このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2013.02.05
1106237894.jpg渡辺カナ「花と落雷」(1)


それは雷のように一瞬で
抗えるはずも無い




■合同授業で憧れの南百瀬くんと急接近するも、クラス替えによってあっさりと遠い存在に…。「クラスとクラスの間というのは、国境くらいの…力がある」海美帆はその日、落ち込んでいました。そこへ現れたのが「有言実行委員会」を名乗る謎の女子・愛崎八千代。海美帆が南百瀬くんに告白できるよう八千代に後押しをされてるのですが…。その出会いは例えば、一瞬で世界が変わるような、花ひらくような、そんな…

 「マシカクロック」(→レビュー)や「星屑クライベイビー」などの単行本を出していらっしゃる渡辺カナ先生の連載作でございます。前作「星屑クライベイビー」はこのマンガがすごい!でもランクインするなど、非常に話題を集めた作品となっていましたが、今回満を持して巻数付きの連載へ。最近ではあまりみないペースでの出世のように思います。
 
 さて、物語の主人公はとある違うクラスの男子に恋をする女の子・海美帆。学力別で振り分けられる数学の授業で隣の席になった時に、一目で恋に落ちたのですが、その後彼は別のクラスに振り分けに。接点がないとどうしても縁遠くなってしまうため、先の見えない恋に落ち込んでいた海美帆ですが、そんな彼女を見て救いの手を差し伸べてくれる人物が…。それが、特進クラスの変わり者の女子・愛崎八千代。「有言実行委員会」を名乗る彼女は、あの手この手で海美帆と憧れの彼・南百瀬くんとの接点を作ってくれるのですが、その恋はどうやら叶わぬことがわかって…というお話。


花と落雷1−1
内気っぽい所はあるものの、とにかく純粋で真っ直ぐな性格の持ち主であるヒロイン・海美帆。その性格は見ているだけで応援してあげたくなるような…。


 この後勇気を出して、有言実行で告白するのですが、あえなく撃沈。しかしこれをきっかけに、海美帆は愛崎さんと仲良くなり、なんとなく「有言実行委員会」の活動を一緒に手伝うようになります。さらにタイミングを同じくして、クラスに転校生が。どうも他人とあまり話すことができないという彼を、なんとかクラスに溶け込ませようと、有言実行委員会が協力を始めることから物語は大きく動いていきます。
 
 恋愛スタートで、さらに失恋後友情を描き、そこから新しい恋愛の芽が。どうして恋愛に軸が置かれがちな中、本作はどちらかというと1巻時点では友情色が強めで、かつ心情描写も丁寧。恋愛でも友情でも自身の悩みでも、それぞれ描こうとしているものはごくありふれた情景・心情であるのですが、一歩踏み出せない性格のキャラがメインであるが故に、その描き出しは非常に丁寧。またそんなキャラを「有言実行委員会」というわかりやすい存在が明示的に後押しをしてくれるので、物語はしっかりと前に進んでくれます。
 

花と落雷1−2
 愛崎八千代という人物がとにかく突飛で異質ではあるのですが、そんな異質な存在を異質なままに物語に置いておくことで、物語も印象的なものになっているのだから、この人物配置はやっぱり上手いのか。


 作者さんのコメントを見ると、全2巻になるんですかね?1巻はどちらかというと友情に重きが置かれてしましたが、2巻以降一気に恋愛色になりそう。2巻完結の中でこのバランス感は、個人的にGOOD。とはいえ一方で、2巻という短さの中で愛崎さんという存在を消化しきれるのかという懸念も。愛崎さんの内面に迫れるのであればより味わい深そうで、個人的にはそっちに進んでもらいたいのですが、2巻という短さの中で、恋愛と愛崎さんとの友情という二つをたっぷり落とし込もうと思ったら、あの強烈なキャラクターは持て余してしまうのではないかな、という想いが若干。しかしながら、これを上手いこと畳んでくれたのであれば、それはもう面白い作品になるのではなかろうか。なんて、これはあくまで2巻で完結するのであれば、という前提でのお話なので、的外れな感想に終わることも多分にあるわけですが。ひとまず1巻、しっかり読める良いお話でございました。


【男性へのガイド】
→渡辺カナ先生推しは男性に多い気がするのですが、そもそも恒常的に少女マンガ読んでる人たちだからアテにならんか。少女マンガ絵ですが、恋愛一辺倒というわけではないので、とっつきやすさは多少あるかもしれません。
【感想まとめ】
→1巻でグッと心掴まれる感じはありませんでしたが、先々が楽しみな物語でした。作者さん含め、これからも追いかけていきたいところです。


作品DATA
■著者:渡辺カナ
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ「別冊マーガレット」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。