、「仕事ができる」という部分において、一人印象的な人物が登場しました。名前も出ない車掌さんですが、矢飼が電車内で急患への処置を検討している際に、咄嗟の判断で乗客を途中駅で下ろして時間のロスをなくすというファインプレーを披露。
 

 5-3
この時の描かれ方は、さすがプロという感じ


 少なくともこの作品では、ちゃんと仕事できないとカッコ悪いというか、仕事できるとひと際カッコ良く映るという。恋愛だけでなく仕事も、というのが大事な所なんです。


〜恋愛でも同じ事が言える?〜
 さて、先の矢飼さんの言葉ですが、これは恋愛にも同じ事が言えるのでしょうか。そうすると気になってくるのが、シロちゃんです。これまでどうしたって恋愛しているようには見えない彼。成功体験はゼロです。そしてそれを導いてくれるような指導者もおらず。その結果…
 

 5-2
中途半端でいいから傍にいてください…。


 キーワード「中途半端」が出てしまいました。完全に恋愛の方向性を見失っています。果たしてここから持ち直すことができるのか。なんとか切り替えるなり、覚悟するなりしないと、ずっと中途半端な距離感でぬるく過ごすことになってしまいます…。しかも結構やっかいそうな女性に掴まっていますし。迷走シロちゃんの明日はどっちだ!?


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